基本,鳥見人は迷惑人と思う。
鳥を見に行くこと自体,鳥にプレッシャーを与える行為だと思っているし,写真を撮ろうと鳥に近づくと,さらにプレッシャーを与えることになる。
個人的には,◯◯ツアーなど,集団で鳥を見に行く行為もどうかと思っている。
営巣や子育ての光景を撮影しようとするなど,繁殖に影響を及ぼすような行為は「迷惑」の範疇を超えている。ネットなどで,親鳥が子どもたちに餌を与えている画像を見ることがあるが,あまり愉快ではない。カメラマンが集団で巣の前に陣取ったことにより,巣を放棄させ,その年の繁殖を失敗させた,という話も聞く。
そこまでして子育て写真を撮りたいのか。撮った写真をどうするつもり?
ネットに上げてそういう行為の連鎖作り?
北海道で息子と鳥見をしていたときのこと。クマゲラの子育て写真狙いだったのだろう,大勢のカメラマンが,三脚に乗せた大砲を一方向に向けている光景に出会ったことがある。あさましい。論外。
また,フィールドが農地の場合,農作業の妨げになることもあるし,田んぼに車を落としたら最悪。港の場合も,時間帯などによっては漁業者の作業の迷惑になる。
誰もが公平に利用できるはずの公園に,三脚を持ち込んで,集団で長時間場所を占有するのもどうかと思う。人家の近くで双眼鏡やカメラを使ったりすると大迷惑だ。
そう考えると,残念ながら,鳥見行為(特に撮影行為)は,地元の方々の寛容さ,或いは,「我慢」の上に成り立っている部分もあるかもしれない。
私=鳥見人
鳥見人=迷惑人
∴ 私=迷惑人
そう自覚し,しっかりそれを意識して行動しなければダメだと思う。
鳥に対しても,人に対しても。
「ご迷惑をおかけして申し訳ないが,ありがたくも見させていただいている」という感謝の気持ち。
忘れないようにしなくては。
ホント,鳥見人は迷惑人なので。
なんで急にこんなことを書いているのか,というと,あるフィールドで,複数のカメラマンの車が農作業の妨げとなり,通報されて,複数のパトカーが出動する事態となったから。
現場で,パトカーが来て,カメラマンたちに何か話していたのは見ていたが,その中身を知ったのは,後日,X(旧Twitter)の記事を見て。その時点では何か別の理由と思っていたので,ショックだった。
人が集まったのは,珍しい鳥が出ていたからだが,それは一般社会では正当な理由にならない。何台も連なって長時間農道に駐車していたのは,まずかったと思う。
「過ぎたるは及ばざる」ではなく「過ぎたるは大迷惑」だった。
(水路を挟んだ土手の上から撮影&観察したもの ↑)
他人事ならず,広い田畑を探鳥するときは,私も車を使うことが常となっているし,鳥に姿をさらしたくないので,車をブラインド代りに鳥を撮影することも,いつもやっている。
今回はたまたま直接注意されなかっただけ。
これまでも散々迷惑をかけてきたと思うが,今回のことを教訓に,改めて,鳥見のマナーに注意しなければならない。
そうしないと,鳥見自体続けられなくなる。
少なくとも,このフィールドは,もう車での探鳥がダメになってしまった。
というか,私は,現状,恥ずかしく,また,罪悪感でいっぱい。
ここは,もう気持ち的にだめ。しばらくは,ここで,車での鳥見はムリ。
思えば,20年ほど前,ウズラを見つけたのも,車での探鳥で,ここだった。いるところににいるようだが,私がウズラを見たのは後にも先にもこの1回こっきり。もう一生会えないかもしれない希少な出会い。思い出。
当時,ここでは,鳥見人や猟銃を担いだ人と出会っても,カメラマンとは出会うことはなかった。
(旧ブログからの転載)
カメラマン人口が急増した今,そういう時代と同じ感覚ではダメだな。
いつまでも無邪気じゃいられない。
自分向けの戒めと心のザワザワの平穏化のために書いたものなのですが,たまっていたものも若干吐き出してしまいました。
自分的には,これまで,また,これからも行動面でほめられるようなことはできないと思いますが,少なくとも,記事に書いたようなことは,忘れないようにしていきたいです。
自分を戒めて鳥見していこうと思います。
珍しい鳥さんが出ると、つい後先考えずに行動してしまうので、一呼吸おいて、鳥さんと人に迷惑にならないかを考えて行動していきたいと思います。
いろいろと考える機会を与えていただき、有難うございました。