180907 火山と地震とブラックアウト <北海道震度7 発電所停止の連鎖>と<軽石層、一気に崩壊>を読んで
いま和歌山の裁判所から事務所に到着して、30分程度でブログをまとめようかと思います。
今日は時間に余裕があり、ゆっくりブログをかけると思っていましたら、3時半頃に電話があり、被疑者の義母が死亡されたということで、勾留執行停止の申立をするため、急遽、被疑者と接見しその意思を確認し、すぐに和歌山に出かけ、申立書を提出して、リターンしたのです。嫌いなドライブですが、こういう場合は仕方がありません。
裁判所に到着したのが業務時間を過ぎていて、駐車場も閉鎖されており、通常のドアも閉鎖で、夜間入り口から当直に渡して、帰還したのです。途中、裁判所から連絡があり、担当検察官が出張ですぐに連絡できないということで、判断は明日に持ち越しかなと、急いで持参した割にはうまくいかないものです。
そんなわけ少々疲れ気味の中、簡単にブログを済まそうと、ちょうどいいテーマ、「忙しすぎる勤務医」が3人の医療専門家の意見が出ているのを参考にまとめようと思ったら、ウェブサイトにまだ掲載されていませんでした。
そうなるともう一つの大きな話題、北海道地震がいろいろ情報がアップされていて、これは読みながら、引用して、簡潔にまとめるのにいいかなと思い、これを本日のテーマにしました。
震度は7だったのですね。それにしても、まず驚いたのはあの大規模な土砂崩れです。これは過去に見た例に比べても大きな方ではないかと思います。それもなにか特徴がありそうに思ったのです。
この点を割合、整理していたのが毎日記事<クローズアップ2018北海道震度7(その2止) 軽石層、一気に崩壊>です。
土砂崩壊の後に見られる山肌には特徴的な色変化がありますね。
それは<石塚グループ長によると、支笏カルデラから放出された軽石は肌色、恵庭岳はだいだい色、樽前山は白っぽい。このほか、黒っぽい表層土壌もあり、それぞれの色が現場の写真から見て取れるという。>
つまり、黒い表層土を除き、共通するのは軽石で、それぞれ噴火で飛んできて堆積したもので、その噴火の源が支笏カルデラか、恵庭岳か、樽前山ということのようです。
より具体的には<産業技術総合研究所の石塚吉浩・火山活動研究グループ長によると、厚真町の西約40キロでは、約4万年前にカルデラの支笏(しこつ)湖を作った巨大噴火が起き、厚真町に大量の軽石が飛来して厚さ約4メートルに堆積(たいせき)。さらにその上に、支笏湖の北にある恵庭(えにわ)岳(1320メートル)と、南にある樽前(たるまえ)山(1041メートル)の噴火による軽石も厚さ約50センチずつ積もっている。>とのこと。
軽石が風化するととても震動に弱いようです。
<軽石層は「テフラ層」と呼ばれ、京都大防災研究所の千木良(ちぎら)雅弘教授(応用地質学)は、2016年4月の熊本地震で起きた阿蘇山周辺の土砂崩れとの類似性を指摘する。この地域でも、阿蘇山から噴出したテフラ層が広がっている。
千木良教授によると、風化すると層の内部はスポンジのような小さな空洞が多くなり、震動に弱くなる。>
ところで、このテフラ層、日本が火山列島ですから、全国各地に堆積しているわけですね。いまは活動していなくても、火山活動盛んな時代には、各地で噴火が起こり、歴史上も最近では富士山の宝暦噴火のような、あるいはそれをはるかに上回る噴火で、こういうテフラ層など脆弱な地層が各地にあるのでしょう。
その意味では、改めて火山の痕跡をもハザードマップにきちんとマーキングしていないと、同じ問題がまた起こるリスクを見過ごしにすることになりかねませんね。
で、もう一つの問題が今回大きくクローズアップしました。ブラックアウトです。こういう問題はアメリカのような民間企業による電力事業競争の中で起こる危険があっても、わが国のように電力の地域独占を認めているので、そういう大規模停電なんて起こるはずがない?といわれてきたように思っていました。
アメリカでは北アメリカ大停電が有名で、2003年8月14日、アメリカ合衆国北東部と中西部の一部、および、カナダオンタリオ州にまたがる広範囲で起こり、29時間続いたとされています。この原因については諸説あってまだはっきり解明されていないようにいわれているかと思います。
ところで、北海道では、そのブラックアウトが、北海道全域で起こりました。これはどういうことでしょう。
毎日記事<北海道震度7発電所停止の連鎖 主力電源を直撃>では、<6日未明に発生した震度7の地震は、北海道全域が停電するという前代未聞の被害をもたらした。>
<道内全域の約290万戸が停電した今回の大規模停電の原因は、電力需要の半分以上を担っていた苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所が停止し、電力の需給バランスが大きく崩れたことだった。>
その原因について、次のように経緯を説明しています。
<北電や経済産業省などによると、地震発生当時の電力需要は約310万キロワットだった。道内の主な火力発電所6カ所のうち、苫東厚真の3基(発電能力165万キロワット)を含む4カ所の計6基が稼働していたが、地震の影響で苫東厚真の3基が緊急停止。
供給量が一気に減り、「みこしを担いでいた人たちの半分が一斉に抜けたような状態」(北電東京支社の佐藤貞寿渉外・報道担当課長)になった。>
需給調整の機能が崩壊したようです。その構造を次のように説明されています。
<通常、発電量は需要と常に一致するよう自動調整されている。バランスが狂うと発電機の回転数が乱れ、発電機や工場の産業用機器などが故障するためだ。地震などの災害で一部の発電所が緊急停止しても、普段は他の発電所の供給量を増やして対応できるが、今回は他の発電所でカバーできる量を超えていた。
このため、地震の影響を直接受けなかった発電所も需給バランスの乱れによる故障を避けるため、自動的に次々と緊急停止した。みこしの下に残った人が押しつぶされそうになり、危険を感じて次々とみこしを放り出して抜け出したような状況だったと言える。>
すでに発送電分離の上、再エネ推進を邁進しているドイツでは、全土的な調整機能をAI等を活用してやっているようですが、今回のブラックアウトを踏まえて、新たに地域独占を超えた全国レベルの需給調整をシステマティックに行うよう検討すべきではないでしょうか。
今日は30分で切り上げることにしましたので、この辺でおしまい。また明日。
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