先日国会で、安倍総理がイラク戦争について問われ、「大量破壊兵器がないことを証明しなかったサダム・フセインが悪い」というような趣旨の発言をした。
以前このブログで、ブッシュJr政権と安倍政権の類似点を指摘した(「頭の悪い政治家が国家を傾かせる」参照)が、今回の発言はまさに、この類似点をより明瞭にするものといえるだろう。以前の記事でも書いたように、「国連決議1441によって国連決議687が失効し国連決議678が復活し、イラク攻撃が認められる」というのは、相当に無理のある三段論法だ。多くの国際法学者がこれを批判したし、当のアメリカ自身が新たな決議案を用意しており、アメリカ側もその理屈に無理があると自覚していたのはあきらかである。しかし、イラク攻撃については反対意見も根強く、その新決議案を通すのは難しそうだった。そこで、過去の決議案を持ち出してきて、“解釈”によってイラク攻撃を正当化しようとしたのだった。こうして、イラク攻撃は強行された。その結果イラクがどうなったかは、周知のとおりだ。
やはり前にも書いたとおり、いまの安倍政権の姿は、イラク開戦にむかうブッシュJr政権とそっくりである。安倍総理らははじめ改憲を狙っていたが、そのために国会で三分の二を形成するのが難しそうだとなると、憲法96条を変えて改憲のハードルを下げようとした。それも批判を浴びたので、“解釈”で事実上の改憲を果たそうとしているわけである。そのやり方は、正面からの手続きをとることができそうにもないので、裏口を使ってイラク攻撃を開始したブッシュJrとそっくりだ。
ブッシュJrが国連の枠組みを無視してイラク攻撃に踏み切ろうとしたとき、国際法学者の多くが反対し、世界中で反対運動が起きた。これもまた前に書いたことだが、それはアラームなのである。国連の枠組みも、国際法学も、世界の安定した秩序を維持するという目的のために長い年月をかけて形成されてきたものだ。欠点もあろうし冗長な部分もあろうが「人間が作りうる仕組みのなかで比較すれば最善」という程度には正しい。だからこそ、それを破壊するような動きが起きればアラームが鳴り出すようになっている。しかし、国際法学者の批判というそのアラームをブッシュJrは無視した。そしてその結果、戦争で多くの死者を出した末にイラクは破綻国家となり、アメリカ自身も国力を低下させることになったのである。
ひるがえって、今の日本では9割以上の憲法学者が安倍政権の解釈変更を批判している。そして、憲法学者だけでなく、多くの学者たちが批判の声をあげ、一般市民の間でも抗議行動が広がっている。アラームががんがんに鳴りまくっているのである。これを無視してこのまま解釈改憲を強行すれば、誰にとっても不幸な結果を招くのは、歴史の教訓から明らかだろう。
以前このブログで、ブッシュJr政権と安倍政権の類似点を指摘した(「頭の悪い政治家が国家を傾かせる」参照)が、今回の発言はまさに、この類似点をより明瞭にするものといえるだろう。以前の記事でも書いたように、「国連決議1441によって国連決議687が失効し国連決議678が復活し、イラク攻撃が認められる」というのは、相当に無理のある三段論法だ。多くの国際法学者がこれを批判したし、当のアメリカ自身が新たな決議案を用意しており、アメリカ側もその理屈に無理があると自覚していたのはあきらかである。しかし、イラク攻撃については反対意見も根強く、その新決議案を通すのは難しそうだった。そこで、過去の決議案を持ち出してきて、“解釈”によってイラク攻撃を正当化しようとしたのだった。こうして、イラク攻撃は強行された。その結果イラクがどうなったかは、周知のとおりだ。
やはり前にも書いたとおり、いまの安倍政権の姿は、イラク開戦にむかうブッシュJr政権とそっくりである。安倍総理らははじめ改憲を狙っていたが、そのために国会で三分の二を形成するのが難しそうだとなると、憲法96条を変えて改憲のハードルを下げようとした。それも批判を浴びたので、“解釈”で事実上の改憲を果たそうとしているわけである。そのやり方は、正面からの手続きをとることができそうにもないので、裏口を使ってイラク攻撃を開始したブッシュJrとそっくりだ。
ブッシュJrが国連の枠組みを無視してイラク攻撃に踏み切ろうとしたとき、国際法学者の多くが反対し、世界中で反対運動が起きた。これもまた前に書いたことだが、それはアラームなのである。国連の枠組みも、国際法学も、世界の安定した秩序を維持するという目的のために長い年月をかけて形成されてきたものだ。欠点もあろうし冗長な部分もあろうが「人間が作りうる仕組みのなかで比較すれば最善」という程度には正しい。だからこそ、それを破壊するような動きが起きればアラームが鳴り出すようになっている。しかし、国際法学者の批判というそのアラームをブッシュJrは無視した。そしてその結果、戦争で多くの死者を出した末にイラクは破綻国家となり、アメリカ自身も国力を低下させることになったのである。
ひるがえって、今の日本では9割以上の憲法学者が安倍政権の解釈変更を批判している。そして、憲法学者だけでなく、多くの学者たちが批判の声をあげ、一般市民の間でも抗議行動が広がっている。アラームががんがんに鳴りまくっているのである。これを無視してこのまま解釈改憲を強行すれば、誰にとっても不幸な結果を招くのは、歴史の教訓から明らかだろう。