湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

京都2日目

2019-09-11 09:18:00 | 旅行
冷房が少し私にはキツすぎた朝の目覚め。

涼しいほどにも限度がある

相方は
朝早くに走るんだと出て行ったきり

一人で上掛けをクルクル足に丸めて
二個ある枕を一つ抱えてた

カーテンを開けるとそこは
朝だと言うのに
もう日差しは眩しかった

そうだ!
台風はどこに行った?
京都に来る直前まで
新しく発生した台風15号の行方ばかりを気にしていた

スマホを開けて
やや北に傾いていく、いくつもの円を眺めていた

私はここにいるよ
そっちに行くの?
そっちは、私の家の方角なのに

こちらを晴れにしてくれたのね

だけれど
もっともっと右のほうに曲がれ!
願いつつ
軽いシャワーを浴びた

クーラーで冷えた体には
少しの温水だけでも熱く感じる

今日は
大阪から私の従姉妹が
会いに来てくれるので
ランチを川床料理に行こうと約束してある

少し急かされてる気持ちのまま
朝ランから帰ってシャワーを浴びた相方と朝食のイタリアンレストランに行った

最近のホテルの朝食は
ビッフェスタイルが多い
ここ京都では
朝ごはんだけを提供する店も増えて
ホテルは、素泊まりだと言う人もいる中、朝から出歩く気も起きなくて
そのままホテルでの朝食が
私にはお気に入りとなっている


軽い気持ちと急かされてる気持ちで
ビッフェの数々の惣菜、サラダ
飲み物を繰り広げられてる場所に立ったら
さっきまでの自分の気持ちが
全て打ち壊された


京漬物、おばんざいの品数に
目を奪われてしまった

『何食べよ、好きなものばかり』




とりあえず、とりあえずと
独り言のように取り込んだものは
やはり半分が京漬物
半分が、おばんざい

万願寺とうがらしとジャコの炊いたの
賀茂茄子の炊いたの
かぼちゃの漬物
千枚漬け

フルーツウォーターには
グレープフルーツにリンゴ酢が少し入っているのか
朝はスッキリと喉越しが良い

あとから
お抹茶を点てるコーナーで
おうすを飲むつもりが
もう、これだけでお腹はいっぱい

ビッフェに行くと
いつも思う
もっと食べたい
あれもこれも、、、。
自分のお腹と相談するのはやめにして、別腹の別腹が開いてはくれないかと思ってしまう。


朝、娘と婚約者が
時間より早めに迎えにきた

川床料理の前に
世界遺産の二条城に行きましょうと。

歩くこと15分

高校時代の卒業旅行の時に
行きそびれてしまったままの
二条城を目の前にした


大政奉還が会議された場所
黒書院の数々
見事な装飾の葵の御紋
ハスの花の欄間
部屋の襖絵は侍の位ごとに絵図が変わっていく

写真が撮れないことにイライラするが仕方のないこと
外観だけを残すことにした














見事な石垣
掘りの中の緑の水の中の大きな鯉達

なぜか
故郷、和歌山城を思い出しながら歩いていた


お寺やお宮さんには御朱印がある。

お城には『御城印』と呼ばれるものがある。
私は御朱印帳しかなく、
一緒に書いて頂くには、趣旨が違うため、今回は諦めたが
娘達はこれから2人で歩んでいく夫婦の趣味として、お城の御城印を集めていくのだそうだ。

程なく
従姉妹達と合流する時間が来て
待ち合わせの場所へ移動した

久しぶりの再会
尽きない話

川床料理の料理屋さんから
出向いてきたマイクロバスに
話しながら乗り込んで行く

私と従姉妹達親子との会話に
娘も婚約者も、
うちの相方さえ話に入る隙がないほど関西弁が、炸裂していく

マイクロバスは、
嵐山の奥へ奥へ
高雄の山々をすり抜けて
あっという間に到着した

ここはまた別世界だった











昔、この上から見下ろした
高雄パークウェイを秋の紅葉の頃だった

今は青々した紅葉が
残暑の強烈な燃え残りの光に照らされながら
透けて、塊になった影が
涼を運んでくれていた

これが
川床料理の醍醐味
風流な京の遊びのひとつ
一通りのコース料理をいただく

美味しいものを目の前にすると
うなり、黙り、喋る

皆を巻き込みながら
笑いあいながら
私と従姉妹の昔話が繰り広げられて
相方も娘も知らなかった幼い頃の私の姿に思いを馳せているようだった

従姉妹が話す私の話
私が話す従姉妹の話

従姉妹の娘は目を丸くしながら聞いていた

不思議なもので
真実は当の本人より
ほかの人から聞くことにより
より真実味が増す

私が両親を亡くして
私の幼い頃を知る人は
一番近い場所にいた、この従姉妹だけになってしまったことが
より愛おしさを募らせていく

従姉妹も
年老いていく従姉妹の母と
色んなものを重ね合わせ
ゆくゆくの姿を私に見ていたのだろう

もう、互いに自分の幼い頃を知る人物が
この世から一人二人と去っていくこと。
残された自分達は
親達のいにしえで繋がっていることに感謝しょうと語り合った


次第に
昔話を聞き飽きた若者達は
清流に足をつけて
小さな子供のように遊び始めた


時間が来て
また、マイクロバスに乗り込み
途中で下車させてもらった

向かうは嵐山
そして
ここにも、昔、行きそびれてしまったままになっていた天龍寺へ



天井一面に龍がいる

どこをどう歩いても
睨み続けてくる龍の目
『睨み龍』
怖くはないが、その大迫力の大きさに息をのむ

上を見上げたまま
口を開けたまま
無言になる

ここも撮影は許可されていない

(パンフレットより)




そして
お決まりの渡月橋を渡り
従姉妹達を駅まで送り
自分達もホテルの途についた


嵐山の辺りはすっかり様変わりしたけれど
渡月橋から見た川の風景は昔のままだった





夕方に差し掛かっているものの
暑すぎて汗が止まらなかった



軽い夕飯のあと
ホテルの最上階の温泉に入り
スパ・ラウンジで
柚子酢の水割りを飲んだ


疲れと懐かしさ
きっと今日のことは
ずっと、先にまで思い出と残ることだろう


至福のこの時
有り難さ、幸せな時間


次の日が
長い怒涛の一日になるとは
この時、予想もしていなかった。













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