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空回りするHIV対策

2006年07月12日 | その他
ここ最近、当院でHIV感染者が3例見つかりました。
1例は他の感染症も合併していました。

だいたい当院程度の規模でも、月に1人くらいのペースでHIV感染が見つかっていますが、最近は増えてきているような実感があります。

もちろんHIVに感染しないことは重要ですが、HIVやエイズに対する戦略がうまくいっていないのではないでしょうか。
今の啓発教育では「HIV=人生の終わり」のようなイメージがあり、可能性のある人ほど検査を避ける傾向にあるのではないかと思います。

私が所属している学会の機関紙に皮肉なことが書かれていました。
抜粋しますと、

「10代で妊娠した女性の調査成績の報道を例にとると、多くの注意事項をアピールしているとは思うが、避妊意識の徹底さえすれば、10代のSEXは良いという誤解を招きかねない」
「パンフレット類や通常の性教育でいくら注意喚起する努力を行っても効果が挙がらない」(あくまでも私の意見ではありません)

「カレシの元カノの元カレをしっていますか」
という有名な広告のコピー、何が言いたのか理解し難い。

若者が多い渋谷で開業しているシガナイ町医者からみると、一般の考えもわかるし、お偉い先生の言われることもわかるし、国家や各種団体の考えることもわかるが、それぞれ一致していないことが何とも皮肉に感じます。
私にはどれもこれも戦術論にしか過ぎないように感じます。
Comments (2)
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