雲からはぐれた雨粒ひとつ
私の頬に落ちてきた
地面ばかりを眺めていたから
その頬の水滴は
ポロリと土へと帰っていった
私は空を見上げたけれど
思い当たる雲などなくて
探せども探せども
遠くに見える雲ばかり
はらはらと
一粒の涙は
二粒の涙を連れてきた
二粒の涙は
沢山の涙を連れてやってきた
私はただ
あのしわがれたカサカサの
大きな手を思い出しただけなのに
最後の最後まで
繋いで離さなかった大きな手のひら
なんてことはない
ただ思い出しただけなのに
もう二度とその手のひらと
重ね合わすことはできない
昔々
船を操っていたせいか
雲の流れでお天気を読むのが得意だった人のこと
私の頬に落ちてきた
地面ばかりを眺めていたから
その頬の水滴は
ポロリと土へと帰っていった
私は空を見上げたけれど
思い当たる雲などなくて
探せども探せども
遠くに見える雲ばかり
はらはらと
一粒の涙は
二粒の涙を連れてきた
二粒の涙は
沢山の涙を連れてやってきた
私はただ
あのしわがれたカサカサの
大きな手を思い出しただけなのに
最後の最後まで
繋いで離さなかった大きな手のひら
なんてことはない
ただ思い出しただけなのに
もう二度とその手のひらと
重ね合わすことはできない
昔々
船を操っていたせいか
雲の流れでお天気を読むのが得意だった人のこと