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DAZN観戦 2023年J3リーグ第18節 アスルクラロ沼津vs鹿児島ユナイテッドFC

2023-07-22 16:01:13 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

昇格に向けて負けられない戦いが続く鹿児島。
この日の相手は沼津と、ライセンス面で今現在昇格が叶わないという対照的なクラブ。

その沼津は前年も、昇格どころかライセンス消滅の危機対応に追われるなど、グラウンド外の戦いが活発だった感があり。
大混戦の昇格争いを、対岸の火事のような位置で観ざるを得ない状況はいかほどのものか……。
そんな事を考えていたら、沼津自身も現在6位と数字的にはその輪に加わらんとする所まで浮上。
しかもボール保持率はリーグトップの数字を残しているという事で、昇格へのプレッシャーとは無縁であるが故の強みすら感じられます。

前回観た際も、中山雅史監督が繰り広げる可変式・主体的なサッカーは中々趣深いと感じたものであり。
そこからさらに練度を増した(と思われる)サッカーは、上位の鹿児島相手にどれだけ通用するか。

前半5分に、ゴールキックを短くリスタートしてそこから最終ラインでパスワーク。
そして「超攻撃型左サイドバック」の濱に渡ると、裏へのロングパスを選択する濱。
受けたブラウンノアがマイナスのクロス(フィニッシュには繋がらず)と、ボール保持のなかロングボールを交えて好機に繋げるその姿は前回同様であり。
長短交えたその姿勢に、鹿児島は前線でボールを奪うシーンは殆ど作れずと、ポゼッションサッカーの神髄は如何なく発揮されておりました。

一方の可変式システム。
左サイドで濱が上がるのは前回と同様ですが、この日の注目点は逆の右SBである安在。
ビルドアップの際はボランチの位置でパスコースを作る動きを取り。
そうかと思えば、右サイドで前進を果たした際はハーフレーンを一気に駆け上がり、最前線に加わるという濱と類似する攻撃参加を見せます。
両サイドで「偽SB」の体勢を取るという具合に、理想のサッカーは極まりを見せていた感があり。

そうした沼津のスタイルを受け、リズムに乗れない立ち上がりを強いられた鹿児島。
それでもSBの上がりという面では負けておらず、サイドハーフとの関係性で最前線まで位置するスタイルは不変であり。
16分、星の上がりを尻目に下がって縦パスを受けた福田、ディフェンスに遭いこぼれるもコーナーキックに。
この右CKでキッカー木村ショートコーナー→中原ダイレクトでクロスと変化を付け、クリアされたボールを圓道がダイレクトでシュート。
GK武者のセービングを掠めて左ゴールポストに当たり、跳ね返りを広瀬が詰めたもののこれも右ポストに当たり。(広瀬のシュートはオフサイドを取られ無効)
連続で枠に阻まれる絵図となり、セットプレーからの一撃という勝負に拘る立場のクラブらしい姿を見せました。

この直後、(オフサイドによる間接フリーキックで)GK武者が裏へとロングフィードを送り、抜け出したブラウンノアがダイレクトでシュートを放ちましたがこれもオフサイド。
この判定に不満の色を露わにしたブラウンノア、以降精神的に乱れがちとなり、20分に渡邉にボールを奪われた直後追い掛けてチャージしてしまい反則。
ここで警告を受けても可笑しくなかったですが見逃され、しかしその後22分に再度反則。
沼津がボールポゼッションにより好機を作り、右から安在クロス→ファーで鈴木拳折り返しというチャンスボールが上がった所、合わせにいったブラウンノアでしたがクリアした広瀬にアフターチャージの格好となってしまい。
繰り返し反則という事で、今度は警告が突き出されてしまいました。

その後鹿児島サイドも、エリア内右へのロングパスに走り込んだ星がダイレクトでボレーシュート。
ゴールネットを揺らしたものの、これもオフサイドで無効となり。
ともにオフサイド判定に悩まされた格好となり、飲水タイムが挟まれ第1クールは終了に。

明けたのちも、長短のパスで攻撃を組み立てクロスにまで持っていく沼津。
それを阻む事がままならない鹿児島は、自分達のターンになった際の攻撃に賭ける他無く。
結果多少強引な前進から、獲得するセットプレーに活路を見出す形となります。
33分に藤本が安在に倒された事で左サイドからのフリーキック、キッカー木村のクロスをロメロがヘディングシュートに持っていくも、眼前のディフェンスに当たり撃ち切れず。
引き続きのCKも、クロスの跳ね返りを星がミドルシュートするもジャストミート出来ず。

獲得する好機も、不完全燃焼な終わり方をしてしまう鹿児島。
こうなると、自分達のスタイルを出し通す沼津の方に試合が傾くのは自明の理だったでしょうか。
37分、左サイドからの前進でパスワークを余所に例によって上がる濱、持井がディフェンスに遭った所をカバーして中央へ。
そしてブラウンノアのリターンを受けた濱、そのままエリア内を突いてシュートを放ち、前に出て来たGK松山の右を抜いてゴールネットを揺らします。
「超攻撃型サイドバック」に相応しい、最前線まで張り出してのゴールを奪いました。

リードした沼津、尚も勢いを持って攻め上がり。
依然として鹿児島のプレッシングは機能せず、スローインからの組み立ても巧くいき敵陣でサッカーを展開させます。
42分の左スローイン、裏へ投げ込まれたボールにブラウンノアが走り込み、クリアされるも鈴木拳がさらにダイレクトで裏へ送って結局ブラウンノアに渡るボール。
そしてカットインでエリア内を突き、シュートするもブロックされたこぼれを拾い直すブラウンノア、右へ横パスを経て森がシュート。(ブロック)

苦境に追い込まれた鹿児島、反撃を試みるもその流れは依然として良くなく。
44分に相手のクリアボールを拾った木村、そのまま遠目からシュートに持っていく(枠外)という具合に、無理目のフィニッシュも悪目立ちしていたようであり。
結局1-0のまま前半終了となりました。

流れを変えるべく、当然の如くハーフタイムで動く鹿児島。
圓道→武に交代し、武が右SHに入って福田が左SHにシフトと、2列目を微調整して後半に臨みます。

FW登録かつ上背もそれなりにある武を入れた事で、そこへロングボールを送る姿勢を見せた鹿児島の立ち上がり。
後半2分にそのロングパスを武が合わせ、クリアされるも木村が奪い返した事で攻撃開始、星のスルーパスを右奥で受けた武がカットイン。
入れたクロスはブロックに遭うも、こぼれ球をロメロがシュート、これが枠を捉えたもののゴール前で安在がブロックして惜しくも同点ならず。
しかし以降も右サイドへのロングボールの配給から好機を作り続け、交代が功を奏する形でとりあえず反撃体制を整えます。

それでも10分、ロングパスを受けた武のパスが星に送られるも、そこを濱に奪われてしまい。
そしてカウンターを反則で阻止した星が警告を受けるという具合に、慣れも示されます。
こうなると土台は揺らぐもので、直後にパスミスを敵陣で拾った沼津がショートカウンター。
森が左ポケットを突く絶好機を、渡邉がこれまた反則気味のチャージで阻止(反則無し)と、一歩間違えれば……という守備面。

14分に再び動く鹿児島ベンチ、ロメロ→端戸へと交代。
ベテラン、かつポストプレイヤー同士の交代と、攻撃の流れを保つ采配。
しかしその保つべき流れが依然としてこの日は不安定な鹿児島。

武の逆の左サイドでは、人員が変わった事で福田の推進力がある程度発揮される状況となった後半。
カットインを度々狙った福田ですが、沼津ディフェンスもシュートを警戒する姿勢を崩さず、フィニッシュには辿り着けません。

