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まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

絵画展

2012-05-02 07:01:15 | 日記
新国立美術館はオープンして5年目を迎えるそうで
その記念イベント「セザンヌ展」に行ってきた

乃木坂駅から直結のエントランス




建物のデザインは黒川紀章さん



浮かび上がる宇宙船のようなカフェ
満杯で入れず・・・

しかたないので地下のカフェテリアへ



お皿なんかもいちいちおしゃれだし
そこらじゅうにウェグナーの椅子がばらまかれてるのがすごい

セザンヌのパパは成功した銀行家だったそうで
初期の絵にはリッチな生活がかいまみえる
絵の具もものすごい厚塗りで立体画のよう

壁画の4部作「四季」
それぞれのシーズンをイメージした女性が描かれているのだが
なんというか、顔や手や体のバランスがひどく悪い
へ、ヘタなんじゃないだろうか・・・

南フランスの眩しい光や木々の緑、赤茶色の大地の風景画は
とても美しいと思った
構成力に優れたひとだったと説明にも書いてある

一枚だけある自画像
「も、もうちょっといいオトコに描けなかったのかな」ムスメ
ううむ。。。正直だったんだろう。。。

いちばん好きなのは庭師を描いた絵
暗い色の作業服を着て帽子をかぶっており
少しだけ戸惑うようなはにかむような様子が見え
無骨な手や顎のラインに実直さがあらわれている

このテヴィエさんという庭師の絵を、セザンヌは何枚か描いている
とても身近な心許せるひとだったのだろう
セザンヌが雷に打たれるという事故のあと、
助けて家に運んでくれたのも彼だ
セザンヌはその後、テヴィエさんの絵を描いている途中で
まもなく亡くなった
どの絵が絶筆となるのかは、わかっていない

静物画
「セザンヌってりんご好きだったのね」ムスメ
「おいしいからなー」だんなさま
そ、そういうことなのか?

とおもったら、お土産屋さんにはりんごモチーフがたくさんあって
それで正解だったらしい

アトリエを再現したブースや
絵の中に描かれた花瓶や食器の実物、
使っていたパレットなどもあって
100年前の画家の存在をリアルに感じることができた

絵画にべつだん詳しいわけでも絵が描けるわけでもないが
展示を観にゆき、その人のことを知り
好意や敵意のような感情を抱いて
あらためて観る絵の印象がじぶんのなかで少し変わるのが
おもしろいから、行くんだろうな わたし


スクールカフェ試作その1「ニューヨークチーズケーキ」

2012-05-01 22:46:42 | お菓子作り
お菓子教室のお誕生日イベントで
一日限定のカフェを開く

企画、製作、運営を
中・高生の生徒有志でとりしきる

太っ腹な先生の指令はただひとつ
「赤ださない。」

今年で4回目の参加となるムスメ
コウハイちゃんを育てるという
ミッションも自らに課して
がんばっている
が、いかんせんポーカーフェイスなので
よくわからない・・・

文化祭のノリで首をつっこみたがるわたしも
適当にあしらいうまく使うムスメ
それにしてもあんまり情報が降りてこないので

よし、試作しようっと と勝手にはじめてみた
あ、わたしも一緒にやるよ、と
時計をちら見しながらムスメも参戦

クッキー台は本当はグラハムクラッカーを砕いて作るが省略

「チーズケーキがいちばんシンプルなんだよね」とムスメ

確かに、チーズにお砂糖、卵、ヨーグルト、粉を混ぜるだけ
焼成に時間かかるがそれはまあオーブンの仕事だし



焼きたてのふわっととろける食感も捨てがたいが
冷蔵庫でひんやりしっとりさせるのも大好き

あれ?試作?
ただ食べたいだけになってないかじぶん?

明日はさつまいものパイを作るので
フィリングを途中まで仕込み
この気温で生地がどこまで手早くできるか・・・

記憶のねつ造

2012-05-01 21:56:40 | 読書
こどものころ入り浸っていた
近所のちいさな児童図書館で
何度も手に取っては眺めていた本がアル

イラストが毒々しいのと
主人公がイケてないのが
とても印象的だった
好きだったか、と聞かれると
好きじゃなかった
ただ、どうしようもない引力を持っていた

なんとなく、自宅に借り出して持ち帰るのが
はばかられ
館内の片隅でひっそり読んでいた

先日、なにかの拍子にふと思い出し
もう一度読んでみたいと思ったが
タイトルも作者も覚えておらず
断片的ストーリィと、主人公の名前だけが
記憶に残っているのみ

こんなんじゃ探せないよな、と諦め半分で
ネットをふらふらしていたら
連想検索、というサイトに突き当たった

ええい、だめもとだ

「フトシ」「おねしょ」「人形」
単語を3つ並べて 検索ボタンをクリック

・・・・あ。
これだ・・・!!

タイトル「ドコカの国にようこそ!」
作者「大海 赫」

ついで、アマゾンで検索
残念ながら新書はすでに販売されておらず
中古品を注文

こうして、30年以上の空白を経て
再会を果たしたのだった
本の扉を開けるとき、こんなにどきどきするのは
いったいいつ以来のことだろうか

作者の大海さんはとても変わった経歴の持ち主で
ダイガクで心理学を学んだ後
学習塾を営むかたわらイラストレーターの仕事をし
ついでに児童書を書き始めたのだそうだ
わたしが「毒々しい」とこどものころに感じた絵は
今みるととてもスタイリッシュでサイケデリック
特に「吐き気がするほど汚い人形」だと記憶していた
アヤのデザインは、ちょっとパンクっぽいけれど
とてもかっこいい

ストーリィも覚えていたのとだいぶ違うし
もっとも違っていたのはエンディング
(いったいなにを読んでいたのだろう?)

いちばん困ったのは、文章がまったく古びておらず
ノスタルジイにひたる隙もないこと
ただ、不思議だなあ、、、、と
そわそわする思いで読み終えた

こどものわたしが読みたいように読んだストーリィ
それはそれでよかったのだけど
大人になっておなじ本を
まったく違う印象で読むことができるのは
なんだかおもしろくてちょっとだけこわい