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イギリスのヘンリー王子 とメーガン妃に第2子となる女の子が誕生しました。しかし、その名前が波紋を広げています。
ヘンリー王子夫妻の第2子となる長女は、今月4日に誕生。名前は「リリベット・ダイアナ・マウントバッテンウィンザー」と名付けられました
ところが、この名前について批判の声も上がっています。
ネットの声:「『ダイアナ』は分かるけど、『リリベット』は注目を浴びたいだけでしょ?」「『自殺を考えるほど追い込まれた』と言っていたのに、その組織のトップの名前を付けるなんて…」
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批判の元の「リリベット」という名前。実は、エリザベス女王が幼いころ、祖父に付けてもらったニックネームだそうです。イギリス王室 に詳しい多賀幹子さんは。
イギリス王室に詳しいジャーナリスト・多賀幹子さん:「(幼いころ)『エリザベス』という名前が言えず、それが『リリベット』と聞こえたわけですね。それが、大変可愛らしいということで…」
王室のなかでも、エリザベス女王の親や妹、夫など特に近い限られた人だけが使う、いわば「エリザベス女王の代名詞」ともいえる大事な「愛称」だといいます。
イギリス王室に詳しいジャーナリスト・多賀幹子さん:「これはもう、女王の特等席なんですね。特別なお名前ということで、『軽々しく使わないでほしい』という声は、イギリスでは高いですね。タブー中のタブーですので」
このところ、王室を批判し続けているヘンリー王子夫妻が、一体、なぜ女王の大事なニックネームを愛娘の名前に付けたのか。
多賀さんは、イギリス国内で起こっている「サセックス公爵」ことヘンリー王子の称号停止を求める署名運動の影響があるといいます。
イギリス王室に詳しいジャーナリスト・多賀幹子さん:「『王室との関係は絶対に切らない』と、『切れることはない』という強い意思が感じられますね。署名運動で『サセックス公爵』という称号を失うことが、例えあったとしても、自分の娘の名前には、ちゃんと『リリベット』と。しかも『ダイアナさん』と二重効果ですね。二重に効果がある『不動のお名前』ですね。2人の名前を入れたということで『絶対に王室との関係は切らない』という」 ヘンリー王子夫妻は去年、イギリス王室を離脱していますが、BBCによりますと、誕生したリリベットちゃんの王位継承順位は8位だということです。
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英王室激震は「対岸の火事」ではない
たった1人の暴露に、英王室が根幹から揺るがされている。王室から離脱したメーガン妃が、王室のメンバーから人種差別発言をされたと米テレビ番組で暴露したのだ。米大統領選出馬への意欲もあるとされるメーガン妃。様々なバッシングを受けてきた妃の鮮やかな逆転劇は、なぜここまでの成功を収めたのか。その緻密な戦略は、結婚問題で揺れる日本の皇室、特に小室圭さんには良くも悪くも大きな示唆を与えそうだ。
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ヘンリー英王子夫妻のインタビュー番組が放映 ©️AFLO
乾坤一擲だった。「生まれてくる子の肌の色はどれぐらい濃いだろうか」。王室のメンバーにそう長男のアーチー君の肌の色に懸念を示され、「称号も警護も与えられないだろう」と将来、王室のメンバーに入れない可能性を示唆されたと暴露したことで、メーガン妃は旧弊著しい英王室に虐げられたリベラル派の旗手として特に北米で祭り上げられつつある。
メーガン妃は米国出身の元女優で、父親は白人、母親は黒人。映画プロデューサーとの結婚・離婚を経て2018年にイギリスのエリザベス女王 の孫のヘンリー王子 と結婚し、英王室が初めて黒人のメンバーを加えたとして話題になった。
だが、その後は英タブロイド紙の洗礼を受け、出産に伴う邸宅の改修で240万ポンド(3億6000万円相当)をかけたりしたことが暴かれ、さまざまなバッシングを受けてきた。20年には王室から離脱。移住先のカナダの政府が警備費用を持っていたことに反発が広がるなど、世間の評価は割れていたといっていいだろう。
司会者に強いられて打ち明ける、という筋書き
そのメーガン妃に反感を持っていた人までも味方につけた、あるいは控えめに言っても反論できないようにした、のが今回の暴露劇だった。舞台設定、配役、台詞回し。女優として必ずしも一流とは言えなかったメーガン妃だが、今回の暴露劇ではプロデューサー、演出家、女優として完璧な役回りを演じきっていた。