そしてターニングポイントとなった17分。
ここも左サイドで福田が持ちましたが、突破でもシュートでも無く戻しを選択、作り直したのちハーフレーンで受け直して中央の端戸へとパスした福田。
しかしこれが読まれてしまい藤嵜がボール奪取すると、ブラウンノア→徳永とダイレクトで繋げた末に、藤嵜が左ハーフレーンで抜け出して単騎突撃するカウンターとなります。
まさかのセンターバックの選手の持ち上がりに、人数も少ない鹿児島ディフェンスがひたすら下がるのみとなると、そのままエリア寸前まで進んだ藤嵜はカットインを経て中央から果敢にシュート。
ゴール右へと突き刺さり、藤嵜の「ゴールトゥーゴール」と言いたくなるような追加点が齎されました。

唖然としても仕方ない、という鹿児島サイド。
キックオフの前に2枚替え(藤本・木村→鈴木翔大・山口)したものの、ショックは大きいようで飲水タイム(23分)までさしたる好機は作れずとなり。
(沼津は21分に鈴木拳・和田→森・佐藤へと交代)

とにかく攻めるしかない鹿児島。
明けた最初の好機は25分で、渡邉の左サイド遠目からのクロスをファーで鈴木翔が折り返し。
これを中央で受けた端戸が反転しながらシュートしますが枠を捉えられず。
それでも、以降サイドに人数を掛けて攻める姿勢に、沼津サイドも完全に退いてのディフェンスを強いられ。
30分に持井・ブラウンノア→遠山・津久井へと2枚替え(和田がセンターフォワードにシフト)するも、鹿児島の圧力をまともに受ける姿勢は変えられません。

端戸が様々な場所で巧にポストプレイをする事で、スペースを開けて崩しを図る鹿児島。(32分に福田→河辺へと交代)
沼津はそれを阻止できず、中央を締める事を重視した事でサイド突破は容易になり。
しかしサイド奥に進入しても、沼津の最後の寄せの前にクロスがブロックされるシーンが頻発する等、有効性を高められず終わります。
それでもその副産物で膨らむCK。
木村が退いたのちは渡邉がキッカーを務めたものの、ニアサイドで端戸のフリック狙いを第一とした結果、悉く跳ね返されて結局実る事は無く。

攻勢には入れたものの、結局何処を取っても不純な流れは変えられず、といった鹿児島。
やはり2点ビハインドは致命的なものであり、フィニッシュもロクに膨らまないまま時間を浪費してしまいます。

そしてアディショナルタイムに入ると、攻め疲れからか沼津が反転。
AT突入後すぐ、鹿児島は河辺がカットインからマイナスのクロスを送るも繋がらず、これが沼津のカウンターを呼び。
濱が左ハーフレーンを持ち上がった末に追い越した佐藤へとパス、受けた佐藤はカットインを経てミドルシュートを放ち。
これが右ゴールポストを直撃と、あわや3点目というフィニッシュとなりました。

それでも徳永が足を攣らせてしまい担架で運ばれ、それに伴い大迫を投入。
これでATの時間も長くなり、目安の4分を過ぎたのちも尚もプレーは続いた中、鹿児島の最後の攻撃の最中に星が菅井に反則を受け。
これで右ハーフレーン・エリアからすぐ手前のFKとなり、キッカー渡邊のクロスから、端戸がヘディングシュートを放ってゴールネットを揺らします。
しかしこれがオフサイドとなりノーゴール、そして試合終了の笛が鳴り響くと、どうしても1点が遠い結果に終わってしまった鹿児島。

2-0で勝利した沼津、これで4位へと浮上します。
J2ライセンスへの視界が依然として見えないなか、「独自の戦い」が今後もリーグを掻き回すといったサッカーの内容だったでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第26節 ロアッソ熊本vs大分トリニータ

2023-07-20 16:01:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の熊本の記事はこちら(20節・清水戦、0-1)
※前回の大分の記事はこちら(17節・長崎戦、1-1)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯3回戦(J1・鳥栖戦、4-3)はほぼガチメンバーで挑んだため、変更は大本→阿部1人のみ。
  • 酒井が(J3・FC大阪から)レンタルで加入決定。選手登録は7/21以降。

<大分スタメン>

  • 羽田が前節(清水戦、1-2)退場となったため出場停止。
  • 前節の3-4-2-1から布陣変更。
  • 鮎川が(J1・広島から)育成型レンタルで加入、前節から登録されて早速途中出場を果たす。
  • 15節以降ベンチ外の長沢の負傷が発表される(5/29)も、発生日・全治ともに未発表。24節(町田戦、0-3)に復帰・途中出場も、以降再びベンチ外が続く。
  • 茂の負傷が発表される(6/8)も、発生日・全治ともに未発表。
  • 宇津元の負傷が発表される(6/8)も(以下同文)
  • 香川の負傷が発表される(6/14)も(以下同文)
  • 梅崎の負傷が発表される(6/14)も(以下同文)
  • 町田の負傷が発表される(6/14)も(以下同文)
  • ペレイラの負傷が発表される(6/27)も(以下同文)
  • 屋敷の負傷が発表される(7/6)も(以下同文)
  • 高畑の負傷が発表される(7/10)も(以下同文)
  • 2025年に加入内定している有働(中京大)が特別指定で22節より登録。

個人的に、評価が乱高下しているのが大分。
今季初めて観た際(5節・千葉戦)には、非常に完成度の高いビルドアップにより内容で相手を圧倒しており、これは自動昇格争いは文句無いと思えたものです。
しかし続いて観た11節・水戸戦では、時間が進むにつれてロングボールへの傾倒具合が増していき、緻密ぶりが雲散霧消していたかのようなサッカーに見え。
その後も観た試合は壮絶なる撃ち合い(14節・金沢戦、4-3)や、数的優位にも拘らず勝ちきれず(前回)といった、不安の影を残す内容であり。
それでも上位を維持しているものの、ここに来て連敗を喫したとあり、その不安要素が大波となって襲い掛かりかねない状況に。

内容よりも結果を重視、つまりJ1昇格をマストとしている故に起こっている現象なのか。
それとも続出する故障者故に、中々サッカーの基盤を固められないのか。
それでも待ったなく進んでいるシーズンの中、フォーメーションも4バックと3バックを使い分け、前節の3-4-2-1からこの日は4-2-3-1へとシフト。
果たして「相手に合わせた策」と評価されるのか、「迷走の始まり」と揶揄されるのか、全ては結果次第といった所でしょうか。

連敗とはいっても上位クラブが相手(町田・清水)故に、気を落とすよりは割り切りの方が強かったように見えた大分の入り。
熊本の3バック+アンカーでのビルドアップに対し、しっかり4対4の同数で嵌めにいき、前半1分に早くも野村のパスカットから好機。(中川がエリア内へスルーパスもサムエルには繋がらず)
かと思えば5分には、サムエルがアンカー上村を切る位置に留まり、中川が一列下がってのミドルプレス。
前に出された所を保田が奪って再びショートカウンター(右から松尾がクロスもフィニッシュには繋がらず)と、熊本のサッカーを多彩な対応で封じ込めていきます。
その流れの中で、10分にはゲーゲンプレスにより保田がボール奪取、こぼれ球を藤本がダイレクトでミドルシュート(枠外)とファーストシュートに辿り着き。

そんな大分のプレッシングにより、ボールを運ぶのに難儀する熊本。
裏狙いのロングボールへと狙いを切り替えると、16分に左サイドでロングパスを受けた粟飯原を起点とし、松岡のカットインを経て竹本がミドルシュート。(GK西川セーブ)
竹本はその前の13分にもミドルシュートを撃っており(枠外)、これが大分の警戒対象となったでしょうか。

20分以降の大分はプレッシングの形を変え、右サイドハーフの松尾が引き気味となり、サムエル・中川・藤本の3人で規制を掛けるスタイルに。
中々降りて来ず、嫌な位置を取る竹本への対策だったでしょうが、逆に竹本にピン止めされているようにも映るその姿。
これを境に好循環が途切れる大分。
自身の攻撃ターンでもパスミスが目立ち、22分にはそこから島村に拾われ運ばれた末に、ペナルティアークからシュートを浴びます。(GK西川キャッチ)

