<月の民>の調査隊員として地球に降り立った少年、ロラン・セアック。地球人に混じって生活するのが任務だったロランは、ソシエとキエル姉妹と知り合い、彼女たちの父が経営するハイム鉱山で働くようになった。やがて二年が過ぎて、ロランはソシエとともに成人式の祭に参加することに。喜ぶロランだったが、その祭の日に街を襲った事件にロランは大きく巻き込まれていく・・・・・・。富野由悠季監督最新TVアニメ作品の小説化スタート!裏表紙より。
例の変なデザインで物議を醸した、みんな大好き∀ガンダムの小説版だよ!
ディアナの要求は相変わらず一方的で過酷で自分勝手で可愛らしく、口を差し挟む余地はなかったので選抜に手心を加えるしかなかった。
考慮すべきは我々の計画に要らざる者らの再帰還でしかないのだと予見する。冒頭は何者かの記録。
記録者・AM
すぐわかることだけど、『ディアナ』は<月の民>(ムーンレィス)の女王。
そのディアナについて『自虐的な〝悲しい病″を楽しむ』とか、
明らかに皮肉を込めて『可愛いディアナ』だのえらい否定的。
AM・・・一体何者ッパなんだ・・・。
一:実験
降下
『きみらの体の様子は、逐次こちらでモニターされる』
二年間もの間、体の中に忍ばされているらしい送信機からデータが送られる。
『献体養成研修の成果を発揮して・・・・・・無事、任務を果たすことを祈る』『献体』(『要は人体実験』)として月から地球へと送り込まれる少年少女たち。
その中に主人公ロラン・セアックの姿もありました。
コヨーテ『六倍の地』、地球に<月の民>が適応できるかの実験な訳っスな。
「僕らのデータが、地球に帰還する日を待っているみんなのために使われるんだ」
一緒に降りて来たキース、フランと別れ、ロランは歩き出し・・・
「ぼ、ぼくはお、おいしくないよ・・・・・・」た直後、コヨーテに襲われる。
「わーっ!」\(^o^)/
ロランが叫んだ。
<月の民>に地球の環境は厳しすぎたんや・・・。
∀ガンダム完!
遠目だったが、その人影が手に何かを構えていること、金色の髪が風に少し揺れているのだけは何となくわかった。いやー誰だか知らんが助かった。
誉めてつかわす。
河なんでそんなんが『宝物』なのかはそのうちわかる、はず。
・・・・・・金魚。
何千年も前の観賞用の魚・金魚を模した金属製のおもちゃ・・・・・・のレプリカだ。規則を犯してまで持ち込んだ宝物。
その宝物と一緒に河遊びに夢中になっていたら溺れる。
声が聞こえたと思う。C.E.73的に言えばラッキースケベってやつです、はい。
『ジェシカ! サムを下流から!』
何か白くて金色の・・・・・・美しいものも見えたように思える。
姉妹『流れてくる』の意味w
「余所者が流れてくることは珍しいことじゃないわ」
少し冷静な、少し冷たい感じの声。」
「裸でっていうのはないけどね」
こっちの声は面白がっている。
溺れたロランはハイム家の人々に助けられる。
月の女王ディアナと瓜二つの姉キエルと、元気娘の妹ソシエ。
この日はキエルが成人式の祭に参加する予定でありました。
祭『彼女たち』ですってよ。
この瞬間、キエルは一生に一度の祭・宵越しの祭の女王になった。
彼女が女王になれるのは、この時だけのはずだった。
ほんのささいな出来事のほんのささいな組み合わせが、彼女たちの生き方を変えてしまいさえしなければ。
一体誰のことなんかしらん。
二:順応あれから2年。
鉱山
「・・・・・・ロラン」
無骨な指先が工具を差し出した。「もう二年経つか・・・・・・」
ロランはハイム姉妹の父ディランが管理する鉱山で働いておりました。
・・・・・・グエン・サード・ラインフォード。この御曹司、何かに備えて『市民軍』(ミリシャ)を組織している模様。
年老いた祖父メッサー・ラインフォードに代わって、このイングレッサ領を治めるラインフォード家の御曹司。
その御曹司がー
「グエンさまがおまえの話を聞きつけてな・・・・・・」あらー親切なお人なのねー。
ディランがロランの肩をばんと叩いた。「勉強して大学にいかせるべきだと言うんだ」
御曹司の言葉で、ロランは鉱山労働者からハイム家の運転手見習いにジョブチェンジ。
本当に親切なお兄さんねー。
浮船
「ロランには、今年二年遅れの成人式に参加させようと思います」
