球春
昨晩は、ある県議会議員さんの講演会に、アルビBCリーグ社長村山哲二氏がゲストとして参加されており、友人から動員がかかり話を聴きに行った。
講演会は冒頭の、柏崎刈羽戦隊みとみレンジャーの寸劇で始まった。
感想は、「政治って利権なんだなぁ、利権の外にいるとあのモチベーションはたもてん!」と言うことをつくづく感じた。
さて、本題の講演である。村山さんは、高柳町出身。柏崎高校野球部を経て、駒澤大学の準硬式野球部の主将を務めた後、電通に入社。
アルビがJ2の頃から、広告マンの立場で関わり、4万人のスタンドを作り上げてきたそうである。その彼が今から2年位前、アルビ池田社長から相談を受けたのだ。
「サッカー、バスケを成功させた。あとは野球での地域おこしをしたい。」
当時、近鉄の球団売却やホリエモン騒動、選手会のボイコットなど、NPB(日本プロフェッショナルベースボールの略?)が大変揺れた時期であった。
実際にアルビにも球団売却を持ちかけてきたところがあったそうだ。
広島や楽天など最も貧乏球団が年間70億円くらいの経費で運営されている。
4万人のスタンドを埋めても、アルビは30億円。
新潟で70億円のマーケットを作り出すことは無理。
そうなると欽ちゃん球団の傘下に入って、クラブチームを運営すれば年間経費6000万くらい。しかし、これじゃ、つまらない。
そして、浮上してきたのが独立リーグ構想だったそうだ。
当時、石毛宏典氏が四国アイランドリーグを立ち上げ、独立リーグ、第2のプロ野球が注目され始めた時期であった。
石毛さんはオリックスの監督を、2年目のシーズンの4月初旬に解雇され、7000万の契約金が残っていたので、それを元手に立ち上げたとのこと。
これは石毛さんがアメリカのマイナーリーグを視察した時に、トライアウトを受けに来る日本人の多さにびっくりしたことが動機のひとつになっているそうだ。
20年前、社会人野球は140チーム存在していた。
しかし、現在では80くらいに激減。
社会人野球は優秀な人材のリクルートの一環として根付いていた。
現役終了後は、各営業所に配属され、野球で培った礼儀正しさや精神力で立派な企業人となってくることが期待されていた。
不景気の影響で、残念ながらこれらの選手の現役終了後は、リストラの対象である。
野球ができて財力のある家庭の子どもは大学にいけるし、そうでなくとも、社会人にと言う道もあったが、先ほどの数の減少で野球人口は増えているのに、受け皿がなく、野球を諦めるしかない選手があふれ、アメリカのトライアウトを受ける選手が増えている。
そして、これらの選手の気持ちや夢を逆手に取り、トライアウトツアーを組み、多額の渡航費をむしりとる悪徳ブローカーもでてきている。
トライアウトを受ける選手に、「どうして、日本で野球をしないんだ」と問うたところ、日本では実力を試す場所がないと、みんな同様に答えたそうだ。
つまり、四国アイランドリーグは、若者が野球の実力を試せるリーグを作ること、プロ野球に再チャレンジすることを、大きな使命として立ち上がったのである。
だから、シーズンが始まり、どう頑張ってもプロになれない選手は、どんどん解雇するそうだ。つまり、第2の人生をはじめた方がよいだろうと判断し、引導を渡すのである。
村山さんは、石毛さんとの交流や対談をとおして、彼の情熱や夢に大変感動したそうである。そして、一緒にやらないかとも声をかけられたとのことである。
しかし、新潟で、野球で町おこしをしたい。それが自分の夢だからということで断ったそうだ。もちろん、今でも交流は続いており、よき先輩、仲間、ライバルと言ったところなのだろう
つづく。