26分に飲水タイムが挟まれるも、流れは変わらず熊本の攻勢。
29分に最後列の大西が一気にスルーパスを左ポケットへ通し、受けた粟飯原が奥へ切り込み、GK西川は前に出てそれを阻みにいくも果たせず。
そしてクロスが送られ、誰かが触ればゴールという場面となるも、クリアして何とか命拾い。
直後にも粟飯原のポストプレイをデルランが反則チャージし、拾われてアドバンテージとなり続行と目も当てられない展開に。
そして大西の縦パスをエリア内で受けた松岡がシュート(枠外)と、フィニッシュで終わったのちデルランに警告と、退潮著しいといった大分。

これを救ったのは、直後のゴールキックでのロングフィード→サムエルフリック→藤本と、この日の黄金連係というべきでしょうか。
ここから藤本が左ポケット奥を突いてマイナスのクロス、中央でサムエルが合わせにいくもその前でクリアされ。
しかしこれで流れを取り戻す大分、34分には右スローインから中央→左へとサイドを変え、左ポケットへのスルーパスに走り込む野村。
ヒールパスで繋がんとし、ディフェンスでこぼれた所を再度拾ってクロスを送ると、中央でデルランがジャンピングボレーでシュートするもゴール左へと外れ。
ターゲットとフィニッシャー双方で、サムエルが機能し始めます。

しかし流れを完全に変えるまでには至らず。
直後の35分、熊本の攻撃はコーナーキック(左)に持ち込まれると、キッカー平川はここでサインプレー。
ライナーで上がったファーサイドへのクロスが完全に大分の意識の逆を突き、フリーの黒木がボレーシュートで仕留めます。
綺麗に左サイドネットへと突き刺さり、先制点は熊本に入りました。

これを機に流れを取り戻す熊本。
散々攻勢を掛けたかと思えば、40分には大分のビルドアップを最終ラインで粟飯原が遮断する(こぼれ球はダイレクトでゴールラインを割る)など、立ち上がりの大分のお株を奪ったかのような展開に。

しかしここでも、40分にゴールキックから、ロングフィード→サムエルフリック→藤本で流れを反転させにかかる大分。
野嶽のクロスはGK田代にパンチングで防がれるも、直後の熊本の前進を右サイドで阻んで再度攻撃し、サイドを変えて左からの攻めへ。
藤本のスルーパスを受けた野嶽が低いクロスを送ると、大西の後方からサムエルが足を伸ばして合わせゴールネットを揺らします。
ようやくの今季初ゴールを挙げたサムエル、流れを変えるべくの貴重な同点弾となり。

しかしその後も、トランジションの応酬のなか警戒すべき竹本をフリーにしてしまい受けられる(44分)など流れは依然として熊本にあり。
45分には押し込まれた状態でのミドルパスを竹本にカットされ、そこからパスワークでエリア内に運ばれた末に島村のシュート。
GK西川がセーブと、崩された末に辛うじて防ぐという具合に苦戦を強いられる大分。
それでも何とか1-1のまま前半を終わらせました。

ハーフタイム、ともに1人ずつ選手交代。
熊本は粟飯原→伊東、大分は松尾→渡邉へと代えて後半に臨み。

やはり大分は黄金連係(サムエルに合わせるロングボール)を決めて好機を作った(後半4分)のに対し、熊本は前半の通り長短を使い分ける攻撃。
5分には江崎のロングパスを安藤がクリアミスして伊東に渡り、中央でパスを受けた島村がエリア内を突いてシュート。
これもGK西川がセーブと、守備面の不安定さは拭えない大分。
続く左CKでも、ファーサイドでどフリーになった阿部がヘディングシュート(ゴール右へ外れる)と、失点しなくて良かったというべき流れだったでしょうか。

流れを作り辛い状態で、迎えた8分の大分。
最終ラインから例によって左サイドで前進を図り、戻しからデルランが一気にエリア内へロングパスを通し。
左ポケットで収めたのは渡邉で、囲まれながらもスイッチ気味に藤本に託すと、GKの眼前に迫った藤本はフェイントで田代を釣ったのちにシュート。
シュートを、というよりはフェイントを決めたという表現がピッタリなゴールで、大分が勝ち越しに成功します。

この日初めてリードされた熊本、以降流れが悪くなり。
焦ってダイレクトパスを連発してはボールロスト、という具合に巧くいかなくなる攻撃。
やはりサッカーは、1点の重みが段違いなスポーツである事を再確認させるに至ります。

大分は渡邉に代わった右SHも、前半と変わらず守備時は右サイドで下がり目に位置するスタイルを維持。
しかし今度は竹本へのチェックはしっかりなされていたようで、攻めあぐねた熊本が下げた所に前に出る渡邉、という具合に機能不全に陥らせ。
今度は窮地に陥ったのは熊本の方となり、対処策として島村を下ろしてビルドアップの脱出を図る立ち回りに移行します。
しかし大分はプレスを嵌められなくとも、自陣ではしっかりブロックを構築して熊本のパスワークを防ぎに掛かり。

一向にゴールに迫る事が出来ない熊本。
21分には中盤の位置で大分のクリアボールを拾った島村、そのままハーフレーンをドリブルで持ち上がり。
しかしエリア手前で奪われると大分のカウンターが発動と、結局焦りからの持ち運びにしか映らない結果に終わり。
このカウンターで、野村縦パス→サムエルダイレクトで裏へ浮き球→藤本前進から(左から)グラウンダーでクロスとエリア内へ運ぶ大分。
ファーに走り込む渡邉の前で遮断されるも、それを拾い直してシュートを放った渡邉でしたがGK田代が足でセーブと辛うじて防ぎ。(その後渡邉拾ってバックパス→中川シュートもブロック)

大分のCKというタイミングで、島村→道脇へと交代する熊本。(3トップは右=松岡・中央=島脇・左=伊東の並びに)
CK攻勢となるも、2本目のCKを跳ね返してカウンターに持ち込み、平川が中央をドリブルで突き進んだ後左の伊東へ。
しかしこのパスを伊東は収められず、絶好機を逃したという印象を残してしまい飲水タイムに入ります。

明ける際に大分ベンチが動き、サムエル・中川→伊佐・鮎川へと2枚替え。
すると再びゴールキック→伊佐フリック→藤本という、サムエルと変わらない黄金連係に関わる伊佐、受け直して左奥からマイナスのクロス。
その後中央でのボールキープからシュートまで放った伊佐、阿部にブロックされるも左CKでチャンス継続となり。
キッカー野村のクロスが中央に入ると、またもマークを外した伊佐が跳び込んでヘディングシュート。
GK田代がセーブするも、眼前の藤本に当たって右へこぼれた所、詰めたのは上夷。
ブレイク明け最初の攻勢をモノにし、リードを広げた大分。

2点ビハインドの熊本、窮状は変わりませんがとにかく攻めるしか無く。
31分に竹本→田辺へと交代するも、渡邉・伊佐が活躍する大分と比べベンチの駒が薄いのは否めません。
直後に、投入された道脇が反則気味にボールを奪い、キープする所野村に倒されると反則の笛が吹かれ。
これで判定に納得出来ない大分サイドをヒートアップさせる、といったシーンが精々だったでしょうか。
結局このフリーキックからの好機もモノに出来なかった熊本。

一方ゾーンディフェンスの色を濃くして逃げ切りを図る大分。
道中34分に野村が足を攣らせてしまい、担架で運ばれて交代。(池田を投入)
もう片方のボランチである保田も、38分に倒れて動けなくなり(攣らせたか痛めたかは若干不透明)再び担架の出番となり、弓場と交代します。

大分の途中出場の選手が活躍するなか、見せ場を作りたいのが加入したての鮎川で、44分に決定機が訪れます。
池田のパスカットから右サイドで繋いでいき、スルーパスに綺麗に抜け出した鮎川、GK田代が前に出たのを見てダイレクトでループシュート。
ボールは無人のゴールへ、と思われましたが威力が足りず、失速した所を黒木に拾われて惜しくもゴールはなりませんでした。

