暑い夏には熱い鍋、って
ものすごい闘争心
鶏に渡り蟹、あらゆるアラで
取ったお出汁にゴーヤとパクチー
いったいどこまでやる気やねん
今夜の大将は
どーん、とちゃぶ台に置かれた
丼いっぱいのすり身は
刺身でも行けちゃう新鮮なサンマを
たっぷり4匹たたいたやつ
そこにスプーンが2本刺さってる
今月から客人も参加型のちゃぶ台カフェ
スプーンを操り鍋にすり身を
ポンポン放り込むお嬢さんを見てたら
はるか昔、ジャカルタの日本料理店で
見た光景を思いだす
社会人2年目のひよこ女子SEを
変な食いもんで体調崩させたり
するわけにいかない受け入れ先の社長
ランチによく行ったのは
なぜかテナガ猿を眺めながらの食事が人気の
イタリアンか
ゴルフ場併設のレストラン
そしてあの日本料理店
若い現地の女の子が
つんつるてんでぺらぺらの浴衣を着て
サーブしてくれる
定番のメニューは鶏たたき鍋
鶏肉のすり身を目の前で
煮えたぎる鍋の中にスプーンで落とす
右手のスプーンですくい
左手のスプーンでそれをすくい直すと
なんとなく楕円になるすり身
女の子は執念でそれを何度も何度も繰り返し
キレイな楕円になったところでやっと投入
食べられるようになるまで
気が遠くなるほどの時間がかかった
タイトなスケジュールに追われてた私は
別に袋パンでいいのにとイラついてた
最初に渡されるおしぼりに
ありえない量の香料がまぶしてあるのも
気に入らなかった
なんとまあ鼻持ちならないガキだったんだろう
新鮮サンマのつみれは
ふわふわで旨みたっぷり
おなかの底からエネルギーが
湧き上がってくる感じ
去年のツールド東北で
女川エイドステーションで
振る舞われた女川汁もサンマのつみれだった
野性味溢れる深い味わいで
ヘロヘロだった私を
またチャリに乗る気にさせてくれた
たたいて混ぜて丸めて煮て
手間をかけるということは
思いを込めるということ
きちんと受け取れる自分に
少しは、なれたんだろうか
大将、奥さま、
今夜もごちそうさまでした
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