まずは舞台設定だ。今回、暴露劇の劇場として選ばれたのは米国の黒人司会者オプラ・ウィンフリーの番組。オプラはリベラル派のメディア人として米国で知らぬ者はいない。民主党の大統領候補に擬せられたこともある。そして、率先して暴露するというよりは、オプラに強いられて打ち明ける、という筋書きも同情を誘うに足りる。
真に寒気がしたのは、台詞だ。ウィンフリーが「肌の色が濃すぎると問題になるという懸念があったということか」という質問を呼び水に、メーガン妃は「なぜなのか追及できなかったが、そう考えて大きく外れていないと思う」と答えた。
「生まれてくる子の肌の色はどれぐらい濃いだろうか」という匿名の王室メンバーの発言と、「称号も警護も与えられないだろう」という発言の2つを結びつけたのだ。長男の称号問題を人種差別発言とリンクさせたわけだが、それは、実は、意図的にある事実に目をつむらないとできない。そこに、メーガン妃の戦略の核心がある。メーガン妃が触れなかった「不都合な真実」
メーガン妃の長男、アーチー君が王室のメンバーとされていないのは事実だ。だが、それはヘンリー王子の妻が白人であっても変わらないことだ。イギリスでは王・女王の嫡男の筋以外は孫までしか王室のメンバーにならないと決まっているからだ。逆に言えば、チャールズ皇太子 が戴冠すれば、アーチー君も孫となるため、王子に列せられる。
メーガン妃自身もそれを理解していることを、番組で明らかにしている。メーガン妃は、チャールズ皇太子が戴冠した際に、アーチー君を王子としない計画が持ち上がっていることを暴露したのだ。
事実なら、人種差別発言を、実際に差別につなげる行動であり、誰もが受け入れられないことは疑いない。だが、アーチー君を王子にしないという計画は、これまでは違う文脈で論じられてきた。王室のスリム化だ。王室のスリム化に目をつむり、人種差別と結びつけた
英王室は、王室の際限ない拡大を警戒してきた。嫡男の筋以外、孫までしか王室のメンバーとしないこともその一つだが、それ以上に絞ることも俎上に載ってもおかしくはない。メンバーが増えるほどスキャンダルも増え、世界的に見ても裕福な王室とはいえ、英国民の税金も一部充当されており、費用もかさむ。スリム化はむしろ、英王室の改革の一つとして位置づけられてきた。
メーガン妃は、その経緯について一切、触れていない。王室のスリム化という改革としての側面に目をつむり、人種差別と結びつける。こうなった以上、いくら王室の改革のため、といっても、スリム化の行動は人種差別と結びつけられ、できなくなる。メーガン妃の発言が巧みなのは、こうした議論の展開まで考慮されている節があることだ。
ブラック・ライブズ・マターの脈絡でも反論は困難
ここ100年の英王室はスキャンダルの連続だったといっても過言ではない。そもそもエリザベス女王が戴冠したのも、気さくで国民にも人気の高かった伯父のエドワード8世がバツ2の米国女性と「世紀の恋」に落ちて王位を返上し、弟に当たるジョージ6世、すなわちエリザベス女王の父親に王位を譲ったからだ。
チャールズ皇太子とダイアナ妃のダブル不倫、離婚とダイアナ妃の事故死はいうまでもない。最近ではチャールズ皇太子の弟、アンドリュー王子が米富豪エプスタイン氏の児童買春ネットワークの顧客だったのではないかとする疑惑に巻き込まれ、王室のメンバーから外された。
だが、今回の暴露はこれまでと次元が全く変わっている。英国ではそもそも人種差別が社会問題として俎上に載ることは少ない。むしろ階級問題の方が表に出やすい。半世紀前まで黒人と白人のトイレを別にするなど過酷な人種差別をしてきた米国のようなトラウマもないからだろう。
その米国で、しかもリベラル派の黒人司会者の前で人種差別発言を暴露し、しかもその発言が、長男が王室から外されるという人種差別行動に結びついたと主張することは、英王室の問題を、米国のブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命も大切だ)運動の文脈に位置づけることを意味する。
メーガン妃の行動、発言に対して、米国と違って英国では反発も大きい。それにあわせるかのようにメーガン妃が元側近らをいじめていたとの報道も出た。だが、米国発の国際世論の力は大きい。エリザベス女王が速やかにコメントを発表し「真剣に受け止め家族で対処する」としたのは、BLMの脈絡から正面切っての反論が難しかったことが影響した可能性もある。
小室圭さんの“渡米物語”はアメリカでウケる?