一方ゴールの可能性は殆ど消え失せた状態の熊本。
そのままアディショナルタイムに突入し、平川のミドルシュートがブロックに当たって枠外となり、左CKを獲得。
時間も少ないなかGK田代も上がりを選択し、最後の望みという体勢を取ると、流れも熊本に味方しここから4本も続くCK攻勢に。(キッカーは全て田辺)

1本目、クリアボールを上村が拾って再度田辺に繋いで低いクロス、ニアでの伊東のフリックがこぼれた所を大西がシュート。
しかしデルランが頭部でのブロックで防ぎ、ゴールラインを割り。
2本目もファーサイドで阿部が叩き付けるヘディングシュート、ワンバウンドしてゴール上部を襲うもGK西川が枠外へ逃げるセーブで防ぎ。
3本目も、クリアボールを拾った上村がミドルシュート、これもGK西川のセーブに阻まれ。
3連続でフィニッシュに結び付けるも、得点には辿り着けなかった熊本。

結局1-3のまま、目安の5分が過ぎて吹かれる試合終了のホイッスル。
大分がスコアとともに流れも逆転させたという試合となり、これによりリーグ戦の流れも変えて昇格に向かいたい所でしょう。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第26節 ツエーゲン金沢vsベガルタ仙台

2023-07-19 18:08:43 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の金沢の記事はこちら(17節・甲府戦、0-1)
※前回の仙台の記事はこちら(23節・山形戦、1-4)

<金沢スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 山本が(磐田から)レンタルで加入決定。(再加入)選手登録は7/21以降。
  • 井上がプロA契約を締結。

<仙台スタメン>

  • 監督を交代。7/13(天皇杯3回戦の1日後)に伊藤彰氏の退任が決定し、コーチの堀孝史氏が昇格という形で就任。
  • 天皇杯3回戦(J1・名古屋戦、1-1・PK戦で敗戦)からのスタメン継続はGK林彰・鎌田の2人。菅田・ホヨンジュンが途中出場。
  • 前節(栃木戦、2-2)出場停止の鎌田がスタメン復帰。
  • 中山が累積警告のため出場停止。
  • 松崎が(J1・浦和から)レンタルで加入決定。

水曜に天皇杯3回戦を戦った仙台、J1クラブ(名古屋)相手に善戦し、延長に勝ち越されるもののすかさず同点に追い付く奮闘ぶりを見せ。
PK戦の末に敗れたものの、この試合をリーグ戦に繋げていきたい……と余韻に浸る間も無く。
伊藤監督の退任が発表されたのはその翌日の事でした。

直近で6戦未勝利(2分4敗)というリーグ戦の成績でフロントは断を下したのでしょうが、どうにも歯車が噛み合わない印象を残すに終わり。
やるなら天皇杯の前にやるべき、とは誰もが思うであろう事であり、準備期間も切り替えの時間も足りずに残された選手・新監督も困る状況になりやしないか。

よって内部昇格以外選択肢が無くなった(と思われる)新監督、コーチの堀氏が格上げという形になりました。
これで3年連続のシーズン途中での監督交代ですが、2021年はまあ降格決定後の敗戦処理という感じなので例外でしょう。
しかしその時に就任した原崎政人氏は、今季途中に大宮の監督に。
そして今回の堀氏は、過去3度も途中就任している経歴を持つ(2011・2017年に浦和、2021年にヴェルディ)など、監督のたらい回しと化していないかと不安になる昨今のJ2リーグ。
監督交代が多いサッカー界ではある程度仕方ないですが、果たしてそこにビジョンは持てているのか。

さて堀氏の仙台での初陣となった試合、相手はこちらも目下4連敗中の金沢。
前回観た際の「みちのくダービー」は不可思議な可変システムを採るなど、伊藤前監督の迷走ぶりが既に露わになり始めていましたが、そんなチームの立て直しをどうやって図るのか。

しかしその手腕を確かめる間も無く、試合開始からひたすら金沢の攻撃を浴びる仙台。
豊田狙いのロングボール、加藤潤のドリブルといった金沢のストロングポイントに押され続け、自分達の色を出す事すらままなりません。
前半6分にパスミスから敵陣で攻撃開始する金沢、右から大石クロス→豊田折り返しこそクリアされるも、そのボールをダイレクトで放った藤村のミドルシュートが左ゴールポスト直撃。
拾った加藤潤のシュートは若狭がブロックと、序盤から際どい凌ぎを強いられます。

そして7分に決壊する仙台、自陣深めでのスローインを跳ね返され、空中戦で負けた結果豊田のフリック気味の落としがエリア内へ。
拾った大石が菅田をかわした末のシュートをゴール右へと突き刺し、流れ通りに金沢が先制点を挙げました。
連敗脱出に向け幸先良いスタートとなり。

早くも追う立場となった仙台。
ポゼッションによる攻撃をある程度強いられる状況となりますが、ここで「自分達の色を出すチャンス」では無く「ボールを握らされている」と捉えてしまったかのように攻撃は硬直気味となり。
エヴェルトンをアンカーのような位置に置き、4-3-3気味に可変するという形は垣間見えたものの、新しい事をするには流石に準備期間が短かったか。
15分にビルドアップの隙を突かれ若狭がボールロスト、奪った加藤潤がエリア内を突く(シュートは撃てず)など最終ラインも不安定気味。

その後何とかボール支配の基盤を作りますが、チャンスを迎えるのは個人の技量次第といった感じ。
即ち氣田の突破力で、18分に敵陣でパスワークで攻め込み、若狭のクロスがクリアされたのち左サイドで氣田が持ち。
そこからカットインを経てミドルシュートを放つもGK白井がセーブ。
続く19分にも氣田が左サイド奥を取ってからのカットイン、今度はクロスを選択し、ファーでホヨンジュンが落として郷家が撃ちにいくもディフェンスに阻まれ。

飲水タイムは22分に挟まれ、このブレイクによりペースを失う仙台。
山田と郷家の位置を入れ替えたものの、流れを変えるというよりは、準備してきた事を放棄してしまったといえるでしょうか。
加藤潤に突破を許すシーンを続発させるなど、再び金沢の流れとなり。

34分から何度も決定機を迎える金沢、コーナーキックからクロスの跳ね返りを長峰がミドルシュート、ブロックでこぼれた所を豊田がエリア内からシュート。(GK林彰セーブ)
尚もクリアボールを拾われ、藤村のミドルシュートをGK林彰がセーブ、詰めた豊田がエリア内でシュート(枠外)とまたも連撃を浴びせ。
36分にも右サイド裏を突いた金沢が好機、大石がカットインからマイナスのクロスを入れ、加藤潤が合わせるもゴール前で若狭がブロック。
そして加藤潤が追撃しにいき、ディフェンスに遭いこぼれた所を大石がシュートするもゴール右へ逸れ、この流れでは得点出来ずに終わりました。

九死に一生を得た仙台。
最終ラインでのビルドアップは、誤魔化しながらも巧くいくようになりましたが、そこからの攻撃が虚無。
中盤まで運ぶも、好機を作らんと焦りすぎの感があり、(主に鎌田から)入れられる縦パス・スルーパスが繋がらないシーンが目立ちました。

何とか良い流れを作りたいという終盤の45分、ようやく敵陣でボールを回す攻撃に。
しかしこの時も、裏に走り込まんとした氣田が藤村と交錯するというアクシデントがあり、ホヨンジュンがスルーパスを出せずに切り替えを余儀なくされてのものであり。
右サイドへ展開するも、若狭のクロスは精度を欠いて終わります。
実力も運も足りないという感じだった前半の仙台、結局1-0のまま折り返し。

