たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

地震国日本 <地震調査委 四国M6.8確率 断層リスク、他と変わらず>などを読んで

2017-12-20 | 災害と事前・事後

171220 地震国日本 <地震調査委 四国M6.8確率 断層リスク、他と変わらず>などを読んで

 

関東で住んでいた頃、地震の脅威を日常的に感じていました。地震の揺れは頻繁だったと思います。さほど大きいわけではないのですが、それでも家財が揺れたりするだけで気持ちのいいものではなかったですね。とくに鎌倉に居住を構えたとき、関東大震災で多くの被害を受けたことを知り、余計不安になりましたが、それは関東一円ですから、どこに住んでも多かれ少なかれ地震被害のおそれはありますね。

 

カナダに滞在しているとき、ほとんどその地震の揺れを経験しませんでした。それだけで気持ちの余裕ができた思いがありました。それはもしかして縄文以来の日本人が常に意識してきたことで、DNAとしてきっちりと継承されているのかもしれないなんて思ったりします。

 

で、当地にやってきた後、わずかな揺れはなんどか経験しましたが、関東で経験するようなものと違い、不安を感じるものではありませんでした。高さ10m弱の古民家でリフォームの家に住んでいましたが、それでも全体が一瞬揺れてもしっかりしていました。建築士が古民家再生のプロで、耐震補強をしっかりやったためでしょうか。また、地震の規模が関東に比べ小さいからでしょうか。それにしても当地では不安を感じることはありませんでした。

 

ただ、いつも気になるのが、中央構造線が走っている点です。大きな断層が日本列島を横断しているわけですから、一体全体、形成過程も含め、どれだけの地震規模になるのか潜在的な不安はありました。

 

活火山をもじっていえば、休止断層なんでしょうか。表現はともかく、そのような評価をされているのを聞いた記憶があり、それでつい安心して、南海トラフ大地震や大津波は襲ってきて大災害を招く危険性は高いけど、和歌山の東北隅にあるこの地は安全地帯なんて勝手に思っている節がありました。

 

そんなとき昨日の毎日夕刊では<地震調査委四国M6.8以上9~15% 中央構造線・長尾断層帯、今後30年で>と<地震調査委四国M6.8確率 断層リスク、他と変わらず 別タイプも要警戒>という2つの記事がでました。前者は飯田和樹記者、後者は池田知広記者によるもので。

 

前者では<政府の地震調査委員会は19日、四国地方の活断層を対象にした地震の長期評価を公表した。対象とした5断層のうち、マグニチュード(M)6・8以上の地震を起こす可能性がある活断層は「中央構造線断層帯」と「長尾断層帯」の二つとし、30年以内に四国地方のどこかで同規模の直下型地震が発生する確率を「地域評価」した結果、9~15%と算定した。>と数値を上げています。

 

これが低い確率と考えるかどうかは、素人ではわかりかねますが、<昨年4月の熊本地震(M7・3)を引き起こした布田川(ふたがわ)断層帯で大きな地震が起きる確率は、ほぼ0~0・9%とされていた。>というのですから、まだまだこの確率を低いとか高いと安直に判断できませんね。

 

さて、問題の中央構造線については、<四国を東西に貫く中央構造線断層帯は6区間に分けていたが、活動周期の違いなどから10区間に再分割。区間別で発生確率が最も高いのは、ほぼ0~11%とした愛媛県の「石鎚山脈北縁西部区間」(M7・5程度)。四国電力伊方原発に近い同県の「伊予灘区間」(M8・0程度かそれ以上)はほぼ0%と評価した。同区間は徳島県と愛媛県にまたがる「讃岐山脈南縁西部区間」(発生確率ほぼ0~0・4%)と共に、地震の規模を最大としている。

 また今回、中央構造線断層帯に大分県の「別府-万年山(はねやま)断層帯」の東側を組み入れ、長さを約360キロから約444キロに延ばした。>

 

その危険性については気になる意見が委員長から発表されています。<平田直(なおし)委員長は「中央構造線断層帯は、全国の主要活断層114の中では地震発生確率が高い。震源が浅い地震が近くで起きれば甚大な被害が出る」と話した。>

 

とはいえ、この断層帯も詳細な区間に細分化してそれぞれ評価した結果だと、ま、私が居住している当地(五条谷区間に相当)では不明ということで、確率が低い位置付けでしょうか。それで安心してはいけませんが。

 

これは地図付きでしたが、ウェブ情報にはありませんでしたので、<地震本部地震調査研究推進本部の昨日発表したウェブサイトを見ると<四国地域の活断層の地域評価>に、詳細な報告と地図も掲載されていましたので、関心のある方は参照してください。報告書のダウンロードもできます。

 

後者の記事では、<調査委がこれまでに公表した中国地方(50%)や九州地方(30~42%)と比べて低い数値だ。ただ、これは大きな地震を起こす恐れのある活断層の数が中国や九州より少ないためで、各断層のリスクが他地域より低いわけではない。>とやはりこの数値だけで、リスクを過小評価しないことが指摘されています。

 

そして<これまで伊予灘が西端とされていた中央構造線断層帯は、連動する可能性のある範囲が西へ大きく延び、一部が九州地方にかかることになった。10区間に分けて算出した地震発生確率は区間ごとにばらつきがあるが、熊本地震のように隣り合う断層が連動する可能性もあり、確率が低い区間でも注意が必要だ。 >と近隣地域との連動、拡大化についても注意を呼びかけています。

 

なによりも心配なのは伊方原発への影響ですが、この点は<四国電力伊方原発(愛媛県)は、同断層帯が480キロにわたって同時に活動する巨大地震を想定して設計している。>ということで、先の広島高裁決定でも、この報告は判断基礎になっていないと思いますが、地震による影響は規制委の判断を認めていることから、今後の裁判所の判断に影響する可能性は低いでしょうね。やはり火山噴火・火砕流の影響の方が重視されるでしょう。

 

今日は、この<中央構造線断層帯(金剛山地東縁-由布院)の長期評価(第二版)>の報告書をいつか検討する機会があればと思って、取り上げました。内容的には結果だけのように見えますが、どのような判断資料と判断過程でそうなったのか、考える資料にはなるかもしれないと、とりあえずブログに取り上げました。

 

 


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