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ウメモドキ・3~雄花

 清水入緑地外周路の南端付近で見つけた「ウメモドキ(梅擬)」。モチノキ科モチノキ属の落葉低木で雌雄異株。写真は雄花で雄蕊の葯が割れて花粉を出している。ウメモドキはこれまで蓮生寺公園で見ていたが、ここにあるのは初めて知った。
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フタリシズカ・3~堀之内東山はぐくみの森緑地

 堀之内東山はぐくみの森緑地は新しく開発された住宅地の北側に残る森。まだ公園としての整備がほとんど行われていないため、森の中を“藪漕ぎ”しながら進まなければならない。半袖&ハーフパンツで汗まみれのランニングスタイル(画面右下段にある写真のような姿)では、やぶ蚊やマダニの攻撃が怖いが、この緑地内にはバアソブ、ジョウシュウカモメヅル、ホドイモを始めとして多くの植物が自生しており、公園管理者がそれらを守りながら整備してくれるというので、楽しみな場所ではある。この日はワニグチソウを探しに来たのだが、残念ながら行く手を藪に阻まれ見つけられなかった。写真は山道の脇に咲いていた「フタリシズカ(二人静)」。センリョウ科チャラン属の多年草で、2本の穂状花序を能の『二人静』の静御前とその亡霊が舞う姿に見立てている。
 さてAPG体系の続きだが、これまで編纂されてきた植物図鑑は、新エングラー体系やクロンキスト体系に基づき、最も原始的と考えられてきた科からより進化した科という順で並べられてきた。また単子葉植物は双子葉植物と区別されその後ろに並べられた。
 これに対してAPG体系では、基部被子植物(アンボレラ目、スイレン目、シキミ目など)、センリョウ類、モクレン類、単子葉植物、基部真正双子葉植物、中核真正双子葉植物(バラ類、キク類)という配列が提唱されている。新体系の一番初めはアンボレラ科だが、日本には自生しないので、日本産植物ではスイレン類が最初に配置されることになり、ジュンサイ科からスイレン科と続いていく。
 センリョウは基部被子植物から真正双子葉植物に進化する途中で、分化したもので、モクレン類や単子葉植物もこの段階で分化している。これは双子葉植物と単子葉植物が進化の初期に枝分かれしたものではなく、双子葉植物の進化の過程で単子葉植物が生まれたことを意味している。
 センリョウ類は、小型で少数の雄蕊と雌蕊しかない花を持ち最も原始的な花の候補のひとつであった植物群になる。
(伊藤元己・井鷺裕司著『新しい植物分類体系 APGでみる日本の植物』より一部引用)
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