最後に、井上博士の「藤井高尚伝」に、藤井高尚の消息として5名の人について書いてあります。此の5人の人について書いてある文を紹介して、これ又随分と長くなりましたが藤井高尚伝は終わりとします。
そのまず初めに挙げたのが橋本経亮(はしもとつねすけ)と云う人についてです。
「洛西梅宮社、禁裏非蔵人をかけたり。此男古学者のよし。近江海量法師咄候ゆゑ京滞在のみぎり尋候所、海量口とは違、さまでの万葉家にてなく、ただ古体の歌をよみ候計也。歌和文章ともに下手也。此仁有職の達人、且通例の職原とは大に違、ひろく古記録をよみ正し甚明らか成事に御坐候」
この人が経亮です