「 盤上の向日葵 」 柚木 裕子

2017年に発表され、最近文庫本が出て、再び新聞で話題になっていたので、図書館にリクエストしていました。
最近知ったので、NHKのBSプレミアムでドラマ化されたのは見逃してしまいました。 観たかったな。残念!
新聞に、[ 本当にお前が犯人なのか? 白骨死体と共に見つかった名匠の駒。 容疑者は、異端の天才棋士
捜査線上に浮かび上がる過去と事件の裏に隠された真実 その先に待ち受ける衝撃の結末。 ] 筒井康隆さんと羽生善治氏の推薦文。
将棋は全く分からないけれど、面白そう。 読まなくちゃ。 563頁の分厚い本。 文庫本では上下巻。
~~~~~ネタバレあり
平成6年、天木山の山中から白骨死体が発見された。 遺体とともに鑑定で600万もする名匠の駒が埋葬されていた。
その駒は菊水月作で7組しか制作されておらず、捜査員はその駒の持ち主を一人ずつ追っていく。
石破剛志刑事と警察官になる前は将棋の奨励会に所属していた経歴を持つ佐野直也刑事の捜査の様子と、奨励会を経ず実業界からプロ棋士になった上条桂介の数奇な半生を平行に描いている。
1章ごと昭和40年代から平成の時代を交互に描いているので、次はどうなるのかと読み、気が付けば、新聞配達のバイクの音が聞こえ、午前3時。慌てて寝ました。
上条桂介少年の幼少期は貧困と空腹と親の虐待と、悲惨なもの。 唯一、元教師の唐沢光一朗夫妻のやさしさに助けられ成長する。
東大に入り、親から逃げるように上京するも、東明重慶との出会いがまたも人生を狂わす。
立派になってやっと落ち着いた生活が出来るようになると、絶縁していた父親が現れ、金の無心。
どこまで子供をいじめるのか腹立たしい思いをしていると、追い打ちをかけるように父親から衝撃の事実を告げられ脅迫される。
いつまで不幸はつづくのか、神も仏もないものかと、絶望しながら読み進める。 殺されたのは父親か東明か?
ウキペディアに「将棋界を舞台にした砂の器 」と、書いていましたが、言い得て妙です。
砂の器を読んだときは、なぜ殺してしまったのかと悔やみましたが、この毒親は、殺さないまでも何とか消えてくれればと思いました。
何か解決する方法はなかったのか、誰かに相談する方法はなかったのか。 駒を埋めなければよかったのかとも。
将棋の場面は、知ってる人には面白いでしょうが、あいにく全く分からず読み飛ばしました。
ただ、勝負師の狂気をはらんだ、勝負の様子はひしひしと伝わりました。
将棋をする人は、頭がよく記憶力抜群で先見の明があり、前から尊敬していましたが、東明重慶などの真剣師には恐ろしさを感じました。
将棋をする人はもちろん、将棋を全く知らない私でも楽しめました。 ただ、結末があまりにも悲しすぎました。
ぽちっと、ひと押しお願いします。
にほんブログ村
ありがとうございます

2017年に発表され、最近文庫本が出て、再び新聞で話題になっていたので、図書館にリクエストしていました。
最近知ったので、NHKのBSプレミアムでドラマ化されたのは見逃してしまいました。 観たかったな。残念!
新聞に、[ 本当にお前が犯人なのか? 白骨死体と共に見つかった名匠の駒。 容疑者は、異端の天才棋士
捜査線上に浮かび上がる過去と事件の裏に隠された真実 その先に待ち受ける衝撃の結末。 ] 筒井康隆さんと羽生善治氏の推薦文。
将棋は全く分からないけれど、面白そう。 読まなくちゃ。 563頁の分厚い本。 文庫本では上下巻。
~~~~~ネタバレあり
平成6年、天木山の山中から白骨死体が発見された。 遺体とともに鑑定で600万もする名匠の駒が埋葬されていた。
その駒は菊水月作で7組しか制作されておらず、捜査員はその駒の持ち主を一人ずつ追っていく。
石破剛志刑事と警察官になる前は将棋の奨励会に所属していた経歴を持つ佐野直也刑事の捜査の様子と、奨励会を経ず実業界からプロ棋士になった上条桂介の数奇な半生を平行に描いている。
1章ごと昭和40年代から平成の時代を交互に描いているので、次はどうなるのかと読み、気が付けば、新聞配達のバイクの音が聞こえ、午前3時。慌てて寝ました。
上条桂介少年の幼少期は貧困と空腹と親の虐待と、悲惨なもの。 唯一、元教師の唐沢光一朗夫妻のやさしさに助けられ成長する。
東大に入り、親から逃げるように上京するも、東明重慶との出会いがまたも人生を狂わす。
立派になってやっと落ち着いた生活が出来るようになると、絶縁していた父親が現れ、金の無心。
どこまで子供をいじめるのか腹立たしい思いをしていると、追い打ちをかけるように父親から衝撃の事実を告げられ脅迫される。
いつまで不幸はつづくのか、神も仏もないものかと、絶望しながら読み進める。 殺されたのは父親か東明か?
ウキペディアに「将棋界を舞台にした砂の器 」と、書いていましたが、言い得て妙です。
砂の器を読んだときは、なぜ殺してしまったのかと悔やみましたが、この毒親は、殺さないまでも何とか消えてくれればと思いました。
何か解決する方法はなかったのか、誰かに相談する方法はなかったのか。 駒を埋めなければよかったのかとも。
将棋の場面は、知ってる人には面白いでしょうが、あいにく全く分からず読み飛ばしました。
ただ、勝負師の狂気をはらんだ、勝負の様子はひしひしと伝わりました。
将棋をする人は、頭がよく記憶力抜群で先見の明があり、前から尊敬していましたが、東明重慶などの真剣師には恐ろしさを感じました。
将棋をする人はもちろん、将棋を全く知らない私でも楽しめました。 ただ、結末があまりにも悲しすぎました。


ありがとうございます