後半を迎える前に、リードしている金沢の側が先に動き。
大ベテラン・豊田に代え、杉浦を投入します。

後半は山田のポストワークを巧く使い、ボールポゼッションに厚みを持たせる仙台。
それに伴い内田が高い位置でボールに絡むという、本来のサイドバックらしい攻撃参加で好機を演出していきます。
これまでは右肩上がりの布陣により、持ち味が出ない時期が多かった今季の内田。
これが監督交代の効果、といわんばかりに攻め上がり。
何度もクロスを送り、前半皆無だったCKも得れるようになるなど攻勢の準備は整います。

しかしシュートには辿り着けずと、同点への道筋は未だ遠く。
判定面の不運も相変わらずで、後半13分には鎌田が中盤の底(後半からエヴェルトンと役割を入れ替えアンカー気味にプレー)から組み立て、縦パス→山田ポストプレイ→氣田縦パスという流れでホヨンジュンへ送り。
しかしホヨンジュンは井上のチャージで体勢を崩したため繋がらず(反則無し)、逆にカットした井上がドリブルに入り金沢の逆襲に。
これを反則で止めた鎌田が警告を受けてしまう、という具合。
一方好循環が止まった金沢、15分に大石→大谷に交代と先んじて動きました。

攻めの流れは作った仙台ですが、守勢になると脆いのは変わらず。
17分に金沢のゴールキック、杉浦狙いのロングフィードのこぼれ球を大谷に拾われると、奥を突いたのちの戻しを経て加藤潤がドリブルでポケットを取り。
そして上げられたクロスをファーサイドで杉浦がヘディングシュート、これをゴールライン寸前でGK林がファインセーブと、際どい凌ぎを強いられるのは不変のようでした。

得点にはもう一つブーストが欲しいという状況で、18分に最初のカードを切る仙台。
エヴェルトン・山田→フォギーニョ・加藤千へと2枚替えし、郷家がFWへ回ります。

19分、金沢のパスミスをキムテヒョンがダイレクトで縦パスを送っての好機、投入された加藤千が右奥を突いてのクロスでCKに辿り着き。
この左CKをキッカー鎌田はショートコーナー、氣田がマイナスのカットインを経てミドルシュートと変化を付け、ブロックに阻まれたのちの二次攻撃でした。
GK林が左へフィードを送り、落としを経て内田のクロスに持っていくと、ニアで跳んだ若狭を越えて中央へ。
これがホヨンジュンと前に出たGK白井との交錯でこぼれる紛れが生まれ、すかさず詰めた郷家がゴールへ蹴り込みます。
交代をすぐに結果に結び付けた仙台、試合は振出しに。

キックオフ前に金沢がカードを切る(石原→奥田)も、尚も攻める仙台。
22分に左ポケットを突いて氣田のクロス、流れた所を右ポケットで加藤千が拾い、キープの末にクロス(シュートには繋がらず)と両翼を羽ばたかせての攻撃。
しかし良い流れが見えて来た所で、(井上が郷家にチャージされ倒れたというタイミングもあり)飲水タイムが挟まれます。(23分)

ここから建て直しを図る金沢、15分の好機のように左サイドを突く事に活路を見出し。
この日はビルドアップを含めて若狭が不安定といった感じであり、疲れが見える時間帯で狙い撃ちを図ったでしょうか。
何度もサイド奥を突くも、長峰のクロス精度が今一つだったため大事故には繋がりませんでしたが、結局仙台が手当てを出来なかった事が響く事となり。

その要因はアクシデントが絡んだ事で、28分に再三攻撃の流れを作ってきた内田が、裏に抜けてボールを受けにいった所を奥田にチャージされてしまい倒れ込み。
内田は起き上がる事が出来ずに担架で運ばれると、堀監督が直ぐに交代要員を準備出来なかったため、数的不利となる仙台。
その間にも、大谷が左ポケット奥へ切り込んでクロス(30分、フィニッシュには繋がらず)という具合に弱点を突かれます。

結局32分に交代カードが切られ、内田に代わって投入されたのはオナイウ。(同時にホヨンジュン→菅原へと交代)
オナイウは攻撃タイプなので、加藤千が右SBに下がる事で若狭がセンターバックに回り、押し出されるようにキムテヒョンが左SBとなります。
これで右サイドを止めるどころか、左サイドでの跳梁も失いかねない布陣を強いられ。

そして33分、フォギーニョのサイドチェンジを長峰にカットされて始まる金沢の左サイドアタック。
スルーパスを奥で受けた大谷から、カットインを経てのグラウンダーのクロスを、ニアに入り込んだ杉浦が合わせてゴール内へと転がし攻撃を完遂させました。
仙台が綻びを埋められないうちに、再びリードを奪った金沢。

こうなると頼みは、途中出場のオナイウの突破力という感じの仙台。
金沢サイドもそれは解っているだけに、苦しい状況であり。
40分に若狭→中島へと交代し3-4-2-1、しかしウイングバックがFWのような3-4-3へシフト。
布陣変更に活路を見出すも流れは変えられません。
同時に金沢も、井上が足を攣らせた事で最後の交代を敢行し、井上・加藤潤→黒木・小野原へと2枚替え。

終盤は中島がキッカーとなるセットプレーはじめ、遠目から放り込みの体勢となる仙台。
そんな状態でも金沢の左サイドアタックを受ける等、右サイドの脆弱ぶりが付いて回り、金沢サイドも奥を突いてもキープを優先して時間を使う立ち回りに。

何とかGK林が放り込み、セカンドボールを繋いで右サイドのオナイウにボールが渡ったのが最後のチャンス。
奥へ切り込んでクロスを上げるオナイウ、クリアされるも氣田が拾ってポケットへボールを送り、受けた中島が反転しながらのシュート。
GK白井も反応できませんでした(見切ったか?)が、ボールは無情にもゴール左へと外れて同点ならず。
それと同時に試合終了の笛が鳴り、金沢が連敗脱出を勝利で果たしました。

金沢は降格圏の21位という現状ですが、そんなチームに対し常時押され気味のような内容を演じてしまった仙台。
混戦模様の残留争いに巻き込まれるかどうかはまだ不透明ですが、堀新監督が果たすべき役割はとても重大なものとなりそうです。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第26節 清水エスパルスvsジェフユナイテッド千葉

2023-07-18 16:01:38 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の清水の記事はこちら(22節・群馬戦、1-1)
※前回の千葉の記事はこちら(21節・いわき戦、0-0)
※前回対戦時の記事はこちら(16節・千葉 1-0 清水)

<清水スタメン>

  • 白崎が累積警告により出場停止。
  • 原が(スイス・グラスホッパー クラブ チューリッヒより)レンタルから復帰という形で再加入。試合出場は7/21以降。
  • 鈴木唯人が(フランス・RCストラスブールより)レンタルから復帰という形で(以下同文)
  • ディサロ燦シルヴァーノのJ1・湘南への移籍が決定。登録抹消は7/21以降。

<千葉スタメン>

  • 前節は3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、フォーメーション変更。
  • 末吉の岡山へのレンタル移籍が決定。

国立競技場での一戦という事で、注目度も試合前から高いであろう一戦。
先週の町田vsヴェルディ(2-2)が成功の部類に終わったので、ホームの清水サイドもそれ以上の成果を挙げんと、イベントてんこ盛り(詳細)のなか開催されました。
おかげで入場者数でJ2最多記録を更新(47,628人)とメモリアルな一日となりましたが、試合内容の方はどうだったか。

千葉のキックオフでスタートした前半、ロングボール攻勢を経ていきなり右から田中がロングスローを投げ入れる幕開けとなり。
続く前半2分にはクリアボールを小森が収めるとそのままミドルシュートを放ち、ブロックされてコーナーキックへ。(ここからはフィニッシュに繋がらず)
少ない手数からセットプレーという、勝負に拘っての入りとなりました。

