湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

昨日の雨の日、部屋で。

2018-01-18 23:16:06 | ポエム
2人が逝った日は
それぞれが
寒々とはしていたけれど
冬晴れの青空が綺麗な日だった


29日目に
父に呼ばれたのか
旅立った母

そして
祭壇には
二つの遺骨と二つの遺影が並んだ


看取りは
それぞれの最期のドラマが存在する


祭壇に手を合わすと
そのワンシーン、ワンシーンが
浮かんできて
つむった瞼の内側に
涙がたくさん隠れ出て
目を開いた瞬間に次から次へ溢れ落ちていく


不思議なものね


思い描いた親の看取りは
後悔もなく
スッキリと
もうかなりの年だからと
合点して納得して
後は自分の楽しみを
考えることができるはずだった、、。



2人が居た部屋で
ふと目に止まった
うす紫のタオル


ベッドの縁に掛けてあったのを
手にしたとき
微かに残る匂いから
母のものだとわかったら
胸が潰れてしまうんじゃないかと
思うほどに
誰もいない部屋でひとり
大声を出して泣いていた


サッシの外を見ると
今日は
珍しく大雨で
シールドに覆われているかのよう


だから余計に
大声を出して
2人の名前を呼び続けても
これはここだけの
シールドに守られた部屋


泣いても泣いても
もう会えやしない


泣いても泣いても
もう話せやしない


それを
毎日毎日
性懲りもなく
確認しているはずなのに


この世に居なくなるということは
こういうこと


この世から消えてしまうということは
こんなことなんだって


探して探して
見つけようとして


けれど
見つかりっこなくて


だってね
心の声は聞こえてくるんだよ
居ないくせに


もう、いい加減に
泣き止んだらって


しょうがない子だねって
言ってるよね、きっと。



友達から聞いた話だと
数えて100日になる頃には
泣く事から卒業しないといけないらしい


じゃ、それまでは
泣いてもいいってことよね


旅立つほうも
そんなに泣かれちゃ
心配で旅立てないって?


100日、、、、。


頑張ってみるね。