昔ほど小説を読むことは少なくなってしまったけれど
本屋へ行って惹かれるタイトルの本があると、ついつい手に取ってしまいます。
そして相変わらず女流作家の書いた小説が好きなのは今でも変わりません。
「半島へ」
作家である主人公が東京での生活を離れて、志摩半島(三重)の先端に建てた小屋(別荘)で
一年を過ごすという物語。執筆活動をしつつ春夏秋冬の季節の移ろいを感じながら
自然に抱かれて暮らしていきます。
何だか憧れてしまいますが、自然の中での毎日の生活は良いことも悪いことも含めての
新しい発見があるようです。
旅人としてその土地を訪れるのと、実際にその土地で生活してみるのとは
様々な違いがあるのでしょうね。
物語の中の風景を切り取ると不意にこみ上げて来る懐かしさもありました。
『高台にある小屋から森の中の入り江に続く道を下りてゆく。。。』
小さな入り江のある祖母の家は海の見える高台にあり
入り江まで下りてゆく近道は森の中のけもの道。
探検ごっこでもするようにその細い道を下りて浜まで行ったものです。
その穏やかな入り江はまるでプライベートビーチのように誰もいなくて
水遊びをしたり、入り江の奥にあるハマユリが群生している場所を「秘密の花園」と呼んだりして
従姉妹と二人で日が暮れるまで遊び回っていました。
砂利浜に打ち捨てられていた朽ちた小船。。。
入り江の向こうに見える岬の灯台。。。
この情景は私が昔から持っている「岬の菜の花★心の風景画」とリンクしているのかも
しれません。 過去記事です。お暇があればどうぞご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/bluemoon1007/e/29f5a9e1bd7ad715ee9f607bc934534b
そしてこの情景は松田聖子さんの昔の曲「秘密の花園」(YUKIもカバーしてましたが)とも
かなりリンクしてくるんです。
※ ※ ※
人の心の奥にしまい込まれている風景画って不思議ですよね。
懐かしい匂いを感じると、たちまち鮮やかに蘇って不意に語りかけてくるのですね。
春の気配が色濃くなってくるこの時期になると、
心の風景画に描かれている一面の菜の花畑を探しにフラリと旅に出たくなるのです。
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