しかしその流れも、3分に左スローインを直接ホナウドにカットされて途切れ。
これを境に、清水のクオリティ溢れる攻撃に晒される展開へと突入します。

乾が中心となっての2列目の動きの流動性は、最早説明不要という清水。
ビルドアップ時の最終ラインの形も、右肩上がり・左肩上がり・中央密集を使い分け。(西澤が上がっての左肩上がりの割合が多かったか)
中央密集の際は、ボランチが縦関係になってのアンカースタイルに、乾が加わる事で1-2のラインを形成というのが画面から伺える基本形だったでしょうか。

そうした主体的な攻撃の形を作る清水に対し、千葉はプレッシングで阻まんとするも苦戦は否めず。
11分に清水の最終ラインに勝負を挑むも、GK権田に戻されたのち右へと展開され、北爪→ホナウドと経由してのスルーパスがエリア内で中山に渡り。
そして奥へ切り込んでシュートが放たれるも、ゴール左へ外れ。
命拾いといった千葉でしたが、13分にはその清水の右サイドからの前進に対しパスコースを切りにいった日高、前に出過ぎた(前方の北爪のケアに気を取られたか)末に後方を通されて再び中山に渡り。
彼が入れたグラウンダーのクロスをニアで北川が合わせる(枠外)という具合に、良い様に崩しを受けていた印象は拭えず。

そして15分流動的な二列目を活かしてパスを繋ぐ清水、中山が左に流れてパスワークに加わった末に逆の右へと展開され、北爪のクロスを合わせにいく中山。
クリアされるも、拾った神谷が果敢にミドルシュートを放つと、ゴール右上へと豪快に突き刺さります。
千葉ディフェンスを振り回した末のゴラッソという、良い流れで先行した清水。

しかし千葉も、大観衆の前で黙っている訳にはいかず。
17分、見木の裏へのミドルパスで深さを取りにいき、こぼれ球を拾った小森から戻しを経て見木の下へと戻るボール。
そして左ハーフレーンのバイタルから、こちらも果敢にミドルシュートを放ちにいった見木。
ボールはホナウドのブロックでコースが変わり、ゴールに吸い込まれるという半ば幸運なゴールとなりましたが、相手への対抗心が呼んだ同点弾と言うべきでしょうか。

喜びも束の間、直後に佐々木のヘッドでのバックパスがズレて清水にCKを献上してしまう千葉。(このクロスの跳ね返りから西澤がミドルシュート、枠外)
20分には敵陣で宮本にボール奪取され、拾った乾のペナルティアークからのシュートを浴びる(枠外)など、清水の圧力に晒されます。

飲水タイムが挟まれた後も、清水の攻撃の時間が中心となる試合展開。
清水は西澤がハーフレーンに絞るなど、ビルドアップにも一工夫を加えさらに千葉ディフェンスの困惑を高める立ち回り。
それで生まれる間隙を突くように、乾が細かいタッチでの中央突破で美技を見せたのが31分で、そのままエリア内に入り込みシュートまで持っていき。(GK鈴木椋セーブ)

受けに回るのは避けたい千葉、36分に清水の左→右へのサイドチェンジを高木俊がカットすると、そのままスペースへ向かいドリブルへ入り。
これを戻った乾がスライディングで止めたものの、スローインが千葉ボールとなり副審に対し激しく異議を唱える乾。
清水の攻勢を逆手に取る姿勢とも相成り、これで潮目が変わったでしょうか。
38分に風間の裏へミドルパスにスピードを発揮して追い付いた田中、溜めたのちの中央へのパスを小森がスルーして風間へ。
揺さぶって崩しを掛け、左ポケットからの高木俊のクロスに繋がり、流れたボールを繋いだ末に高橋壱がミドルシュート。(ホナウドがブロックしてCKに)
こちらも主体的な崩しで応戦体勢を見せました。

その後の清水は自陣でのパスミスもあり、盤石と思われた攻めの流れは何かと乱れがちに。
ようやくアディショナルタイムに、(田口の反則による)フリーキックからの二次攻撃で、北爪の右からのクロスがこぼれた所を中山がボレーシュート。(枠外)
それでも勢いは衰えた感が拭えないまま、前半を1-1で終えました。

ハーフタイムでは共に交代は無く、清水のキックオフで始まった後半。
そのキックオフからの攻撃で、ロングパス→北川がフリックから、北爪のクロスにまで繋げた清水。
しかし千葉もそのクリアボールを繋ぎ右サイドで田中がドリブル、風間とのワンツーを経てクロスと、開始1分から激しい応酬が行われ。

そのハイテンションぶりが、(清水有利と思われる)戦力差を覆すに至ったでしょうか。
このクロスがクリアされて右からのスローインとなった千葉は、再び田中のロングスロー。
跳ね返されるも回収して二次攻撃を仕掛ける千葉、前残りの鈴木大へロビングが上がると、彼の折り返しが綺麗に小森に収まり。
そしてワントラップから放たれたボレーシュートがゴールに突き刺さります。
入りの攻防のなか得点が生まれ、リードを奪ったのは千葉。

これで勢い付いた千葉は、清水の攻撃を自陣~中盤で遮断し、そこから素早く運んでの好機を繰り返し。
対する清水は焦りからか、ないしは千葉の反則気味のアタックへの難儀か、リズムを掴めないまま後半序盤の時間を浪費してしまいます。

こうなるとベンチワークの出番で、後半8分に最初のカードに手を付ける秋葉忠宏監督。
北川・神谷・西澤→オセフン・岸本・吉田へと3枚替えを敢行します。
特筆すべきは、左サイドの2人を揃って入れ替えた事で、サイドバック型の岸本(元々はFWですが)をサイドハーフに置いたのが奇をてらう采配だったでしょうか。
元来主体的な攻めは巧くない千葉なので、この日躍動していた田中を抑えれば……という狙いは明白であり。

ストロングポイントを消された千葉、迎えた10分にビルドアップの段階で佐々木が決定的なパスミスをしてしまい。
プレゼントパスというべきボールを拾ったオセフン、そのままエリア手前からシュートを放ちましたが、GK鈴木椋がセーブしてモノに出来ず。
何とか首の皮一枚といった格好の千葉で、流れは逆転し再び清水の猛攻へと突入。
サイドでのパスワークを遮断しにいった所、ロングパスでサイドを変えられるという具合に前進を許す千葉。
やむを得ずといった感じで、16分に機能しなくなった田中を退かせます。(新明と交代、同時に高木俊→椿へと交代)

この千葉の交代と時を同じくして、清水は再度動き中山→コロリへと交代、左SHに入る事で岸本が逆の右SHへ回り。
2列目は一層掴まえ辛くなった感じで、直後の17分にオセフンの左からのグラウンダーのクロスを、岸本が中央で合わせシュート。(GK鈴木椋セーブ)

そして全てが結束したのが21分で、乾の左→右へのサイドチェンジが岸本に渡ると、ハーフレーンの北爪とのワンツーで右ポケットを取る岸本。
そしてグラウンダーのクロスが入り、ニアサイドで合わせにいったオセフンがディフェンスに遭うも、こぼれ球をコロリがシュート。
ゴールネットを揺らし、ベンチとピッチ(それとスタンド)を一体化させて同点弾を挙げた清水。

キックオフ前に飲水タイムが挟まれるも、冷静さの欠如は否めない千葉。
25分に再びの清水の攻撃で、乾のドリブルを田口が反則覚悟のスライディングで止めるも、岸本が拾ってアドバンテージ。(後に田口に警告)
そして右CKまで持ち込まれると、キッカー・コロリの独特なリズムの助走でのクロスを、ファーサイドで高橋祐がヘディングシュート。
ループの軌道でゴールへ向かうも、バーを直撃して惜しくもゴールならず。