ディランがグエンに誇らしげに言った。
成人式に参加できるということは・・・・・・。名実共にロランはビシニティの男、地球人として認められることを意味する。複雑な感銘が心に湧き起って、ロランは何も言えなくなった。これは嬉しいだろうなぁ。
余所者は珍しくないとはいっても、同じ<月の民>なんて近くにはいない訳だし。
めでたいのぅ、めでたいのぅ・・・
しかし若干面白くない人が1名。
どんなに勉強しても、大学に入っても・・・・・・。どこかの商人や役人と結婚することが女の生き方だと思われているのかも知れない。キエルはそんな気持ちになった。女性の社会的な立ち位置は一昔前を思わせる世界らしい。
この秋からノックスの大学に進むキエルのことより、運転手の見習いになったロランのことの方が一大事のような、その雰囲気が心にささくれをたたせた。
「縁があったな!」2年前にコヨーテからロランを助けたのは御曹司と判明。
グエンが感慨深げに言った。
なるほど昔から親切なお兄さんなんだなー。
再会運転手として働き始めたロランは、一緒に月から降りて来た仲間と再会。
「ちゃんと暮らしているようじゃないか」
キースはパン屋、フランは印刷工場でそれぞれ平穏に暮らしている模様。
「でも・・・・・・地球の歴史に月のこと一つも出てこないから変な感じ」※ロランたちは月にいたとき「二千年前に戦争があった」という教育を受けている。
「だろ?」
キースが言った。「月だけじゃないんだ。まるで、宇宙や月・・・・・・昔の戦争のこと、忘れてるみたいなんだ」
「大気圏突入可能なMS」を所有している月に比べ、
地球の技術は複葉機の最新モデルがどうこうというレベル。
果たして過去に何があったのか。
・・・いや、こまけぇこたぁいいんだよ!
月に吠えるところが「それ」はロランが思ってもみなかった形で現実となるのです・・・。
みんな!
地球はとってもいいところだぞ!
早く帰って来ーい!
三:接触御曹司とミリシャのミハエル大佐は何かが起こることを知ってる模様。
兆し
「パレードは急ぐことになった」
グエンが小声で告げた。「ついに招かれざる客がくる・・・・・・」
ロランの父親は、月の下級市民の常で〝育ての親"だった。ええっ、そんな冷めた感覚の持ち主だったのか
制度上義務としてロランを育て、中学を出ればお払い箱のように献体を勧めた。あわよくば出世して自分の収入に加算額を加え、失敗すればディアナさまから見舞金が出るはずだったからだ。
だからロランは親というものが事務的な利害関係でしかないと思っていた。何はともあれ養育してもらえる。それは子供として最低限度の生存という名の幸せだと割り切っていた。
・・・うーん、ロランの「親」が「特別残念な親」だったのか、
そういう部分も『月の下級市民の常』に含まれるのかでだいぶ話が変わってくる。
しかしソシエの父と会って驚いた。ディランさん、マジイクメン・・・いや、そんな安っぽいのじゃないな。
ソシエやキエルに対する愛情、厳しさ、おおらかさ。・・・・・・すべてが異質なまでに優しかった。
そして一介の使用人のロランにすら・・・・・・月では得られなかった保護者の温もりを与えてくれた。
父親が子育てでできることって、「育休何日取った」とか「家事の分担」とか、
そういうのとは次元の違うことがあるんじゃあないかなーと思う訳です。
最初に交流した地球人がハイム家の人々で、本当にラッキーだったよなぁロラン。
このパレードはある意味、グエンが自身に賭したものだった。
その時がくるまでに、在郷の義侠団や自警団、職にあぶれた荒くれ者たちを組織化できるかという掛けだった。
「実に堂々たるものではないか!」グエン@ONZOSHI
グエンは自分の勝利を称賛するように呟いた。
パレード大成功^^v#ミリシャ
そして『その時』はすぐそこまで迫っていたのです・・・。
ローラジョブチェンジの時は『通信教育講座を紹介』までしてくれていた御曹司、
ロランは開いた口がふさがらなくなった。
今度は『大学での上流階級の子息でも難しいイングレッサの行政府』にロランを勧誘。
いやーすっごく親切なお兄さんなんだね!ね!
「グエンさまはどうしてロランをローラと呼ぶんです?」・・・・・・?
