1月下旬の千葉・幕張。
寒かったですね。色々な事情からグッズを諦めて会場に着いたのはギリギリの時間でした。
10BABYMETALが終わり、たなびく雲海の中にSU-METALとMOAMETALが姿を消して二年近くが経過。
BLACK BOXと言う謎の箱を購入する経済力がなく、アタシは一度TEAM BABYMETALから籍を抜きました。
サイトの説明文を何度読んでもBLACK BOXがどう言う物なのか分からなくて、そんなよく分からない物に15000円も払えなかった。
それから少しして、コンセプトアルバムが出るよ、ライブがあるよ、と言うお知らせが届き、メタルネーム引継ぎしなかったので最速先行には申し込めなかったけどなんとか初日のチケットをゲットする事が出来ました。
指定席で1枚15000円。両日参戦は無理でした(´;ω;`)ウゥゥ。
BABYMETALの復活を見届けたい気持ちは山々ですが、仕方ないのdeath。
LINE登録はしていた為、お知らせは受け取る事が出来、BABYMETALの復活に向けてカウントダウンが始まった事も知っていました。
が、なんと言うかお知らせが断片的だからなのか、2年近く間があいてしまったからなのか、以前の様な心の高まりがありませんでした。
こんな気持ちでライブに行っていいものなのか。
すぅちゃんともあちゃん、神バンドの皆様に失礼なのではないか。
こう言う時、何の理屈も役立たずな時、心を揺るがすのは「表現」された物。とにかく表現そのもの。
小神様が突然メタルギャラクシーに旅立ったあの時もそうだった。
私達は「STARLIGHT」と言う曲の冒頭、SU-METALのどこまでも、この空の彼方までまっすぐに飛んで行く様な美しく透き通ったロングトーンにどれだけ救われただろうか。
あの声をたどって行けばいつでも小神様に会える様な気がしたんだ。
すぅちゃんの声が連れて行ってくれる。案内してくれる。
LINEで受け取る断片的なBABYMETALの中にはいくつもの欠片が見え隠れして、早く全貌を知りたくて日に日に心の温度が上がって来るのを感じました。
そして復活のパーセンテージが99%まで来た時、あと1%は幕張メッセで、とのメッセージが流れました。
もう、行くしかない。
我らがQUEENと我らが神々に会いに行こう。
午前中に用事があったのと、BABYMETALの物販は3時間又はそれ以上並ぶのが恒例なので、この寒空では無理と判断し早々にグッズを諦めました。
会場に入るとライブ前の雰囲気が懐かしくてちょっとニヤリとしてしまった。
でも、ああ、そうか、幕張メッセの指定席はフラットな地べたなんだった。
と、気付く。
横浜アリーナやさいたまスーパーアリーナみたいに、後方へ行くにつれ勾配のついた座席ではないのです。
アタシよりも後方のブロックなら一段高くなっていたけれど、アタシの席はモッシュピットのすぐ後ろのブロック。
そしてアタシのいるブロックの後方は、オペレーター席のやぐらが組まれていて座席スペースが存在しなかった。
客電が落ちて雪崩みたいなざわめきが起き、指定席の人々が立ち上がった。
予想していた通りの景色に絶望する。
ああ、全然見えない。
見ようとすると男性の後ろ頭だらけ。
しかも、なんか、目線の先にでっかい柱がある。
155㎝のチビババァメタルはおろおろするばかり。
どんなステージなのかも見えてないが、ライブが始まった。始まってしまった。
皆、「おおーーーーーっ!」と言うか「ぐぅぅおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーっ!!!!」みたいな声を上げてる。
見えていないのにアタシの心臓もバクバクしている。
大画面を見ると数人のベールを被った女性が並んでステージを歩いていた。手にはリング横に2つくっつけたような先端の長い杖を持っている。
どうやらその一団はステージの端にある2匹の狐レリーフがついた大きな扉に向かって歩いているみたいだった。
ゆっくり厳かにその扉に近づくにつれ、オーディエンスの声も更に大きく響く。
そしてついに、その扉が開いた。
あの玉座。
針の山の様な背もたれのついた、麗しさや煌びやかな装飾の一切を排除した黒一色の荘厳なあの玉座があった。
そしてそこには黒衣を纏った我らが二人の女王が静かに座っていた。
これは復活の儀式。
オーディエンスの地割れを起こしている様な声に包まれ、身じろぎせず真っすぐに前を見据えているMOAMETALが大画面に映った。
威厳を持ち凛として凄まじく美しい。
感激して心が震える。
涙が溢れてしまった。
やっと会えた。
アタシのいる位置からはSU-METALは見えない。でももう、見えないなんてどうでも良かった。
心がずっと震えていて、ここに居られる喜びに満ち満ちていた。
大きな爆発音がして、オーディエンスの歓声と共に最後の1%まで復活が遂げられた事を告げた。
アタシたちが待ちわびた瞬間だった。
つづく。