今年五月、山本 作兵衛さんの画文集が、ユネスコの世界記憶遺産に登録されました。
七月、150点の図版とともに新装版「画文集・炭鉱(ヤマ)に生きる」と題して発売されました。 (講談社 1,700円)
明治、大正、昭和初期に日本経済を支えた過酷な炭鉱の仕事、
炭鉱で働く人々の生活を、ありのままとらえています。
男は刺青を入れ、半裸で石炭を掘ってます。
掘った石炭を箱に入れるのは、女の仕事でしょうか。
お風呂は男女共同で、頭を洗ってる人もいます。
五木寛之さんの小説「青春の門・第一部 筑豊編」を思い出します。
山本 作兵衛さんは七才から筑豊の炭鉱(ヤマ)に入り、五十余年働いて
六十過ぎから、まったくの独学で絵筆を取ります。
自分がこの記録を残さないと、すべてが忘れ去られてしまう、という思いでしょう。
この画文集が日本国内より、世界・ユネスコで評価された事に忸怩たる思いがあります。