苦境の千葉は27分、敵陣での長いポゼッションを経て、左から椿がカットインシュートを放つ(枠外)事で何とかファイティングポーズを保ち。
直後の28分に2枚替え(小森・風間→呉屋・福満)を敢行、前線に運動量を注入したその采配通りに、以降プレッシングで清水を脅かします。
29分・30分と立て続けに日高が敵陣でボールを奪い、前者は左ポケットから呉屋がマイナスのクロス。
後者は福満がミドルシュート(枠外)と好機に繋げ。
ここからお互い1分に一度ずつ好機、という流れになっていくも、千葉サイドは中盤~敵陣でのボール奪取が起点とハッキリしている狙い。
一方の清水、この時間帯でも出場を続ける乾は34分に左ワイドからカットインでエリア内を突き。
ブロックをフェイントでかわしながら、中央からシュートを放たんとしましたが再び田口のスライディングが立ちはだかりブロック。
キレは失わずに奮闘を見せる乾。

後は3点目という展開ですが、それが果たされないまま終盤も近くなり。
それに備えるべく清水最後の手は37分、北爪→井林へと交代し、岸本・吉田をウイングバックとした3-4-2-1へのシフトでした。
3バックへの変更で中央の守備を固めつつ、高目に位置するサイドで勝ち越しを狙わんとします。

しかし攻撃権を握るものの、やはり得点出来ない清水。
45分にはアフターチャージの応酬(千葉=佐々木・清水=岸本)という、やや空回りするような絵図も描かれた末にATへ突入。

大観衆が織り成す熱気も凄まじく、勝ち点3への期待も最高潮に。
そんななか千葉が仕掛け、右サイド奥を取ったのちクロスが上がり、見木がニアでフリックするも繋がらず逆サイドへ。
そして拾った椿がカットインを敢行するも、対峙した岸本が奪いきりすかさず清水のカウンターとなります。
持ち運んだコロリが、乾に託したのちスルーパスを受け取ってエリア内からシュート。
千載一遇といったチャンスでしたが、GK鈴木椋のセーブに阻まれ決められず。
今季初ゴールを挙げたコロリでしたが、更なる運気は持っていなかったか。

その後も両チーム死力を尽くしましたが、最後まで3点目は生まれずに試合終了の時を迎え。
熱戦冷め止まずという中、先週に引き続き国立は2-2の引き分けに終わりました。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第21節 横浜F・マリノスvs川崎フロンターレ

2023-07-17 16:02:09 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

飲水タイムのガイドラインがニュースになるなど、真夏の中の試合という実感が沸く時期となり。
日曜は関東地方で日中40度越えの地域も現れるなか、密度の濃い試合が演じきれるかどうか。

そんな状況で、土曜に開催された強豪同士の一戦。
川崎は序盤の出遅れが響き、優勝争いの輪に加わるにはデッドライン上という状況で、暑さが……などと泣き言を漏らすのは言語道断であり。

不振の最大要因はセンターバックの人員不足で、谷口の移籍・ジェジエウの長期離脱が合わさってできた大穴は、チャナティップを活かせず今夏に放出というのが些細に感じるぐらい王者奪還という目標を掲げる余裕すら無くす程でありました。
田邉の(J2千葉からの)レンタルバックなど慌てて行った弥縫策も、その田邉本人の故障で無に帰すなど、チグハグぶりはまさに残留争いを強いられるチームのそれという趣も感じられ。
その他のポジションも故障者が膨らみチーム力は明らかに下降線ながら、何とか白星を拾い望みを繋がんとする状況で迎えた、マリノスという王者を奪還すべき相手と相対しました。

前半2分の川崎、シミッチの縦パスを山田が倒されながらもポストプレイで繋ぎ、右へ展開されたのち家長が右ポケットを突く好機に。(その後パスワークから山根がクロスもシュートは撃てず)
その後も山田がポストプレイに入った所を潰され倒されるシーンが目立つという具合に、新人ながらセンターフォワードを立派に努めんとする山田の姿が何かと印象的な前半となり。
しかしどちらかといえば、故障者続出という川崎の苦境を如実に表した絵図の方が強かったでしょうか。

対するマリノスは、前節は名古屋との首位攻防戦で死闘の末に引き分け。(2-2)
それでバーンアウトしてしまったのか、水曜の天皇杯3回戦では町田相手に惨敗(1-4)と、状況は決して首位に居る成績に余裕を持てるものでは無く。
ホーム(日産スタジアム)故に先にリードを奪うのは必須条件と言わんばかりに、川崎の隙を探しつつ、見つけた時は縦に素早く運んで裏を突く攻撃を繰り広げます。

11分最終ラインでボールを持つマリノスに対し川崎はプレッシングを掛けるも、エドゥアルドの縦パスを受けたマルコスをフリーにしてしまうなどそれに連動性は見られず。
その後エウベル→ロペスと経由して、エリア内を突いたロペスのシュート(ブロック)に繋げられるという具合に、曖昧なプレスは死を招くものであり。

その直前の10分には、永戸→マルコスポストプレイ→永戸裏へミドルパスという流れで、オフサイドギリギリで抜け出して受けたエウベルが左ポケットを突いて横パス。
これを逆サイドで走り込み合わせたマテウスのシュートが右サイドネット外を揺らすなど、最終ラインのコントロールもやや乱れがちといった川崎の守備。
逆に15分の川崎の攻撃は、自陣での脇坂のスルーパスに抜け出した家長、その位置はエリアラインから僅かに手前に見えたものの(その後グラウンダーのクロスを山田がシュートしたのち)ディレイでオフサイドを取られ。
オフサイド絡みでの判定では、割かし不運を強いられていた感がありました。(主審はこの日もカタール人のカミス・モハメド・アルマッリ氏)

ともにフィニッシュを放つ一進一退な流れとなっても、マリノスが優勢に見えたのは上記のような主体的な崩しのシーンが多かったからであり。
川崎はイーブンなボールを拾ったのちの、マリノスの陣形が乱れていた隙を突いての好機が多かったのもそんな印象でした。
マリノスは19分にマテウスの右ポケットからのマイナスのクロスを、ニアでエウベルが合わせシュート。(GK上福元キャッチ)
24分にはマテウスが右ワイドから細かいタッチでカットイン、エリア内中央を窺ってシュート(ブロック)という具合に、ボックス内でのフィニッシュを膨らませ。

今夏必須となった飲水タイムが挟まれた(25分)のちも、マリノス優勢の流れは変わらず。
29分にロペスへの反則でカウンターを阻止する格好となったシミッチが警告を受ける等、劣勢ぶりが記録に反映されるようになった川崎。
その後も裏狙いのパスに難儀する事態を受け、前半の終盤は自陣でのブロックを重視する守備へと切り替えを強いられます。

フィニッシュを重ねるマリノス、34分にはロングパスを収めたロペスがエリア内を突き、こぼれたボールを拾ったマテウスがミドルシュート。
登里のブロックに阻まれるも尚も繋ぎ、エウベルの右ポケットからのクロスをファーサイドでマルコスがボレーシュート(左サイドネット外)と、前線4人の助っ人が川崎ゴールを脅かし。
しかし有利な時間帯で得点出来なかったツケが、のちに大きく響く事となります。

川崎の守備重視の立ち回りを受け、全員(GK除く)敵陣に入り込みポゼッションを高めるシーンが膨らむマリノス。
しかし相対的に崩しの難度の上昇に苦しむというお決まりの流れは、例え強豪のマリノスでも付いて回るのは避けられずとなります。
39分の永戸のミドルシュート(GK上福元キャッチ)以降、何度もポケットを突く攻めを見せるもフィニッシュは生まれず。

そしてアディショナルタイムにはアクシデントにも塗れます。
敵陣でこぼれたボールに松原が走り込み、ヘッドで繋がんとした所を登里とパッティングする形となってしまい倒れ込み。
登里がノーダメージななか、1分以上起き上がれずとなってしまった松原。
脳震盪チェックを経て何とか復帰するものの、ハーフタイムで交代の憂き目に遭ってしまいました。(脳震盪による交代なためカード消費は無し)

スコアレスで迎えたHT、その松原に代わって畠中を投入し、上島を右サイドバックに回す事でカバーを図ったマリノス。

後半はともに中々ボールが繋がらない中、先制攻撃はマリノスで後半4分、マテウスが右サイドをドリブルで持ち運んだのち切り返しでカットイン。
右ポケットに入っての横パスで、中央でマルコスが受けるも前を向けず、戻しからの渡辺のシュートは枠を捉えられず。

