これらの二つのブラックホールは、重力波 GW190521 を生じさせた、 LIGO や Virgo などによって見られた最も大規模なブラックホールあった。それらの質量は前例がなくまた予想外であった。下の太陽質量の約65倍の低質量のそれは超新星爆発で生じたことが知られている。逆に、上の太陽質量の約135倍の高質量のそれは、それらの核融合でつくり出された元素を使い切った後に爆発した、非常に大規模な星達によってつくられたと考えられている。この中間質量のブラックホールがどのように存在するようになったかは未知であるが、ある仮説は、濃密な星の集団の星達とブラックホールの連続的な衝突からの結果としている。示されているのは、それらの回転軸を示す矢印を付した、衝突直前のブラックホールのイラストレーションである。このイラストレーションでは、渦巻の波が重力の放射の生成を示し、一方、周囲の星達は、星の集団で融合が起きたという可能性に注目している。昨年見られた、しかし、宇宙が現在の年齢の僅か約半分であったときの頃からの放射であり、このブラックホールの融合 GW190521 は、測定エラーの範囲内での最も遠くの検出である。
<出典>: 「今日の天文写真(Astronomy Picture of the Day)」
<大判>: 大判はイメージをクリック。
<ひとこと>: ブラックホールの融合による重力波は2017年に初めて検出され話題になりましたがその後も検出が続いています。記事の GW190521 もその一つ。この記事は理解し難いかも知れませんが、その後の発生をお知らせする意味で敢えて取り上げています。更なる詳細は 重量ブラックホールの融合(GW190521)のシミュレーション(LIGO:英語) から。