もこにゃんとばあば

もこにゃん もうすぐ八才(2015年生れ)
登場数は少ないですがヨロシク!にゃん

言葉の巨木

2023-03-15 05:38:17 | 俳句・短歌

しとしともぱらぱらもある春の雨

美しき言葉の先の平和問ふ

     嘘で固めし首相は倒れた

 

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米国ハワイには「雨の木」(レイン・ツリー)という巨木がある。

一体どんな木か。当地の女性は語る。「夜なかに驟雨(しゅうう)があると、翌日は昼すぎまでその茂りの全体から滴(しずく)をしたたらせて、雨を降らせるようだから」。

大江健三郎さんの「『雨の木』を聴く女たち」の一節だ。濃い緑の茂みや光り輝く雨粒までがまぶたに浮かぶ。

深い土の匂いや湿った風すら感じられるようだ。説明文とは、その本質に触れる時、ほとんど詩に近い言葉の味わいを獲得するものだという。

「雨の木は、この数行の説明で鮮烈なイメージとなって読み手の脳裏に枝葉を広げる」。

文学者野崎歓さんは自著「無垢の歌 大江健三郎と子供たちの物語」にそう記した。

高校の国語教育は論理的・実用的な文章を重視する流れにある。

情報化社会に必要な読解力や論述力を養うのだとか。

大江さんの小説は「論理国語」と「文学国語」のどちらに属するのだろう。

大江さんの作品の特徴の一つに子供時代を想起させる豊かな想像力があった。

ノーベル文学賞作家が紡ぐ世界の不安や孤独は非力な声なき声の代弁でもあろう。

それは実用偏重の国語教育では伝わるまい。大江さんは雨の木を「頭の良い木」と書いた。

世界を焼き尽くす「核文明」にあらがう自然界の象徴に託した願いである。

大江さんが88歳で亡くなった。豊かな想像力という果実を付ける言葉の巨木が倒れた。(北海道新聞卓上四季2023.3.15より)

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大江健三郎さんと言えば、ご長男の光さんを思い出します。

障害を持って生まれたが、音楽の才能が有ることが分かり作曲活動をされていましたね。

私の弟も特別な才能は有りませんが障害者なので何かしら心に残っております。

個人の中に積み重なる文化がやがて「世界全体の生きるに値する平和」を守ることに重なる、と説いた大江さんの生き方や思想は学ぶべきものがあります。

大江さんの作品を読んで改めて感じたいと思います。

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昨日は久しぶりの短歌の例会でお食事会をしました。

二時間の間に食事をし、短歌の添削をし、悲しいかな食事を楽しむ余裕がなくなったのにはやはり、コロナの影響があるのでしょうかね~。

わいわいお喋りしたかった。例会で無い時の方が良いかも。

でもお寿司会席は美味しかったです。


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