たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

環境建築とは <日経アーキテクチャの「賞」総なめの環境建築を追跡!>を斜め読みしながら

2017-11-10 | 建築が抱える問題

171110 環境建築とは <日経アーキテクチャの「賞」総なめの環境建築を追跡!>を斜め読みしながら

 

今日は朝からいろいろ細かな仕事を片付けていて、いつの間にか5時半。これから30分くらいでブログを書くにはと、新聞を少し広げてもぴんとこないので、メール情報をスキャン。タイトルが気に入り、ざっと読んだのですが、本文を買ってもらうための前口上のようで、これではとても自分で消火できそうもありません。

 

私が「環境建築」という言葉に惹かれたのはもう四半世紀以上前でしょうか。ちょうど地球環境問題が、バブル進行の中で、世界的には大きくクローズアップされていた頃だったように記憶しています。

 

このブログか、あるいはfbであったか、似たようなことを書いた記憶ですが、同じテーマでも文献資料もなく、記憶だけで書くので、違った面が見てくるかもしれません。

 

80年代後半、バブル景気の中で、東京都内はどこでもスクラップアンドビルド状態で、工事をしていないところがめずらしいと感じるくらいでした。工事現場で関係者にヒアリングすると、現場からどんどん産廃が出るのです。むろん元あった建物解体による廃棄物は当然です。しかし、それだけでなく新築中の建築物からもどんどん出てくるのです。資金がたんまり回っていた頃ですから、豪華にきれいにするわけですね。するとちょっとした意匠について施主からクレームがつけば、取り替えとなれば、それは廃棄物となります。使わない新品でも。細やかな装飾だと、半端という表現は適切ではないですが、切れ端などがどんどんでてきます。施主なり、設計者なりの好みが強いと、その分、出ていた印象です。

 

そこには環境への配慮といったものがほとんど感じられないように思えました。とはいえ、当時でも主要な大手企業体では廃棄物減少や分別への配慮が浸透しつつあったように思いますが、それ以上に、その後青森などでの産廃投棄事件が発覚するくらい、膨大な廃棄物の排出源となっていました。

 

では「環境建築」とは、廃棄物の排出を削減することかというと、それは前提ですが、強いて言えば、CO2排出を従前以上削減できる、あるいは自然エネルギーの利用を従前以上に行う、そういうコンセプトをもった建築物ではないかと思っていました。

 

では具体的にそんなものがあるかです。当時、上智大学の図書館が環境建築物として取り上げられたことがあり、訪ねていったことがあります。どの点が環境配慮だったか、いまは記憶が定かではないのですが、CO2排出源に配慮していたのではないかといったおぼろげな記憶です。

 

その後、環境建築の設計を長年啓蒙していたHさんという設計士さんとお会いして、自ら環境建築方式の事務所を建築され活用されていることを知り、見学したことがあります。

 

そのときすでに高齢でしたが、その意気は軒昂でした。事務所に入ると、夏場でしたが、ひんやりしているのです。むろんクーラーなど使っていません。自然の空気の流れです。たしか建物全体に水が流れるようにしていたと思います。その水はなんと井戸水だったと記憶しています。そして窓は開放して、外からの風が冷水を通して部屋の中を自然に冷却するようになっていたと思います。

 

その他自然エネルギーを活用する工夫が施されていたと思うのですが、それ以上は今思い出せません。

 

この経験を元に、日弁連と東京三会が共同で(それまではすべて独立の建物)弁護士会館を建築する計画が持ち上がっていたので、私の所属する東弁公害環境委員会として「環境建築」を提案したのです。当時たしか伊佐山さんもいたとおもいますし、全館禁煙、少なくとも分煙も盛り込んだと思います。そして環境建築の中身は、太陽光を利用したたいようこうえねるぎ-、日比谷公園の風を利用して地下水利用は?でしたが水を流すことも提案したかもしれません。そのほか何を要素に取り込んだか、これまた原稿がどこかに沈殿してしまい、記憶も定かではありません。

 

東弁の建築本部長を知っていたので、この提案どうでしょうとうかがったのですが、多少は気を遣ってくれたのか、なかなかいい提案だが、窓を開閉させることは機能上むずかしいとか、その他問題点を指摘され、日の目を見ませんでした。

 

いまある弁護士会館は、環境建築といった観点を欠いたもので、残念な思いですが、見た目はきれいで(廃棄物もけっこう出たかもしれません)、開放的な感じもします。しかし、エレベーターの調整がうまくいっているとはいえず、長い待ち時間を要することに、皆さん我慢しているのでしょう(なにせ旧建物はすべて3階建てで階段だけでしたから)。

 

少し記事について触れておきますと、写真で見る限り、このどの部分が環境建築なのか、私には理解できませんが、ともかく建築時点だけでなく建築物を利用した結果を踏まえて検証するという筆者の視点は評価できますので、的確で公正な評価基準をもって検証してもらいたいと思うのです。

 

ということで30分を過ぎました。今日はこれでおしまい。


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