園遊会を後にする三人を目で追っていたグエンにキエルが聞いた。
「・・・・・・そうだね」
グエンは苦笑した。「彼は・・・・・・ローラの方が似合うだろう?」
ちょっと何言ってるかわかんないっスねー。
ただ『三人を目で追っていた』が正確な表現ではないことはわかるよ、うん。
パートナー
ディランは末娘の成人式を感慨深げに見送った。
このまま使用人以外いない屋敷に戻って、一人静かに酒でも飲もう。この日のために、末娘と同い年のぶどう酒を大切に取ってある。イイ話ダナー・・・
ディランはそう思った。・・・・・・これが、その波瀾に富んだ人生の最後の夜となるとも知らずに。おい、やめろ。
・・・やめてくださいしんでしまいます
ムーンレィス健全な男女が2人きりだなんて!
パーティの喧騒を抜け出して、グエンはキエルを人けのない階へと案内した。
たぶんキエル嬢がついてきたのはローラの件があったからだと思います。
2人が辿り着いた部屋にあったのは・・・
「電線を使わないで通信ができる機械・・・・・・無線です」ナ、ナンダッテー!?
グエンがネクタイを外して言った。「ムーンレィスが二年前届けてきたものです」
「帰還・・・・・・いや入植したいと言うのです。だから、ミリシャを・・・・・・軍隊を結成しました」おおぅ、<月の民>は地球への適応実験と同時に地球人とそんな交渉をしていたのか。
「月から・・・・・・ですか?」
あまりの違和感に、自分の声すら風の中の幻聴に聞こえた。
「イングレッサだけではないんです。北アメリア大陸のサンベルト地帯をよこせと言ってきているのです」
2000年も交流が無かったのに、突然現れて領地よこせは無理だろjk・・・
空から来る・・・・・・『招かれざる客』の足音に聞き耳を立てた。言うてる間にもしや・・・
「急がなくっていいぞぉー!」ヒルを用いた聖痕の儀式に悪戦苦闘するロラン。
ソシエの剥き出しの肌を食い入るように眺めていた手合いが声をかけた。
ええい、ロランはいい!ソシエを映せ、ソシエの成長ぶりを!
遠くの街の微かな光の明滅に、誰もが目を細めて黙り込んだ。かくして平穏は破られる。
戦端ウォドム、襲来。
爆発の残照に照らしだされたその姿は、人形と呼ぶにはあまりに醜い、巨大な機械仕かけの悪夢の産物だった。
「なんだこいつらは! 正気なのか?」ディアナ・カウンターという軍隊はあったものの、
驚いたのは空に散ったヒップヘビーの操縦士らだけではなかった。その巨大な機械人形ウォドムを操るポゥ・エイジも戸惑った。
「なんて不愉快な連中なんだ・・・・・・」
実際のところ戦闘行為と呼べるものは小さな内乱程度しかなかった月。
ポゥはムーンレィス初の武力衝突の当事者となったのだ。第一陣を任されたあたり演習では優秀だったのかもしれないけど・・・。
ポゥのウォドムに攻撃するミリシャの飛行部隊。
特殊な装甲、超微細機械からなる主外殻《ナノスキン》はほとんどの種類の衝撃に対して、ナノ秒単位で修復再生を繰り返し、傷は深く達することは無い。HP+1000、装甲+200。
そんな訳で、ミリシャの飛行機なんて『相手にならない』はず、が。
しかしナノスキンの奥底に守られたポゥの心はそれほど強靭ではなかった。
理解を越えたものに対する不安・・・・・・。これが恐怖というものかも知れない。複座(4人乗り)の機体なんだから、せめて2人ずつ乗せておけばよかったんだよ・・・。
「蛮族がぁー!」
ポゥは自分の衝動を抑えきれなかった。
「ふざけるんじゃない!」ウォドムが放った『光の束』は、
ポゥは対艦共振粒子砲を起動した。
飛行機を、麦畑を、
貨車を、森を、
そして・・・(´;ω;`)ブワッ
初動ウォドムの砲撃に反応したかのように、
「ホワイトドール・・・・・・?」
ばらばらと崩れ落ちる石屑越しに、石像の顔のちょうど目のあたり、確かに赤い光が浮かんでいた。ぼんやりと、そして瞬くように明滅しどんどんその色を濃くしてゆく。
そしてホワイトドールは赤い瞳をがっと見開いた。
ロランにはそう思えた。
祭の場にあった石像『ホワイトドール』の封印が解かれる・・・!
ホワイトドールが咆哮した。ホワイトドール、大地に立つ・・・で1巻終了。
今日から∀ガンダム一気読みやるお( ^ω^)