後半に入っても強力な両翼からの攻めは健在と思われましたが、以降マテウスは足を痛めた(放送席の談より)ようであり、その後もプレーを続けたものの精彩を欠き。
上島のコンバートも相成って、突如として右サイドが硬直状態を強いられる格好となります。

その隙を突く川崎、5分に登里がそのマリノスの泣き所(つまり川崎から見て左サイド)をドリブルで突き進む攻撃を仕掛けます。
宮代に託したのち、中央でフィニッシャーになるべく入り込んだ登里でしたが宮代の横パスがズレてしまい撃てず。
しかしここを突破口とし、7分にはGKを含めてのビルドアップでマリノスのプレッシングを引き寄せ、上福元がエリア内でロペスのプレッシャーを剥がした後のフィード。
ここから左サイドを前進し、中央→右へとサイドを変えて家長クロス→ファーで瀬古折り返しと好機に繋げます。(フィニッシュは撃てず)

川崎のストロングポイントが出た事で、一気に劣勢となるマリノス。
9分にはチマがパスを受ける瀬古に対し寄せるも奪いきれず、繋がれて川崎の好機となり。
家長が右ポケットに入り込んでパス、登里のスルーを経て走り込んだ山根が最奥からシュートを放ち、GK一森が足でセーブ。
運動量の低下を表に出してしまうと、直後に持ち込んだカウンターでも、右サイドで持ったマテウスはやはり精彩を欠きスピードダウン。
12分には川崎の自陣左サイドでのパスワークに寄せるも、サイドチェンジで脱出されてフリーの高井から攻撃。
右ワイドで持った家長が永戸を剥がしてカットイン、右ポケットを突いたのちの横パスを瀬古がシュートするも、ふかしてしまい決められず。

たまらずベンチが動き、12分にチマ・マテウス→喜田・宮市へと2枚替えしたマリノス。(エウベルが右ウイングへシフト)
何とか運動量を担保し巻き返しを図ります。
一方の川崎も、15分に瀬古・山田→橘田・遠野へと2枚替え。(宮代がCFへシフト)

マリノスは前半、激しい攻撃を幾度も仕掛けたもののそれが仇となったようで、2人代えただけでは中々エネルギーを保つ事はままならず。
逆に川崎は家長のボールキープを重視とした攻めで、体力的に効率が良かったのが差となって表れたでしょうか。
特に後半は、家長が逆サイドでのボールタッチが増え、チーム全体に落ち着きを齎していたようでもあり。

共に交代カードを切ったのち、マリノスはボールポゼッションを膨らませるも、川崎の4-5-1ブロックを切り崩す事に難儀。
20分にトランジションを突いての好機が生まれ、マルコスのパスカットからすかさずスルーパスがロペスに送られるも、完全にオフサイドポジションという位置で受けてしまったロペス。
その後GKと一対一から放ったループシュートをゴールに入れるも、後の祭りでオフサイドディレイで無効となってしまいます。
前半とは一転して、オフサイドに悩まされたのはマリノスの方となり。(川崎は22分に宮代→瀬川へと交代)

そんな流れで挟まれた後半の飲水タイム。(23分)
マリノスは前半同様の流れに持ち込みたいものの、既にそれを許すフィットネスは無いという状況であり。
迎えた26分、空中戦からシミッチの落としを拾った橘田に対し、エドゥアルドが前に出て阻んだものの奪いきれず。
そして瀬川のスルーパスを遠野が走りながら足下で受けて抜け出され、前に出たGK一森がかわされた所を引っ掛けてしまい、遠野が倒れて反則を告げる笛が鳴り響き。
エリア内なので当然PKが齎され、一森には決定機阻止(と与PKによる割引)により警告を受ける事となりました。

これで先制の絶好機を得た川崎、キッカーは攻めの中心を担う家長。
何ともチグハグなマリノスの流れでしたが、このキックをGK一森がナイスセーブ、バーに当たって跳ね返ったボールを抑えて寸での所で防ぎます。

このビッグセーブで勢いに乗った一森。
尚もマリノスに勢いが出ない中、32分に遠野の左からのカットインシュートをセーブ。
直後のCKでも、直接狙ったような脇坂のゴールへ向かうクロスをセーブと、ゴールを守り続けます。

守護神の奮闘に応えたいマリノスでしたが、尚もアクシデントに苛まれ。
29分にマルコス→植中へと交代したのち、さらにカードを切らんとした所で永戸が足を痛めてしまいます。(33分、瀬川に反則を受け)
続行不可能となりましたがベンチも想定外だったようで、交代を取り下げたうえで、喜田が左SBに回る事で一時的な10人での凌ぎを選択。

しかしその10人での戦いのなか、エウベルが右サイドをドリブルで突き進み、右ポケットへ進入してグラウンダーでクロス。
これをニアでロペスが合わせる決定機となりましたが、シュートはゴール右へと外れたうえに、勢い余ったロペスが(高井のスライディングを受けたのち)ゴールポストに激突する事態となってしまい。
更なる不運かと思われましたが、何とか無事でプレーを続けたロペス。
彼がピッチ外で待機する最中に、ようやく永戸→水沼へと交代を果たすマリノスベンチ。(同時にエウベル→杉本へと交代)
しかし懸案の左SBは喜田がそのままで、両SBを失ったうえでの試合はやはり辛い展開に。

一方の川崎も同じタイミングで、登里・脇坂→佐々木・大南へと2枚替え。
CBを1枚増やした事で、3バックへシフト(3-3-2-2)とここに来てフォーメーションを弄ってきた鬼木達監督。

物理的にギャップを生み出す策は、既に汲々としていたマリノスの足をさらに止めるに実に効果的となり。
敵陣でサッカーを展開し続け、フィニッシュに繋げていくその川崎の姿に、アウェイの立場ながら観衆の声援も大きくなる一方の流れに。

41分に山根が右ポケットからカットインシュート、GK一森がセーブした跳ね返りをさらに佐々木がシュート、しかし一森が再度セーブ。
44分にはCKから、クリアボールを橘田がダイレクトでミドルシュートを放ち、またもGK一森がセーブ。
マリノスは既に、当たっている一森が持ち応えるかどうかという展開に追い込まれます。

一方これだけ攻め立てながら得点出来ない川崎。
順位的に追う立場だけに、引き分けで終わる事は避けたい状況ではありますが既に時間はATへ。

遠野の右からのカットインでアタッキングサードを崩しにかかる所を、エドゥアルドが倒してしまい反則。
直接狙っても良い位置ながら、素早くリスタートを選択した川崎、スルーパスでポケットを突くも山根のクロス(シュート?)をGK一森がブロックとこれも防ぎ。
そして移行した右CKからの二次攻撃で再び遠野が右から仕掛けるカットイン、中央へ託したのち瀬川のスルーパスが完全に裏を取り、右ポケットに走り込む大南。
その折り返しをGK一森は今度は止められず、中央に流れた所を車屋が跳び込み、ディフェンスと縺れながらも合わせたボールがゴールに吸い込まれ。
絶対に決めたいという執念が勝り、とうとう川崎がリードを奪いました。

ホームで諦めは許されないマリノス、その後ロペスのシュートがブロックされてCKに持ち込み、GK一森も前線に加わり。
しかしクロスがクリアされて川崎のカウンターとなり、瀬川が無人のゴールにシュート(ゴール右へ僅かに外れる)、と更なる失点の危機を招くに終わってしまいました。

結局そのまま0-1で試合終了、川崎が勝利を挙げ。
個人的には、攻撃サッカーが織り成す撃ち合いの好試合を期待しただけに肩透かしとなった感がありましたが、夏場が生み出す消耗戦には逆らえなかったようでもあり。
ともかく川崎にとって、上位に向けての足掛かりの構築は王者の足をすくう事で果たせたでしょうか。

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