不登校の息子とビョーキの母

不登校の息子との現在、統合失調症の母との過去

学校適応指導教室へ

2018-02-07 09:59:58 | 日記
「友達にお金を取られたこと、学校に言ってみる?」

このまま泣き寝入りしたのでは息子が悔しいだろうと思って、私はそう聞きました。

息子はぶっきらぼうに
「盗ってないって言うんだから、盗ってないんだろ」
と言いました。

盗まれたといっても決定的な証拠があるわけではなく、ただ息子が
「二人が来た後に何度かお金がなくなった」と言っているだけです。

最後の一回の分はどうやら返してくれて、ふざけて持ち帰ったとでも言われたのか、
息子も言いくるめられてしまった様子です。

ユウト君たちがシラを切ったら私ももう何も言えないし、ご近所とも気まずくなってしまう。

告げ口を恨んで、息子に何か仕返ししてくるかもしれない。

そこまでしなくても息子のいない教室で、自分を正当化するために、
事実を都合よくねじまげた言い訳を言いふらすくらいはするでしょう。

「盗ってないのに、恩を仇で返されたよ。あんな家、みんなももう行かないほうがいいよ」とか。
息子にはもうかばってくれる仲間もいないのに。

そうなったら息子は、今まで同情してくれた子にまで、白い目で見られるようになるかもしれない。
「誰からも嫌われたことがない」と豪語する、社交性のかたまりのようなユウト君の言葉と不登校の息子の話、
どっちをクラスメイトが信じるかは火を見るより明らかでしょう。

そして息子は、大事な友達と決定的に気まずくなってしまう……
いいえ、大事な友達だと思っているのは、息子のほうだけだろうけれど。

きっと私たちは、今よりもっと孤立する。
この家は持ち家だし、引っ越すような余裕もなく、この狭い町でこれからも生きていかなければならないのに……

数日間、よく眠れない日が続きました。

そんなある日、学校適応指導教室というところから相談員が訪ねてきました。

不登校の子供の家を定期的に訪問している人で、以前にも息子の近況を聞かれたことがありました。
その時は友達が来てくれるので生活のリズムを取り戻し、高校には進学できそうだと話してありました。

「最近どうですか、B君は」
「ちょっと友達といろいろありまして、また朝起きられなくなって……」
通りすがりに近所の人の耳にでも入ったらまずいと思い、私は言葉を濁しました。

「ここではちょっと話せないんですが、今度センターに相談にうかがってもいいですか」
私は久しぶりに相談機関に足を運ぶ決心をしました。



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