「甲子園への遺言~高畠導宏の生涯」がドラマ化されたものを、ツタヤで借りてきた。
放送する前にもその存在を知っていたし、再放送があったのも知っていて、見たいと思ったが、なぜか全く見なかった。
また、図書館でも、「甲子園への遺言」と言う本を手に取ったことはあったが、読もうとは思わなかった。ドラマ「フルスイング」と「甲子園への遺言」が結びついたのはDVDを借りてきてからだ。
一言で言うと、本当にドラマとしても良くできている。笑って笑って、辛くなって、涙涙、そしてまた笑顔と言った痛快はストーリー展開。
高橋克美という俳優さんがはまっていたような気がする。新潟県三条市出身。昔は薄くなった頭を9:1わけして踊るさんま御殿に出ていたような気がする。
妻役の伊藤蘭もよかった。彼女は綺麗だし、可愛らしかった。ちょっと、熟年夫婦の雰囲気ではなかったが、あんな夫婦に多く人はああだったらいいだろうな、くらいなことは感じることだろう。
さて、どんなストーリー化というと、プロ野球で30年間打撃コーチした人が、コーチングの参考に高校教諭の免許を通信制の大学で取得しようとしていて、ちょうど解雇され、そのタイミングで教育実習に行き、そのまま先生になってしまうというものだ。
当然、その間、コーチの誘いがあったけれども、子供達を育てる先生を選択する。
厳しい部活指導をする若手女性教師が、生徒を怪我させてしまい、自信をなくしたときも彼が生徒を支えたり、先生の指導の正しさを教えたり、感じさせたりする。
また、別の教師が生徒からある種のいじめを受けて休職したときも毎日通ったりしながら、先生の自信を回復させるなど、毎回毎回、彼が愚直に励ましたり、叱ったり。とにかく、相手の強さを信じて、よさを引き出すそんな感じの、学校内においてもコーチであったように思えた。
しかし、そんな彼にも残された時間は短かった。
就職して年度の途中、それこそ1月ぐらいから食欲もなくなり、腰の痛みに悩みながらの毎日だったようだ。
医師からの診断はドラマの中では直接出てこなかったが、余命半年程度のものだったのだろう。
すぐにでも入院を勧める周囲の説得にも、最後まで自分は大丈夫。卒業式にでてからすぐ入院しますの一点張りだった。
卒業式当日のやり取りは涙なくしては見ることはできないだろう。
中学生の子どもを残して旅立たねばならない心中を思うと、子を持つ親なら胸が押し潰されるだろう。でも、高さんは最後まで愛する人たちを信じていた
だから、お母さんを頼むぞと言われた彼は、わかったと答えた。
入院生活は5週間だった
卒業式の最後のホームルーム
医者にガンと言われた。立っているのが奇跡と言われるほど進行していた。
卒業する生徒達へ送るエールとして、彼は腰の痛みに歯をくいしばりながらバットをフルスイングした。
野球した人なら、高さんの気持ちは絶対通じる。それにこの日本なら野球経験者じゃなくてもこの気持ちはわかるだろう。
神々しいシーンだと思う。
いいドラマだった。本当に。