理想国家日本の条件 さんより転載です。
幸福実現党
2022/01/28
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2022年1月27日収録
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北朝鮮の極超音速ミサイルが日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?
2022.01.29
◆2022年、頻発する北朝鮮ミサイル発射実験
今年に入って、北朝鮮は既に6回のミサイル発射実験を行っています。
1月5日、1発の極超音速ミサイル発射を皮切りに、14日には鉄道発射型イスカンデル、17日には北朝鮮版のエイタクムスを2発ずつ発射しています。
エイタクムスはもともと米国のミサイルで、今回のミサイルは大変酷似しており、韓国からの横流しではないかと囁かれています。
また今後、追加の核実験に踏み切る恐れも指摘されております。
◆東京23区壊滅!? 衝撃の被害想定
ミサイルはあくまで運搬手段でありますが、ここに核を搭載したらどうなるのか。
こうした核攻撃の防衛に失敗するという最悪の事態をシミュレートしたNUKEMAP(ニュークマップ)というものがあり、これは中国の大陸間弾道弾「東風5号」が千代田区三番町に着弾した場合の被害を想定しています。
※NUKEMAP(ニュークマップ)は、下記動画の映像よりご覧ください。
https://youtu.be/k5tUpg_euLc
風向き等、自然条件で変わるものですが、着弾する中心エリアは核爆発で生じた火球で蒸発してしまいます。
その外縁部は「爆風半径」と呼ばれ、大半の住宅が崩壊し、木造家屋の場合は圧死の可能性があると言われます。
さらに北はさいたま市、南は川崎市に至る範囲は「熱放射半径」と言い、皮膚や髪などを含めて木造の建築物が瞬時に燃え上がる恐れがある地域となります。
たった一発の核ミサイルで東京23区は壊滅し、死者は最大で約220万人、負傷者は437万人に上ると考えられています。
◆極超音速ミサイルが日本の防衛体制を無力する?
そのため、こうした核ミサイルが決して日本に落ちないように、これまでPAC-3やイージス艦を中心とするミサイル防衛のシステムを政府は構築してきたわけです。
しかし今、これを真っ向から揺るがす新しい兵器が登場しました。
それが、前述した「極超音速ミサイル」です。
今年に入ってからの北朝鮮のミサイル発射でも、6回中2回、1月5日、11日のものが極超音速ミサイルだったと言われています。
こうした極超音速ミサイルは、2兆円かけて作り上げた今までのミサイル防衛体制では迎撃できないと言われています。
◆極超音速ミサイルは初代ウルトラマンより速く飛ぶ
まず、極超音速ですが、「音の速さより極めて速い」ということで、具体的には音速の5倍以上になると極超音速と呼ばれるようになります。
このときに、「マッハ」という言葉がよく使われます。これは音速と比べて「どれくらいの速さなのか」を表したもので、マッハ1は音速と同じ速さで、マッハ5が音速の5倍の速さということになります。
ちなみに、初代ウルトラマンの飛行速度はマッハ5ですので、ウルトラマンより速く飛んでくるのがこの極超音速ミサイルになります。
野球の剛速球のように速度が上がれば上がるほど、迎撃は難しくなりますが、問題は、速さだけではありません。
◆迎撃が極めて難しい極超音速ミサイル
通常のミサイルの軌道は放物線を描いて落下しますが、極超音速ミサイルは全く違った動きをとり、低い高度で、ものすごい速度で迫ってくるところに特徴があります。
通常のミサイルの場合、放物線を描くので落下地点を演算で出すことも比較的容易なのですが、極超音速ミサイルは軌道がくねくねと変動するので、動きが予想できず、迎撃が難しいのです。
例えば、発射段階では日本本土に落ちるのか、排他的経済水域(EEZ)に落ちるのか、それ以外に落ちるのかをミサイルの軌道だけで判断するのは難しいわけです。
さらに、1月11日に打ち上げたミサイルはもっと曲者で、縦方向の高度で動きを変えただけでなく、横の水平方向に200キロ以上方向を変えたと言われています。
例えば富士山より西側に向けて発射したように見せながら、最終的には東京を狙える、というようなことを意味します。
◆イージス艦では撃ち落とせない!?