英国では賛否の分かれる問題が、米国発で発信されることで、国際世論を味方につける。この展開は、秋篠宮家の長女、眞子さまとの結婚を目指しながらも国内世論の反発に阻まれている小室圭さんに大きな示唆を与えずにはいないだろう。
眞子さまと小室さんの結婚が延期されたのは小室さんの母親の元交際相手への借金問題が大きな要因とみられ、国内ではいっこうにそれを説明しようとしない小室さんへの反発も大きい。
だが、シングルマザーの庶民の子がプリンセスと恋に落ち、それに対して親や世論が邪魔をして結婚が成就できない、との筋書きで米国から訴えたらどうなるだろうか。小室さんは米国で弁護士資格を得るべく勉学に励んでおり、移民国家ではそれも好感を持たれるポイントになる。
メーガン妃の発言は、本人も意図しない余波を生むかもしれない。
(末家 覚三/Webオリジナル(特集班))
外部サイト
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小室圭さんに尽くす眞子さま メーガンさんに従うヘンリー王子との類似性
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イギリス・エリザベス女王の孫にあたるヘンリー王子とその妻メーガン妃が、米CBSテレビのインタビュー番組の中で王室の内情を暴露し、大きな波紋を呼んだ。
今月上旬、米人気司会者オプラ・ウィンフリー氏によるインタビュー番組に登場したメーガン妃は、2018年の結婚後、王室内で孤立し、自殺さえ脳裏に浮かぶほど苦しんだと告白。
さらに、アフリカ系の血を引く米国人のメーガン妃がアーチー君を妊娠した際には「子供の肌がどれぐらい黒くなるか」と懸念を示されたと語り、王室が人種差別的であることを示唆したのだ。
アメリカで番組が放送された7日には約1700万人が視聴。翌8日、イギリスITVによる放送では約1200万人が視聴した。放送後10日余りを経ても米英ではトップニュースの1つとなっている。
だが、今回の騒動をめぐってはアメリカとイギリス、またイギリス国内でも高齢層と若年層の間では受け止め方が異なる。メーガン妃の告白はなぜ、賛否に分かれているのか。注目される背景を見てみたい。
メーガン妃の告白にアメリカ衝撃 セリーナ・ウイリアムズ氏らが支持を表明
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メーガン妃はアメリカで生まれ育ち、2018年にヘンリー王子と結婚するために渡英。昨年1月にインスタグラムで突然の「独立宣言」を行った夫婦は同年3月末、王室の公務から引退し、現在は長男アーチー君とともに米国に住んでいる。
結婚に際し、メーガン妃は女優業を辞め、人気があったブログも閉鎖したことで、「声」をなくしてしまっていた。
今年3月7日、騒動となった番組でメーガン妃はまず、「王室の人間となったために言いたいことが言えなくなった」とこぼした。
「沈黙したのですか、それとも沈黙させられたのですか?」。司会者のウィンフリー氏の問いにメーガン妃は「後者だ」と回答した。
さらにアメリカの視聴者に大きな衝撃を与えたのは、人種差別的なやりとりが王室内でなされていたことを暴露したことだろう。
「王室内で『生まれてくる子供の肌の色』について懸念があった」とメーガン妃が明かすと、あまりの衝撃にウィンフリー氏は沈黙。しばしの後、「え?なんですって?」と聞き返した。
メーガン妃はまた、アーチー君が「王子にはなれない」と言われたと続けたため、人種差別が背景にあったことを示唆する流れとなった。
セリーナ・ウイリアムズ選手もメーガン妃支持の声をあげた=Getty Images
