ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 柩の中の猫 」   小池 真理子

2017-06-29 19:33:45 | 
      「 柩の中の猫 」  小池 真理子

         

大好きな小池真理子さんの本。 20数年前に刊行された未読の本を古本屋さんで見つけて買ってきました。
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画家の針生雅代の身のまわりの世話をしている由紀子が庭で野良猫を見つけた。 
餌をやっていると雅代が現れ、その猫を見て涙ぐみ、昔、その猫によく似た猫がいたと話を始める。
現在、54歳の雅代が、20歳の頃からの回想。

絵描きを目指していた雅代は、友人の母親の紹介で、美大の講師・川久保悟朗の娘・桃子の家庭教師をしながら絵の勉強を見てもらう条件で函館から東京に出てきた。
早くに母親を亡くした桃子は、白い猫ララを唯一の友人、また、母親として大事にしていた。
桃子とララと悟朗の3人の生活が落ち着き始めたころ、悟朗が千夏という女性を連れてきた。そこから、それぞれの運命が狂い始める。
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誰も幸せにはならなかった。 最後に意外な事実を知らされ、悲しい結末に、唖然としました。
ララさえいなければという千夏の考えが短絡過ぎて、ララの死は残酷で辛かったです。 
悟朗に淡い恋心を抱いていた雅代は、若すぎて、初めての感情に自分の気持ちをうまく理解と整理ができず、
唯一、千夏と桃子の行動を止められたのに見て見ぬふりをして、結局、悪い結果になってしまいました。
秘密を持ったまま、その後の人生を閉じこもったまま過ごすことになります。 由紀子に打ち明けるまで辛かったでしょう。

悟朗と千夏は、子供は小さくても話せばそれなりに理解するはずだから、桃子に事実をちゃんと説明すべきでした。 そうすればもう少し違った結果になっていたかも。

麦畑と雑木林。 ララと桃子の姿が浮かびます。 
子供は一途で怖いものです。 特に、小池さんの描く子供はいつも可愛いだけでなく、恐ろしく悲しいです。 切ない作品でした。


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コメント
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