私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

渡辺数馬報讐始末の事 9

2010-10-18 09:56:43 | Weblog
 この戦いが、伊賀上野鍵屋の辻で決闘です。「荒木又衛門36人切り」で、有名な日本3代仇打ちの一つです。実際は又衛門が切ったのは又五郎の叔父河合甚左衛門と桜井半兵衛の2人です。

 10月7日朝です。何時かと云う事までの常山の記述はありません。上野鍵屋の辻に河合又五郎の一行が差しかかります。その一行を待ちうけていたのが」荒木又衛門達4名で、方や、又五郎一行は総勢11人だったそうです。4対11の戦いだったのです。

 まず、真っ先に声かけし切り込んで行ったのは荒木又衛門です。一説によりますと
 「いかに甚左衛門 日此のどうたぬき見ん」
 と声かけして、馬に乗っていた甚左衛門を一刀の元に切り捨てたと言い伝えられているのだそうです。この「どうたぬき」と云う言葉の意味は不明ですが、現代語にしますと「そこにいくぶたやろう」ぐらいの、相手をののしる言葉ではにかと想像しています。
 なお、この河合甚左衛門は、郡山で藩士の剣術師範をしていた程の腕の持ち主なのです。それが又衛門に、乗っていた馬から切り落とされたのです。どのようになったのか想像もつかないような光景だったと思います。馬から落ちた甚左衛門は、とっさに刀を抜きかけたのですが、その前に又衛門の下ろした2刀目で合えなく切り殺されています。
 一方、妹婿の半兵衛に対して向ったのが従者の武衛門と孫右衛門の2人です。この桜井半兵衛は槍が上手と聞こえていたので、半兵衛の従者が持っている槍を取られないように防ぎます。