朝ドラ「カムカムエヴリバディ」では、元々ジャズのトランぺッターだった錠一郎がジャズバンドのピアニストに転身するという展開。それについては、盟友のトミー北沢が「管楽器やる奴は、多少は鍵盤もたしなんでる。」と言ってました。
確かに世間を見回すと、キーボード&サックスという人はそちこちにいます。昔、尾崎亜美さんのバンドで見た和田春彦さんという方は基本はサックス奏者のようですが、ステージではシンセも弾いてました。亜美さんのバンドでは、和田さんの前に富永正寿さんという人もいて、その方も担当楽器はサックス、フルート、シンセでした。
さらに、昔ホーン・スペクトラムでサックスを吹いてた中村哲さんは、作曲家というか編曲家でも有名で、私はステージでキーボード弾いてるのを見た事ありますが、いろんな人のアルバムでもキーボードのみでクレジットされてるのもよく見ますね。
なので私なんぞは単純に、「何かの仕組みがあってサックス吹く人はキーボードも弾くものだ。」と勝手に思い込んでたのですが、ある時ライブハウスで知り合ったサックス奏者の方に「鍵盤も弾くんですか?」と聞いたら、「えっ! まったく弾けません!」と即座に否定。なので、上記の三名の方がどちらもプロでやるくらい上手いのは、ある程度特別と言えるようです。(ちなみに、その知り合いのサックス奏者はベースは上手かったのでマルチプレイヤーではあったのですが。)
ということで、トミー北沢のセリフはまあドラマの演出上の事として聞いておきましょう。ただしドラマでも「ジョーは元々ジャズのセンスは抜群やったから。」と言ってたので、ちゃんと練習すれば鍵盤でも非凡な演奏をするというのは理屈に合います。クラシックの演奏家になってコンクールに出るわけではないですし。野球の世界でいうと「子供の頃からエースで四番。」という人もいますので。
なお、他の管楽器でいうとスペクトラムのトロンボーン奏者だった吉田俊之さんは原田真二バンドではキーボード担当でした。スペクトラムがデビューした頃、キーボードの奥慶一さんが弾くMS-10というシンセに大きく「T.YOSHIDA」というシールが貼ってあったのも、テレビでちょくちょく見ました。
吉田さんがどうしてキーボードも弾けるのかはわかりませんが、考えてみるとあの方は東京芸大の出身なので、芸大に入るような人はそれこそピアノも多少習ったのではないかと思われます。サックス奏者のMALTAさんも東京芸大ですが、あの人の本を読んだら「音大に行くならピアノは絶対やっといた方がいいと言われて習った。」とも書いてましたし。
ピアノが弾けることには憧れるし、なによりあれで弾き語りできると最高にかっこいいです。おまけに、ステージでも座って弾くので年取って足腰が弱っても健康に良さそう(?)。ただし、私は腱鞘炎持ちなので手は出しません。座って弾くというと、やっぱりラップスティールかなぁ。