放送後、アメリカの著名人、芸能人、政治家が次々とメーガン妃支持の声をあげた。例えば夫妻の友人でテニス選手のセリーナ・ウイリアムズ氏、映画監督マイケル・ムーア氏、元国務長官のヒラリー・クリントン氏である。
筆者は、日本にいる複数の友人からも「メーガン妃を応援したい」というメッセージを受け取った。
「メディア対応はしない」が暗黙のルールだったイギリス王室
しかし、イギリスでの反応はアメリカの反応とは少々異なる。
その背景には王室の"約束事"と、メーガン妃・ヘンリー王子夫妻に貼られた「お騒がせ」のレッテルがある。
エリザベス女王は1952年の即位以降、「一切メディアの取材を受けない」をモットーに黙々と公務を行ってきた。立憲君主制を取るイギリスでは、王室が政治に一切干渉しないことが不文律となっており、「王室の神秘性を壊したくない」という女王の配慮もあって、国民に誓った「自分の一生を捧げる」生活を続けてきた。
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イギリスの国民が女王一家の生の声を聞くのは、公務時の演説かクリスマス時のメッセージ、コロナ危機への対応を呼びかける際など特別な場合のみで、内容もあらかじめ準備されている。
一旦イギリス王室の一員となったら、メディア取材には応じない。女王が実践するこの対応は、王族の中での"暗黙の約束事"と言える。
それでも、イギリス王室のメンバーが家族関係についてメディアに暴露した過去はある。
最も著名な例がヘンリー王子の母ダイアナ妃(1997年、パリで交通事故死)だ。
1992年に刊行された『ダイアナ妃の真実』の中では、王室の中での孤立、自傷行為、夫チャールズ皇太子の愛人の存在などを明らかにし、世界中を驚かせた。94年、チャールズ皇太子は民放番組で愛人の存在を認め、翌年、ダイアナ妃がテレビ番組で、孤独や夫の愛人問題を自分の言葉で語った。当時の視聴者は約2300万人。夫妻は96年夏、離婚する。
メーガン妃がぶちまけた王室の内幕 女王への「侮辱」との表現も
今回、ヘンリー王子夫妻もまたこの暗黙のルールを破った。アメリカでトップクラスの人気司会者であるウィンフリー氏の番組に出演し、王室批判のオンパレードをぶちまけた。出演に際してほかの王族への相談はなかった。
家族のいざこざをテレビ番組のゴールデンタイムにばらされてしまったら、どうだろう? しかも、その「家族」とは国を統治する王族であり、内容が人種差別の示唆というショッキングなものだったら……。
イギリスの保守系大衆紙「デイリー・メール」は、国内放送の翌日、「一体なんてことをしてくれたんだ」という大きな見出し付きの1面を作成。エリザベス女王が率いる王族、そして国民の驚きと怒りが現れていた。さらに保守系新聞「デイリー・テレグラフ」のコラムニスト、アリソン・ピアソン氏は今回のヘンリー王子夫妻の行為はエリザベス女王に対する「侮辱」と表現した(9日付)。
「お騒がせ夫婦」のレッテルを貼られていたメーガン妃・ヘンリー王子夫妻
デイリー・メール紙(9日付)は「一体なんてことをしてくれたんだ」という見出しを付けた(BBCニュースサイトより)
メディアによる夫婦への批判は今回が初めてではない。
2018年5月、ウィンザー城で行われたヘンリー王子とメーガン妃の結婚式に際し、多くの国民がアフリカ系メーガン妃が王室に入ることを「イギリスの多様性の象徴」として受け止め、祝福した。
しかし、いつしか夫妻には「自分勝手」、「お騒がせ夫婦」というレッテルが付くようになっていく。
王子夫妻はウィンフリー氏の番組で、米国移住は「執拗なメディア攻勢が理由の1つだった」と述べた。実際、二人の交際が公になったときから、メディアはメーガン妃の一挙一動を報道。米国人の元女優という経歴もあって、あこがれの対象とする一方、「アフリカ系」「新参者」という側面を否定的に描くこともあった。
アーチー君の誕生をめぐって深まった溝
