お久しぶりのブログとなってしまいました。
皆さま、お変わりなくお元気でいらっしゃいますでしょうか。
昨日、再再演となる舞台「クロードと一緒に」を観てきました。千秋楽でした。
2014年の初演からずっと観続けているお芝居。
初演時のレポ。
相馬圭祐編ここから
稲葉友編ここから
”二人のイーブ。”
再演時のレポ。
”クロードと一緒に 再演。”
再演 クロードと一緒に 千秋楽。”
再再演の今回は”朗読劇”と言う形をとり、この物語の舞台設定7月4日から7月5日にかけて上演されました。
とても粋な演出です。最高です!!
キャストは彼=イーブ役を再演時に演じた松田凌さん、刑事=ロバート役を初演時の伊達暁さん、速記係=ギィ役をなんと鈴木ハル二さん、警備官役を岩尾祥太郎さんと言う役者さんが演じました。
そして今回の音楽は生での演奏でした。水永達也さんと言うミュージシャンの方が役者さん達と共に舞台上で場面に合わせ、ギター等の演奏をしました。
舞台には客席に一番近い際付近にマイクスタンドが4本立ち、その後ろに大きな木製のテーブル。役者の背面となる壁にはスクリーンがあり、場面によって様々な映像が映し出されました。
まだ梅雨の明けぬ7月初旬、真夏の様な暑さが続いていた時の急な雷鳴と豪雨に見舞われた日、朗読劇”クロードと一緒に”は初日を迎えました。
たった2日間の公演。
前日の雷雨の後、急激に気温が下がり曇り空と少し肌寒い位の気温の中、新国立劇場にて千秋楽です。
あまり時間の余裕のない状態で会場に着いたので、アタシが席に座った時にはもう開演間近でした。
開演まではスクリーンにカナダやモントリオールであろう画像が映し出されていたようです。
雰囲気がとても良かった。クロードの舞台は何と言うか、雰囲気がスタイリッシュです。
平日の16時公演に足を運べる観客と言うのはきっと限定されてしまうと思うのですが、なかなか皆さん都合をつけたようで、ロビーにも客席にも、沢山の観客が居ました。
初演、青山の円形劇場からこの舞台を拝見させて頂いている自分としては、いつの間にかこの舞台がこんなにも広く知られた事に驚きを隠せません。とても嬉しいです。
客電がおち、黒い服、黒い帽子を被った水永さんが舞台の端に座り、アコースティックギターを弾き始めました。
演奏が始まるとそこはもう、”あの”感じでいっぱいになりました。
あの、ずーんと落ちてゆく感覚・・・。
舞台下手から赤いジャケットを着た青年が登場。
約1年ぶりの彼=イーブ。ゆっくりゆっくり歩いて来ます。
テーブルの後ろにあるハンガーにジャケットを脱いでかけました。
去年のイーブの持っていた無邪気な少年っぽさの様な物が立ち消えて、代わりに妖艶な雰囲気をまとっていました。
今までイーブを演じて来た相馬圭祐さん、稲葉友さんにも、何とも言えない色っぽさがありましたが、イーブを演ずるのが二度目の松田さんには、目を見張る程の相当”ヤバい”ものを感じました。
初出演で警備官の衣装を着けた岩尾祥太郎さん、そして驚きの速記係役で鈴木ハル二さんがスーツで登場。なんか変な感じ(笑)。
刑事役の伊達さんは意表をついて、客席からの登場でした。
スーツ姿、ハットを被ってました。凄く似合っていてかっこよかった
ハットを脱いで速記係”ギィ”に渡すと、ギィがハンガーにかけました。
”本”を手にして、彼と刑事がマイクに向かって立ちました。
観客の始まりの準備が整った頃、ギターの旋律が止みました。
一番初めの台詞は刑事の怒鳴り声です。
あの、ずぅーんと落ちてゆく感覚を打ち破って、大きな声が響きます。
”本”から顔を上げた「彼」の表情。うつろで疲れて、それでいて怒り憤慨した美しい顔。
36時間。
すでに36時間が経過しお互いにお互いの顔などもう見たくないくらい、うんざりした空気が唐突に観客の目の前に広がりました。
さあ、戦いの始まりです。
つづく。