ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「肉小説」 坂本司

2015-04-01 16:35:19 | 
  「 肉小説 」 坂本 司

       

坂本司さんは初めての作家さんですが、ブログを拝見している「きときと日記」さんが紹介されていたので、図書館で借りてきました
〈きときと〉とは富山の方言で、ピチピチとか新鮮とかで、以前に室井滋さんの「キトキトの魚」を読んで知りました。
「きときと」さんは、すごい速さで読まれるので、なかなか追いつけませんが、楽しみに拝見して参考にしています。
この本は、すらすら読めて、面白くて、二日で読めました。

豚肉の部位がテーマになった短編集です。
「武闘派の爪先」は、豚足。「アメリカ人の王様」は、ロースカツ。「君の好きなバラ」は、角煮。
「肩の荷〔+9〕」は、ポークカレー。「魚のヒレ」は、豚ヒレ肉のトマトソース煮込みピザ風。「ほんの一部」は、生ハムです。

主人公が本当に話している言葉に、心の声が続いていて、本音と建前が聞けます。
言いたいことが言えないでじれったかったり、思っていることが分かったりですが、
それでも最後は何となく上手くまとまっていくので、微笑ましい読後感です。

読んでいて、昔見た映画で、ジム・キャリー主演の「ライアーライアー」を思い出しました。
   
       

彼は一流の弁護士で、どんな不利な依頼でも得意の嘘で無罪を勝ち取ります。
私生活も嘘だらけで、妻と子供にも愛想をつかされ去られます。
息子の誕生パーティーも嘘ですっぽかします。
息子は、神様に「パパが一日でもいいから嘘をつきませんように!」と願うと、願いがかなって、
本当のことしか言えなくなり、大事な裁判で、四苦八苦する話です。

私たちの生活も嘘は肯定しませんが、本当のことしか言えなかったら生活は成り立たないだろうと思います。
人は本当のことを言われると、自分でも自覚しているので、怒ります。
私は結構、ポロッと言い過ぎて困っていますが、、、
ご近所、友人、職場、学校、親子、夫婦であっても、思ったことをすべて口に出せば、関係は壊れてしまうでしょう。


この本の主人公も心の中で叫びながら、笑顔を保っています。
「お義父さん、油ギトギト、ソースをドバドバかけるの下品ですよ」
「お母さん、あなたは料理が下手ですよ」


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