世の中そんなに甘くは無いよ!
62年生きてきて学んだことです。
どんな世界でも甘くは無いよ。
そこで務まらなければどこへ行ってもダメだと思うのだ。
私は大昔、些細な失敗が元で辞めた。
謝罪しても怒られると思ったのだ。
当然のことだと!
怒られるのを恐れて、嘘をついて辞めた。
些細なミスだった。
いやいや大きなミスだったかも知れない。
親に勘当されての仕事だった。
仕事に行ったはいいが、現実は想像と違った仕事が待っていたのだ。
住み込みの仕事だった。
連日夜に一人の部屋でホームシックになって泣いた。
私は子供だったのだ。
年は二十歳になっていた。
年は二十歳でも子供だったのだ。
思った職種と違う仕事をする羽目になり、馴れない仕事に、初めての仕事に、初めて親元を離れた寂しさに泣いた。
かばってくれる人などいなかった。
ある時一つ仕事を終えて、休んでいたら主が帰ってきてひどく怒られた。
殴られたかも知れない?
何度も謝罪し、辛かった。
とにかく思っていたような仕事では無かったのだ。
朝から晩まで働くのだ。
8時間労働等ではなかった。
主が留守の時間を見計らって休憩を取る。
馴れない初めての仕事に努力はしたが、何せ二十歳だ。
無理なのだ。
ちょっとした失敗で、私はそれを隠して嘘をついて辞めた。
その時の主は未だに生きている。
老人になったが生きている。
今となってはその仕事を辞めて良かったと思う。
嘘をついて辞めて良かったと思う。
どっちみちバレるのだ。
私はわずか1ヶ月と1週間で辞めた。
その間休みは1日しか無かったのだ。
たった1日の休みと給料は些少だった。8時間労働では無く、週休2日でも無く、たった1日だけの休みに、連日のホームシックに、ちょっとした失敗をして辞めた。
辞めるときに雇い主の主から些少の給料をもらって、勘当された実家に帰ったのである。
他人の飯を食う。
これは二十歳の小娘には如何せん辛かったのだ。
他人の飯を食うなら心して食わねばならないと言うことをそこで私は学んだのだ。