ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「ロック母」  角田光代

2015-02-20 22:49:37 | 
   「 ロック母 」  角田光代

      
1992年~2006年  25歳から40歳までの15年間に書かれた7作の短編集。
なかなか読み進めない、しんどい作品が多かったです。
角田さんの本は、「八日目の蝉」が最初で、「三面記事小説」「クマちゃん」「紙の月」と読みましたが、この本は初期の作品です。

「 ゆうべの神様 」 1992年に芥川賞候補になった作品
高校生マリコと、恋人ガンジの周りの環境はやりきれなく最悪で可哀相。
父親と母親は毎日喧嘩ばかりで、怒鳴り声と物が壊れる音の中で暮らし、近所の人たちは、みんな悪意に満ちている。
同情の余地はあるが、だからといって、万引き、放火とはな~。後味が悪い作品。

「緑の鼠の糞」
「爆竹夜」
  
どちらも、バンコク、上海とアジアが舞台の旅先での出来事。
「胸糞悪かった」で始まり「この国はどうなってるんだ」と続く出来事に、私も胸糞が悪くなった。

「カノジョ」
恋人と暮らすアパートのそこかしこに、恋人の前妻みよ子の影を感じる。壁紙のなかに、ソファーの奥に、階下の部屋に、私の内部に。

「ロック母」  川端康成文学賞受賞作品
島を出て行った娘が、妊娠してシングルマザーになる覚悟で再び島に戻ってくると、母は家事を放棄して
彼女が残して行ったロックのニルヴァーナを大音量で鳴らして、人形に着せるような着物を縫っている。
やがて、娘は子供を出産した。

「父のボール」
父は不幸は坂の上から転がってくるボール玉であると言っている。
だから、家に入れないように近所に不幸があると、我が家は玄関に護符のようなものを張る。
そんな父のボールを恨んでいた私は、父の死をみとるために、病院に駆け付けた。

「イリの結婚式」
三年半交際して婚約した佐々男と、飼っていたハムスターの事で意見が合わず別れた。
その後、出版社の仕事で「シルクロード、イリとアルタイ」でウルムチに取材に行く。
イリの正統的ウイグル料理店に食事に入り結婚式に遭遇する。
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今、テレビドラマ「ゴーストライター」を観ています。
何年も締切に追われて、売れる小説を書き続ける事の難しさを感じます。作家ってすごいな。
お蔭で読者は、面白いとか面白くないとか勝手なことを言って楽しむことができるのですが。



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コメント
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