今日もギターおたくの話です。ナッシュビル・チューニングというギターの弦の張り方があるのですが、簡単にいうと12弦ギターの複弦の細い方だけを張った感じ。今はちゃんとそれ用の弦を売ってて、ゲージは写真の通り、
1弦=10
2弦=14
3弦=09
4弦=12
5弦=18
6弦=27
という並び。3弦が一番細くて、2弦より4弦が細いというかなりの気持ち悪さ。通常の6弦のギターの3弦~6弦を1オクターブ上げたセッティングです。ちなみにこのセットは6弦のみ巻き弦。
それで、うちにはアコギが2本あるので、折角だから片方をナッシュビル・チューニングにしてみようと思った次第です。これはどういう効果があるかというと、普通のギターに比べて高い音が多くなるので、キラキラした感じの音になります。一般的によく知られてるのは、風の「二十二才の別れ」とか加藤和彦と北山修の「あの素晴らしい愛をもう一度」のイントロとか。
これは文章で説明するより、聞いてもらう方が早いです。お手元にこれらの音源がある方はお聞き下さい。普通にローコードを押さえてアルペジオを弾いてみると、Gの場合は3弦と1弦が同じ音だし、Dの場合も4弦と2弦が同じ音なので、慣れないと「んあッ?」となります。
これをロックでは使わないかというと、実は甲斐バンドが使ってます。ヤングギターの「ギターとミュージシャン」という記事で、甲斐さんがギブソンのJ-50をナッシュビルチューニングにしてレコーディングで使っているという記載がありました。(ただし、甲斐さんの場合は3弦は普通の弦を張ってるのでやや変則です。)
そして、その甲斐バンドは実際どの曲に使っているかというと、恐らく「ガラスの動物園」の「らせん階段」はそうでしょう。あのイントロのカッティングのガラスを割ったようなキャラキャラした音は、このチューニングならでは。おまけに甲斐さんの場合は、右利き用のギターをそのままひっくり返してるので1弦が上ですから余計にインパクトあります。あとはこのアルバムでは「あの日からの便り」もちょっと怪しいです。
その他のアルバムでは、「この夜にさよなら」の「ブラッディマリー」が怪しいし、「誘惑」のB面でも使ってるかもしれません。もちろん12弦ギターも使ってるので、わかりにくい部分もありますが。
それで、静かな曲でばかり使ってるかと思ったら、「翼あるもの」のエンディングの最後のアコギがそうかもしれないと思いました。今度試してみようっと。
ということで、私はこの程度ですが皆様の研究報告をお待ちしてます。なにしろ、普通のギターと合奏しないと効果が出にくいチューニングなので、私は適当に遊んで飽きたらまた元のチューニングに戻す予定です。今は結構楽しいです。細いから切れやすそうだけど。