暗がりに鋭利なギターの音がして、2018年10月23日幕張メッセにてBABYMETALの日本公演の幕が上がりました。
神バンドは下手にギターとベースの神、階段を挟んで上手にドラムとギターの神。
後ろから強いライトが当たり、前面にはライトの当たっていない目つぶし状態の中、階段を昇った一番上の段に微動だにしない7つの影が見えました。
「In The Name Of」と言うBABYMETALの新しいライブの幕開けの曲が神々の手で奏でられる中、7つの影はゆるりと動き、歓声が上がりました。
アタシはこの日、PITにいました。BABYMETALのライブが始まると同時に後ろから人の押し寄せる強い力を感じ、横からも押されてつぶれてしまいそうになりながらステージを見ていました。
7つの影は一番上が輪になっている長い杖を持っていました。そのうちの一人がゆっくりと階段を下りて来ます。
頭には黒い羽の様な物で飾られた冠をかぶっており、その顔は真っ黒く長いベールで隠されていました。
異様な光景でした。
PITの凄まじい圧縮の中にいて、まるで儀式が始まった様な目の前の光景に凄く自分が興奮しているのがわかりました。
幕開けの「In The Name Of」はメンバーが歌うところはありません。ヴォーカルは入っていますがメンバーの誰かの声ではなく、インスト扱いの様な曲です。
この曲の間中、ベールをかぶった影達は一人も顔を見せませんでした。
とても神秘的でシアトリカルなライブのオープニング。
PITは人の胸あたりまでの金網の様な頑丈な策で囲まれ、モッシュして人々が動き出すとまるで揺れるカゴの中に人が押し込まれているようでした。
ダンダンダダンダンダンダダンダン、とドラムを打つ音がして2曲目「Distortion」が始まりました。
一気にステージ全体が明るく照らし出されます。
そこには黒と金色の衣装に身を包んだ7人のパフォーマーが居ました。
複雑な髪型と、目の上を黒く塗った強めのメイク。
今までのBABYMETALとは180度違うビジュアルです。
このビジュアルに拒否反応を示す人が続出しましたが、アタシは好きでした。驚いたけど嫌じゃなかったし、きれいだと思いました。
凄く思い切った方法で、今までと違う世界へ観客を誘おうとしているのが分かったからです。
今思うと、彼女達の佇まいはまるで「魔笛」の夜の女王のようでした。
夜の女王は世界征服を企んでいるのです。
娘を奪われ怒り狂い、復讐の炎を燃やします。
そのパワーはすさまじい物です。
BABYMETALの今年は辛い事や悲しい事がありました。
藤岡幹大さんのこと、YUIMETALのこと。そして先日はBABYMETALのファンから絶大な信頼を得ているドラムの神、青山英樹さんの弟さんが旅立ったと言う突然の知らせに誰もが言葉を失いました。
YUIMETALの事は、残念だけれども本人の出した答えならそれを尊重して応援したい気持ちにもなります。
でも、もう二度と会えなくなってしまう運命が起こる事については、どう考えても納得は行かないのです。
何故、どうして、人は答えの出ない疑問に苦しみます。
暗がりから登場した7人のパフォーマー達は最初あまり笑いませんでした。
”ひずんだカラダ叫びだす
ひずんだ痛み切りつける
きたない世界だった
ひずんだ翼飛べるなら
ひずんだ支配恐れない
偽善者なんて斬り捨てちまえよ”
今までの様ではとてもじゃないが太刀打ちできない悲しみ、苦しみ。
行き場のない気持ち。
そう言うものを闇の力を纏ってでも、一切合切吹き飛ばす勢いでSU-METALはこの曲を歌っている様にアタシには思えたのです。
それは暗闇で燃え盛る炎の様な”夜の女王のアリア”を聴いているようでした。
表現者としてステージに立っている各々のその姿は力強く神々しく、とてつもなく美しかった。
