ウエスティに猫な日々

日々の料理と外食、趣味の熱帯魚と読んだ本の感想と我が家の犬と猫の話。
ほか、日々のちよっとした独り言。

「 屍の聲 」  坂東 眞砂子

2017-06-08 22:37:45 | 
       「  屍の聲  」  坂東 眞砂子

         

表紙も題名も、読む前から怖い! 6編の恐怖短編集。 
裏表紙に、〔 心の闇に巣くう情念の呪縛。 濃密な風土を背景に描く本格ホラー小説 〕と、書いてあります。
前も四国の話を読みましたが、今回も何編かに高知弁が出てきます。 高知弁って、関西人の私にも耳にすっと入ってきて読みやすい。
全編、地方に根付いた風習や、言い伝え、迷信などで、ジメッとした怖さの坂東ワールド全開です。
~~~~~~~~ネタバレです。
「 屍の聲 」 
可愛がってくれた祖母が呆けてしまった。 孫の由布子は祖母が川に落ちた時助けようとするが、正気の祖母は死にたがっているのではと手が止まった。
お通夜で、ひとり祖母の枕元にいるとき、一瞬、祖母が起き上がった。「 ー由布子ぉ 由布子ぉ。 」

「 猿祈願 」
巧の母親・みつには、貧乏と迷信で間引かれた双子の妹がいた。 
みつは流産を繰り返し、やっとできた息子・巧に孫ができ安産祈願に行った。 
嫁の里美がお参りに行くと、老女が、願のかけ直しー流産祈願をしていた。「 みつの孫なんぞ堕りてしまえ 」 里見は急に子宮を引っ張られ、足元には血が、、、

「 残り火」
72歳の夫と15歳年下の妻。 娘から福引で当たった沖縄旅行に誘われた妻に夫は、「 何、あほなこと、ゆうてんのや。わしを置いて行けるわけないやろ 」
夫は、私をこき使い、君臨していた舅とうりふたつになってきた。 お風呂で居眠りを始めると、わたしが起こすまで起きない夫が、お風呂でいびきをかきだした。
数々の舅と夫の仕打ちが思い出される。 そっとガスの火を点け、旅行の支度をして家を出た。

「 盛夏の毒 」
妻の貴子は男癖の悪い女。結婚してからも男に逢いに行く。夫の真司は噂と妻の様子で猜疑心に悩まされている。
野良仕事の草刈りの途中で貴子は毒蛇にかまれた。 真司は助けを呼びに行き戻ってくるが、血清を待つ間に、妻の言い放った言葉を聞き、いきなり鎌で妻の足首をグサリと。
2ヵ月の病院生活の後戻ってきた妻は、諦めたのか、もう出かけなくなった。

「 雪蒲団 」

「 正月女 」
正月元旦に女の人が死んだら、その村の女七人を引いていくとの言い伝え。
高田の家に嫁いで5年の登美子は、拡張型心筋症を発症。
病院に入院して家を留守にしている間に、夫の保が昔付き合っていた登美子の同級生で、最近戻って来てブティックを始めた真弓と親しくしているのがわかる。
姑も気に入り、保の服や登美子の退院祝いの服を買ってくる。
登美子は元旦に死んで真弓や保の初恋の人や、自分の後釜に座りそうな女を連れて行くべく思案する。
しかし、登美子の偶然の企みで亡くなったのは真弓。 はたしてあの言い伝えは?
~~~~~~~
  恨み、嫉妬、復讐などと、恐ろしいのは人の心の中。 全て暗い怖い話でした。


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