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「楡家の人びと 第3部」 北杜夫

2018年01月19日 | 読書

[北 杜夫]の楡家の人びと 第三部(新潮文庫)

【遂に太平洋戦争が勃発。開戦時の昂揚も束の間、苛酷さを増す戦況が一族の絆を断ち切り、大空襲は病院を壊滅させる。敗戦に続く荒廃の季節、残された者には、どんな明日が待っているのか――。人間のささやかな毎日の営み、夢と希望、苦悩と悲嘆、そのすべてが時の流れという波濤に呑みこまれ、「運命」へと変貌してゆくさまを、明治から昭和への時代変遷を背景に描きあげた一大叙事詩。】

軍医城木の日記。藍子への思い。戦争、死への感覚が麻痺してくる。”死のうが生きようがどうでもいい・・・。” 
城木は戦争に駆り出された一般人。思わぬ時に思わぬ事で人は簡単に死んでしまう。

米国。自分を不治の病と信じているが誰も相手にしてくれない。死ぬのが怖くて仕方がない。戦争に行かされるのが嫌でたまらない。人間はだれでも死にたくないという本能を持っている、当たり前のこと。米国は「死」ばかりを見て、妄想し怯える、ふつうのにんげん。

信州に(形ばかりの)入試にやって来た周二は、大自然の中で心から「生きたい」と思う。日常的になっている「死」について考える。

兵隊になった”飛行機マニア”の俊一は、戦場でつくづく飛行機が嫌になる。飢えの苦しみ。戦闘行為ではなく、食べ物(魚)を求めて死にそうになる。戦争の悲惨さは、戦闘行為だけにあるのではない。

楡病院は医者も職員も患者も少なくなり、都に手放しみんなは疎開し、、、。北海道で農業をしようと準備していた欧州だが、土地は没収され。闇で手に入れてた品物も戦渦でなくし。戦前の資産は大暴落で価値がなくなり。

兵隊に駆り出される人びと、焼き出され路頭に迷う人びと。爆撃で、飢えで害される人びと。戦争を始める政治家や権力者は、被害を受ける者としての視点や肌感覚が欠如している、無知な人たちでしかない。戦争する人は、相手の立場を本当に理解していない、理解しようとしない人たちで、つまり現実を観る能力のない人たちなんだと思う。

現実を観る能力。兵器が高性能になればなるほど無くなっていく。ゲームのような、机上の計算、脳内の妄想。人間は無知でバカだということを理解してない。

そういう人間たちにお付き合いをしていては、貴重な人生が無駄になってしまう。ほんと、しょうがないなあ・・・。

庶民は、権力者や強欲な人たちがどうであれ、毎日の目の前の生活を、それこそ粛々となるべく有意義にやっていくしかないのだと思う。自分にできることをできるようにしていくだけ。ただ、生きる。よりよく生きる。心までは支配されないように・・・。

”滑稽”で”憐れ”な人間。でも、それぞれが一生懸命に生きている、愛しい人間。みんながんばってるのよね。幸せになりたいよね。


星5つ 

恐怖心が戦争(暴力や破壊や制裁、圧力)を生むのです。人間って、本当に弱虫だね。(どうせ、いつかは死ぬのに。それなら、よりよく、思いやりをもって仲良くできるように人格を向上させて生きなきゃ損なのにね。ケンカなんて損だからやめておきましょう。腹を立てるだけで損だよ。)

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