不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

友達が牙をむいた(2)

2018-01-23 09:42:48 | 日記
「なくしたお金はお母さんがあげるよ」

お金がなくてイベントにも行けないのではあまりに息子が不憫で、私は1万円をあげました。
けれどイベントの当日、息子は「起こしてね」と言った時間に
いくら起こしても起きられませんでした。

学校に行かなければならない時間に、どうしても起きられなかったように……。

それでも私はユウト君を信じていました。

ユウト君が息子のお金を取るはずがない。

ユウト君は息子が一番気を許していた友達でした。
すぐ近くに住んでいるので、小さな頃から知っていて、小学校に入ってからは毎日同じ通学班で学校に通いました。

小学生の頃は毎日のように近くの公園やお互いの家で遊んでいましたが、
中学に入ってからはそれぞれ部活があるので放課後遊ぶことはほとんどなくなりました。
ユウト君の入ったテニス部は朝練があるので、通学も別々になりましたが、相変わらず仲は良かったようです。

1年の時は同じクラスで、2年になってからもテスト期間など朝練のない日は一緒に通学していました。
親御さんとも地域のつながりでよく知っている仲でした。

(ショウタ君と二人で来た時にお金がなくなると言っていた。こんなことをするのはショウタ君では?)

人当たりのいいユウト君と違って、ショウタ君はやんちゃなところのある子です。
近所に住んでいますが、息子が不登校になるまで家に遊びに来たことはなく、最近になってユウト君が連れてきた子でした。

次の日の放課後、ショウタ君が珍しく一人で遊びに来ました。

「B君、いますか」

「今、寝てるので」
私はわざと丁寧な口調で言いました。

不登校の友達の家を親切にわざわざ訪ねてきてやったというように満面の笑みを浮かべているショウタ君の顔を、
私は黙ってじろじろ見つめました。

やましいところがあるなら、疑われているということがこれで十分伝わるはずだ。

これで来なくなるようならショウタ君が犯人だったのだろうし、
これ以上の被害がなければ盗まれたお金のことは諦めようと思いました。


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