私が疑わしそうな顔をしているのを見て、ショウタ君はとりつくろうような笑いを浮かべながら帰っていきました。
私はホッとしました。
息子のお金を取ったのは、やっぱりショウタ君だったんだ……。
ところが、しばらくするとショウタ君は、今度はユウトを連れてやってきました。
今度はユウト君があの変なニヤニヤ笑いを浮かべながら
「B君いますか?」
と猫なで声で聞くのです。
「さっき寝てたんだけど……」
私はユウト君にはどんな態度を取っていいのかよく分からずに口ごもって、
とりあえず息子の部屋に様子を見に行きました。息子はもう起きていました。
「ユウト君とショウタ君、来たけど」
「ああ」
息子はこともなげにうなずきます。
(家に上げていいのかな?)
私は心配になって、
「外で遊ぶ?」
と聞きました。
「うん」
息子は気負った様子もなく立ち上がりました。
ところが玄関へ向かうと、
「お邪魔しまーす」
と言いながら二人がもう上がり込んできました。
それは珍しいことではなかったのです。ユウト君はいつも自分の家のように我が家に出入りしていたのですから。
そのユウト君が連れてきたので、ショウタ君も最近は気軽にうちに上がり込んでいました。
「今日は外で遊べば?」
私はおずおずと言いましたが、
「まあまあ、まあまあ」
二人はへらへら笑いながら、戸惑う息子の背中を押すようにして息子の部屋へ入っていきました。
しばらくして二人が笑い合いながら出ていくと、息子が私のところに一万円札を持ってきて差し出しました。
「どうしたの、これ。あの子たちが返してきたの?」
と聞きましたが、息子は何も答えませんでした。
(やっぱり、ユウト君もグルだったんだ!)
とてもショックでした。
学校に行けなくなった息子は、もうユウト君にとっては仲間ではなく、見下していい存在だったのです。
かばってくれる仲間ももういない息子をどんなに踏みにじっても、それは愉快な武勇伝にしかならないのでしょうか。
それとも、不登校児と遊んでやるのだからお金をもらうくらい当然だ、ありがたく思えとでも言うのでしょうか。
親同士も知っている家でお金を盗んでいっても、大目に見られると思うほど……。
息子の傷をえぐるのが怖くて、また私自身も深く傷付いて、私は息子にそれ以上何も聞けませんでした。
私はホッとしました。
息子のお金を取ったのは、やっぱりショウタ君だったんだ……。
ところが、しばらくするとショウタ君は、今度はユウトを連れてやってきました。
今度はユウト君があの変なニヤニヤ笑いを浮かべながら
「B君いますか?」
と猫なで声で聞くのです。
「さっき寝てたんだけど……」
私はユウト君にはどんな態度を取っていいのかよく分からずに口ごもって、
とりあえず息子の部屋に様子を見に行きました。息子はもう起きていました。
「ユウト君とショウタ君、来たけど」
「ああ」
息子はこともなげにうなずきます。
(家に上げていいのかな?)
私は心配になって、
「外で遊ぶ?」
と聞きました。
「うん」
息子は気負った様子もなく立ち上がりました。
ところが玄関へ向かうと、
「お邪魔しまーす」
と言いながら二人がもう上がり込んできました。
それは珍しいことではなかったのです。ユウト君はいつも自分の家のように我が家に出入りしていたのですから。
そのユウト君が連れてきたので、ショウタ君も最近は気軽にうちに上がり込んでいました。
「今日は外で遊べば?」
私はおずおずと言いましたが、
「まあまあ、まあまあ」
二人はへらへら笑いながら、戸惑う息子の背中を押すようにして息子の部屋へ入っていきました。
しばらくして二人が笑い合いながら出ていくと、息子が私のところに一万円札を持ってきて差し出しました。
「どうしたの、これ。あの子たちが返してきたの?」
と聞きましたが、息子は何も答えませんでした。
(やっぱり、ユウト君もグルだったんだ!)
とてもショックでした。
学校に行けなくなった息子は、もうユウト君にとっては仲間ではなく、見下していい存在だったのです。
かばってくれる仲間ももういない息子をどんなに踏みにじっても、それは愉快な武勇伝にしかならないのでしょうか。
それとも、不登校児と遊んでやるのだからお金をもらうくらい当然だ、ありがたく思えとでも言うのでしょうか。
親同士も知っている家でお金を盗んでいっても、大目に見られると思うほど……。
息子の傷をえぐるのが怖くて、また私自身も深く傷付いて、私は息子にそれ以上何も聞けませんでした。
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