そして大きな決心と大きな成長を強く感じたのです。
maria callas 夜の女王のアリア
神バンドは下手にギターとベースの神、階段を挟んで上手にドラムとギターの神。
後ろから強いライトが当たり、前面にはライトの当たっていない目つぶし状態の中、階段を昇った一番上の段に微動だにしない7つの影が見えました。
「In The Name Of」と言うBABYMETALの新しいライブの幕開けの曲が神々の手で奏でられる中、7つの影はゆるりと動き、歓声が上がりました。
アタシはこの日、PITにいました。BABYMETALのライブが始まると同時に後ろから人の押し寄せる強い力を感じ、横からも押されてつぶれてしまいそうになりながらステージを見ていました。
7つの影は一番上が輪になっている長い杖を持っていました。そのうちの一人がゆっくりと階段を下りて来ます。
頭には黒い羽の様な物で飾られた冠をかぶっており、その顔は真っ黒く長いベールで隠されていました。
異様な光景でした。
PITの凄まじい圧縮の中にいて、まるで儀式が始まった様な目の前の光景に凄く自分が興奮しているのがわかりました。
幕開けの「In The Name Of」はメンバーが歌うところはありません。ヴォーカルは入っていますがメンバーの誰かの声ではなく、インスト扱いの様な曲です。
この曲の間中、ベールをかぶった影達は一人も顔を見せませんでした。
とても神秘的でシアトリカルなライブのオープニング。
PITは人の胸あたりまでの金網の様な頑丈な策で囲まれ、モッシュして人々が動き出すとまるで揺れるカゴの中に人が押し込まれているようでした。
ダンダンダダンダンダンダダンダン、とドラムを打つ音がして2曲目「Distortion」が始まりました。
一気にステージ全体が明るく照らし出されます。
そこには黒と金色の衣装に身を包んだ7人のパフォーマーが居ました。
複雑な髪型と、目の上を黒く塗った強めのメイク。
今までのBABYMETALとは180度違うビジュアルです。
このビジュアルに拒否反応を示す人が続出しましたが、アタシは好きでした。驚いたけど嫌じゃなかったし、きれいだと思いました。
凄く思い切った方法で、今までと違う世界へ観客を誘おうとしているのが分かったからです。
今思うと、彼女達の佇まいはまるで「魔笛」の夜の女王のようでした。
夜の女王は世界征服を企んでいるのです。
娘を奪われ怒り狂い、復讐の炎を燃やします。
そのパワーはすさまじい物です。
BABYMETALの今年は辛い事や悲しい事がありました。
藤岡幹大さんのこと、YUIMETALのこと。そして先日はBABYMETALのファンから絶大な信頼を得ているドラムの神、青山英樹さんの弟さんが旅立ったと言う突然の知らせに誰もが言葉を失いました。
YUIMETALの事は、残念だけれども本人の出した答えならそれを尊重して応援したい気持ちにもなります。
でも、もう二度と会えなくなってしまう運命が起こる事については、どう考えても納得は行かないのです。
何故、どうして、人は答えの出ない疑問に苦しみます。
暗がりから登場した7人のパフォーマー達は最初あまり笑いませんでした。
”ひずんだカラダ叫びだす
ひずんだ痛み切りつける
きたない世界だった
ひずんだ翼飛べるなら
ひずんだ支配恐れない
偽善者なんて斬り捨てちまえよ”
今までの様ではとてもじゃないが太刀打ちできない悲しみ、苦しみ。
行き場のない気持ち。
そう言うものを闇の力を纏ってでも、一切合切吹き飛ばす勢いでSU-METALはこの曲を歌っている様にアタシには思えたのです。
それは暗闇で燃え盛る炎の様な”夜の女王のアリア”を聴いているようでした。
表現者としてステージに立っている各々のその姿は力強く神々しく、とてつもなく美しかった。
そして大きな決心と大きな成長を強く感じたのです。