加えて、極超音速ミサイルは、発見と探知が格段に難しくなります。
地球は丸いのですが、ミサイルを探索するためのレーダーの電波はまっすぐにしか進まず、もっと言えば、こうした低空軌道のミサイルをイージス艦で迎撃することはできません。
なぜなら、イージス艦はミサイルが宇宙空間まで上がるタイミングで迎撃を行いますが、これは高い高度を飛んでいるミサイルにしか対応していません。
ですので、もし極超音速ミサイルが日本に飛んできた場合、早期の発見が難しく、イージス艦でも十分に迎撃できない可能性が濃厚となります。
PAC-3が限られた時間の中で、高速のミサイルを撃ち落とせるかどうか、非常に心許ない状況と言えるでしょう。
一昨年は陸上型のイージスシステムを配備するかどうかで大変揉めていましたが、わずか数年でその根本を揺るがす事態が起きているわけです。
◆極超音速ミサイルを既に配備する中国
なお、脅威という意味では、北朝鮮以上に中国が深刻です。
北朝鮮は、極超音速ミサイルは実験の段階ですが、中国は既に、兵器として配備しています。
これについて、幸福実現党の大川隆法総裁は、1月9日に行われた「『秘密の法』講義」の中で、「中国と北朝鮮が、同時にマッハ5以上の超音速のミサイルができるわけがないので、そこが通じているということでしょう」と指摘されました。
中国と北朝鮮が裏でつながって、中国からの技術供与がなされ、北朝鮮が極超音速ミサイルの技術を着実に蓄積しているということについて、警戒感を高めるべきであると考えます。
なお、大川総裁は「中国はいざという時は北朝鮮を戦場にして」「北に撃たせまくるつもりで多分やっているのだろうと思います」という読みもされています。
◆極超音速ミサイルの実験に失敗した米国
一方これに対して米国は、極超音速ミサイルの実験に2021年段階で失敗し、大きく出遅れてしまいました。
極超音速ミサイルは、極超音速に加速すると、空気とミサイルが摩擦を起こし、1000度以上の高温に達することで、電子機器が壊れ、ミサイルのコントロールが効かなくなる点などが、開発を困難にしています。
しかし、中国がどうやって、それを克服したのかは謎となっています。
いずれにしても、日本のミサイル防衛を根本から揺るがす事態が起きていることだけは間違いありません。
◆「敵基地攻撃能力」は憲法違反ではない
こうした事態を受けて、国会でも既に議論が交わされているのが「敵基地攻撃能力」です。
考え方は非常にシンプルで、ミサイルを迎撃できないなら、発射前にミサイルを打てないように敵基地を攻撃するしかない、ということです。
ちなみに、敵基地攻撃能力を持ったとしても直ちに憲法違反にはならず、必要最小限度の範囲であれば自衛手段として認められております。
これは日本だけの考え方ではなく、例えば、米国の国家安全保障戦略には「ミサイル防衛には敵基地攻撃能力も含む」と明記されています。
◆中途半端な敵基地攻撃能力は最も危険!?
岸田首相は昨今の情勢を鑑みて、敵基地攻撃能力の必要性を訴え、国会において論戦が行われています。
ただ、「敵基地」といっても、北朝鮮が配備する弾道ミサイルは全て「車載移動式」であるため、攻撃したところで「もぬけの殻」という状況になってしまいます。
そのため防衛省では、ドローンの活用や、人工衛星によって電波を特定して攻撃することを考えていますが、叩く手段はなく、叩き漏らしたときの抑止力もありません。
最大の課題は、中途半端な敵基地攻撃能力を持つことで、かえって「核兵器」による反撃を招きかねないということです。
となると結局、核兵器に対しては、核で抑止力を持つことが不可欠であり、相手に攻撃を思いとどまらせるためには、本来は核保有について議論されなくてはならないはずです。
◆新たな抑止力と防衛体制のかたち
もっとも、地上に落とす広島・長崎型ではなく、電磁パルス(EMP)のように、パンと上空で爆発させることで電子機器を使えなくさせ、都市機能を麻痺させることを目的にするものでいいわけです。
日本を攻撃することによって、逆に「受け入れがたい被害」が敵国に生じるのであれば、これが十分に抑止力となります。
更に「ミサイルに対してミサイルで撃ち落とす」のではなく、日本独自の考え方として、電子戦と電磁波兵器による「電磁バリア」を築くべきだという指摘もあります。
例えば、言論チャンネルに多数ご出演頂いております用田和仁氏(元陸上自衛隊・西部方面総監)は、電磁波兵器がミサイルやドローンに内蔵されている電子機器を破壊すると提言しており、課題である電源の開発を急ぐために、早急に予算をつけるべきだと強く訴えていらっしゃいます。
◆小手先の改革では何も変わらない
以上の通り、北朝鮮のミサイルと核について考えてきましたが、政府はいまだに「遺憾です」としか言えておりません。
また、未だに「二枚舌」というか、防衛白書を一つとってみても、北朝鮮については明確に「脅威」と書きながら、中国については、あくまで「懸念」という表現にとどまっています。(令和3年版『防衛白書』)
しかし、北朝鮮よりも中国の方が明らかに軍事力は強大ですし、実際の自衛隊の配置も、中国を想定して、沖縄・南西諸島方面の防衛を強化しています。
コロナウィルスも「生物兵器」であると我々は考えており、「もう戦争は始まっている」という認識が必要だと考えます。
小手先の改革ではなく、国を護るということで、バシッと一本、精神棒を入れる必要があるのではないでしょうか。
◆「自由・民主・信仰」に基づいた国家戦略を!
世界の正義と平和を構築するために、国家の基本原則として「自由・民主・信仰」という価値観が政治の基盤に必要だと考えます。
バイデン大統領が「民主主義国家 対 専制国家」といってロシアを中国に接近させてしまっていますが、プーチン大統領は元来、敬虔なロシア正教会の信仰者として、強い信仰心をお持ちです。
「自由・民主・信仰」を原則とする国々が手を結ぶべきです。
なぜなら、神を信じない国は、中国と北朝鮮ぐらいで、大抵の国は「信教の自由」を認めており、信仰を持たない国の独裁者に「遺憾です」といっても通じませんが、「神仏への信仰心を持つ国家 対 無神論・唯物論国家」の対立軸を構築できれば、勝てる可能性が出てくるのです。
また、「人権」「法の支配」という言葉もありますが、政治の上位概念にある「神への信仰」を認めなければ、その根拠というものは極めて甘いものになります。
北京五輪への外交的ボイコットや、ウイグルジェノサイドへの非難決議もできず、国防体制の構築もなかなか進みませんが、これは日本に精神的な柱が立っていないために、善悪の判別ができないことと無関係ではありません。
こうした観点から、日本の外交戦略を根本的に組み直し、国防も強化していくべきであると考えます。
日本は「武士道の国」として甦る必要があるのではないでしょうか。
執筆者:釈 量子
幸福実現党党首
北朝鮮の極超音速ミサイル。日本に落ちたらどうなる?日本の国防は大丈夫?(釈量子)【言論チャンネル】