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さらにアーチー君の誕生をめぐって、夫妻とメディアの関係は悪化する。
「プライバシーを大事にしたい」とするメーガン妃の意向から、夫妻はアーチー君の出産にかかわる情報を極度に制限。これは国民からアーチー君誕生の祝福の機会を奪う結果となり、締め出された多くのメディアを敵に回してしまった。
「二重基準」も問題視された。プライバシーを大事にしたいとする一方、夫妻の称号「ロイヤル・サセックス」をブランド登録。自分たちの信条に沿ったプロジェクトには積極的に個人情報などを発信する二人の姿に「言動不一致」の声が出始めたのである。
2020年1月、夫妻は女王やほかの王族に知らせずに、自分たちのインスタグラムのアカウントを使って、「公務を縮小させ、北米での滞在時間を増やす」と宣言。「財政的に独立したい」と"爆弾発言"を行った。
だが当時、夫妻のウェブサイトによると、この「独立」は、日本円で約3億円の改装費をかけた自宅を使い続け、年間9000万円ほどの警備費も税金で負担することを前提としていた。
王族としての地位や富を維持しながら、公務を減らし、イギリスには住まない。あまりにも「良いとこ取り」であると、保守系メディアは一斉に夫妻へのバッシングを開始した。
イギリスでは高齢者からの好感度が低下
そうした背景の中で起きた今回の騒動。
世論調査会社「ユーガブ」が行ったイギリス国民を対象とした最新の調査(3月10日、11日実施)によると、エリザベス女王への好感度は80%で、番組放送前後で変化なし。一方、ヘンリー王子に好感を持つ人は45%。ネガティブな見方を持つ人は48%(前回3月2日では前者が53%、後者が41%)となった。
メーガン妃の場合は好感を持つ人は31%、ネガティブな見方を持つ人が58%に上る(前回は前者が39%、後者が53%)。
2人とも、ネガティブな見方を持つ人が増加した形だ。
また、年齢によって比率は大きく変わる。高齢者ほど、夫妻に対してネガティブな見方をするのに対し、若者層の間では支持率が高い。
メーガン妃の発言で誤った印象? 誤解の広がりを懸念
筆者も今回の番組を視聴した。
ヘンリー王子夫妻が言及した人種差別的発言がどのような状況で、誰が発言したのかは不明だ。
一方、アーチー君が「王子にはなれない」と言われた点に関しては誤った受け止められ方をしている部分もあるのではないかと思う。
現在、イギリスでは君主の孫まで、つまりエリザベス女王の孫であるウィリアム王子やヘンリー王子の代までが「王子」という称号を使ってよいことになっている。そのため、アーチー君は現在、王子の称号は使用できないが、チャールズ皇太子が国王になれば王子という称号を得るはずだ。
しかし、メーガン妃からはこの点の説明がなかったため、アメリカの視聴者には「人種差別のために、アーチー君は王子になれない」という印象を与えたかもしれない。
番組の後半に出演したヘンリー王子は公務を引退した昨年春から、「王室の経済支援が停止した」と説明した。予想外の展開であったかような印象を与えた。
しかし、公務縮小をしたいと王室に相談せずに自ら宣言したのは夫妻であり、「財政上独立したい」と述べていたのも事実だ。「公務を引退したのに、経済支援を受け続けた」となれば、国民からの理解は得られない。ただ、そのような経緯を知らなければ、「突然」支援を打ち切られたというヘンリー王子の説明をそのまま信じるしかなくなる。
ユーガブの調査で明らかになったように、イギリスの若者層には自分の苦しみ、悲しみを公にするヘンリー王子夫妻に好感を持つ人も多い。もしイギリスの王室制度が今後も続くとしたら、私的な感情を表に出す王族のほうが支持を得るようになる時代が訪れる可能性はありそうだ。