先日、90代の男性をお看取りしました。
9月中旬に入院するまで、自立されていて、畑仕事などもされていたという事ですが、急に歩けなくなって食事もとらなくなったために入院、入院後点滴加療等で全身状態は改善したものの、食事を頑なに摂られなかったとの事でした。嚥下機能に問題はなくて、恣意的に食事を摂ることを拒否されているとしか思えないとの事でした。それで、抹消から一日2000mlの点滴を施行されて約一か月間生き延びて来られたのですが、退院に際してどう対応するかが問題でした。
点滴を抜去したら食事摂ってくれますよね?と、質問すると、頷かれはするのですが、約束、守ってくれそうにない感じがしました。
それで、入院主治医からCVポート設置しますかという案も出してもらったのですが・・・(CVポートと言うのは、「万能点滴基地」の様なものを体の一部に埋め込む装置の事です。それを埋め込むと、全く食べないでも長期に生き延びる事が可能です)ご家族(ご長男)が、そこまでするのは・・・と、言われて中止になりました。)
この時点で、私、この患者さん、自宅に帰られたら、点滴は拒否されて、食事もされないのではないかなと思い、「退院後、患者さんの希望通りにすると、急速に状態が悪化する可能性もありますよ」と言いました。
しかし、患者さんの希望は「何が何でも退院」でしたし、ご家族も患者さんん本人の希望に沿いたいとの事でしたので、退院していただくことにしました。
退院された日から、ご家族の希望で毎日訪問診療をしました。毎日訪問するのですが、毎日点滴は拒否されました。日に日に血圧は低下し、尿量も減少し、意識も悪くなり、起きておられる時間も短くなっていきました。それでも、そのように話を持って行っても、点滴施行に頷かれることはありませんでした。スポンジで口腔内を潤す事すら拒否されました。
古武士の様でした。
退院後10日ほど経った日、家人が少し目を離した隙に、息を引き取られていました。素敵な最後だと私は思うのですがいかが思われますか?
ちなみに、死因は老衰とさせていただきました。
深い信仰がおありだったとか?
人生の哲学を自分自身で貫かれたとか?
生前のお仕事は立派な指導者の御老人で
写経の台の前で、お座りになったまま
家人にも、部屋に入るなと命令して、
断食されて、自分の人生の幕引きは、
ご自分でされた身近な人が居ました。
お座りになったまま、、、硬直されて、、、
あとは、、、ご推察のとうりですが、
弘法大師様のようだと、深く深く、、、
手を合わせました。
ただ、、葬儀屋さんは容赦ないので、、、
側近は哀しいですよね。
死を受容されて、ご自分で
冥界に歩んでゆかれたようですね 合掌👋✋
医師というお立場の大変な総合力が試されるようで
普通の人には手におえない、、、ご最後だと思いますね。