「 宿無し 」「 道連れ 」 藤井 邦夫

　　　　　「　宿無し　」　　柳橋の弥平次捕り物噺　三　　　「　道連れ　　」　四　　　　藤井　邦夫

　　　　　　　　　　　　　　　　

元居酒屋ママさんに借りた本。　前回借りた中に一・二があり、今回、三・四冊目が入っていました。

「　宿無し　」は「　宿無し　」「　張り込み　」「　権兵衛　」「　人殺し　」の４作品収録。
「　道連れ　」は「　両国橋　」「　道連れ　」「　償い　」「　殺意　」

柳橋の船宿「　笹舟　」の主で岡っ引きの弥平次と女将のおまき。養女のお糸。
そして、手下の幸吉、雲海坊、吉松、勇次、長八、寅吉たちの活躍を描いた人情捕物シリーズです。
弥平次のもとで、鋳掛屋、そば屋、托鉢僧や船頭をしながら、事件を探って解決していきます。

最初に違和感があった　短く区切った文章で、「　～した　　～だった　」を多用する表現も、事件が起こり探索が始まると、
展開がスムーズに進み緊張感が伝わってきて作者の作戦かもと思えてきました。
関係者の後を尾行したり、張り込みや聞き込みをしたり、潜入をしたりの手下たちの活躍を、次はどうなるのかとワクワクして読みました。

犯人に同情する事件も多く、弥平次たちが、それ以上罪を犯さないように未然に防いで捕まえて、南町与力　秋山久蔵らとともに人情のある裁きをします。
同情の余地のない犯人には厳罰で臨みます。　善悪がはっきりしていて、やっぱり時代劇の捕り物帳だなと気楽に楽しめました。


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