今生今世~KENNYasia

ミニシアター系映画、お店周りの雑感、アジア旅雑記など

パラサイト半地下の家族

2020-02-18 00:57:04 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
「匂い」とは肯定的でも否定的でも、個人の記憶に最も印象深いものである。

前半の次々と獲物をハメていくカッコよさは「オーシャンズ11」のようであり、大雨降る夜、濁流とともにずぶ濡れになりながら階段を駆け落ちていくさまは「ジョーカー」の階段よりも象徴的なワンシーンだった。そして、格差を隔へる「匂い」が最終章の惨劇の引き金になってしまう。
韓国映画はあまり見ないが、ソン・ガンホだけは別格、彼の出演映画にはハズレないのが今回も証明された。ラストシーンに、「地下室のメロディ」のアラン・ドロンの悲哀を思い思いおこさせ辛かった。アカデミー賞おめでとう。


九人の翻訳家

2020-02-01 12:00:00 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
人生の勝ち組だったはずなのに....追い詰められる男は被害者?それとも容疑者?
最後の最後に明かされる驚愕の真実。
地下に閉じ込めれた翻訳者たちの心理戦。
ミステリー好きにはぜひおすすめ。 #9人の翻訳家

1月31日(日本時間2月1日)、イギリス連邦・UKがEUから脱退したその日。
なんともEUのいまを描いたヨーロッパ映画を見た。
死者まで出た極限状況下、翻訳者達は、フランス語(原作本)以外の言語を駆使し、敵を欺き意思を疎通させるシーン。最も売上が悪いギリシャから葬る等ブラックジョークも出て、どきどきが最高潮に。英語スペイン語中国語ギリシャ語ドイツ語ポルトガル語…彼らは語学のプロであり、隣国の言葉は話せて当然のユーロ人なのだ。

本作では仲間とトリックが描かれるが、現実社会のユーロは揺れている。

九人の翻訳家 Les traducteurs / The Translators  /2019/フランス・ベルギー
監督/脚本:ロジス・ロワンサル Regis Roinsard
脚本:ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン



2019ベスト9映画と見逃し映画

2020-01-16 22:10:20 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
アカデミー賞ノミネートも発表されたし、2019年振り返ってのBest9
#2019movie
毎年3月後半から4月はオスカー賞関連作品ばかりで悩ましいのだが、Green Book,ROMA,MULE(運び屋)が秀逸だった。

マレーシアのヤスミン・アフマド監督の長編作品が特集上映されホンマにうれしい。感謝します。シンガポール映画・インドネシア映画も一本ずつみた。

ヨーロッパの不朽の名作ヴィスコンティの『山猫』ではアラン・ドロンの妖艶さに惚れ惚れし、一方スペイン映画『誰もが知っている』は途中で誰が”嘘つき”が判ってしまいちょっと残念。『暗殺の森』『バニシング』も旧作ながらハラハラさせられた。

華流映画は『誰がための日々』『象は静かに座っている』が心に残った。金城武くんの「クロッシング」は話としてはあかんかったなぁ。

インド映画は一般公開6作を含め全10作品と結構見たのだが、昨年に比べ小粒だった。一番お気に入りは「Sir:あなたの名前を呼べたなら」
惜しかったのはアーミル・カーンの「シークレットスーパースター」。『ダンガル』が全インド国民(たぶん)拍手喝采だったのに比べ、アーミル魅力が半減、しかしエンドクレジットでは大興奮だった。エンドクレジットつながりでは『サンジュ』のご本人登場も渋カッコよかった。『ロボット2.0』では、さすがのラジニカーント様もお年を召されたなぁ、としみじみ。一方、『盲目のメロディ』インド人は全員信用できねぇ!のお約束通り、医者も警官も子供ですら騙しあいと殺し合いの連続、二転三転する脚本がうまく練られており上手い、口こみヒットしたのはよかった。


さて、2020年もすばらしい映画に出会えますように。

当ブログは2020年1月25日にて閉鎖となります。今まで雑記にお付き合いくださりありがとうございました。




アジア映画2019 華流編

2019-12-24 08:19:19 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
12月だから映画感想まとめ

#象は静かに座っている
すべて死に向かっている。この状況から抜け出すには死ぬしか無い..とバスに乗り合わせる老若男女。監督の自死を予感させる刹那感が浮遊していた。234分はドラマに必要であり、まったく長く感じなかった。低温なのに質感あふれ美しい一編であった。

大象席地而坐 2018 中国
監督・脚本:胡波 フーボー




帰れない二人

初見、ジャ・ジャンク監督作品。
時間は残酷だ。誰もが昔には帰れない。あ近くて遠い男女の漂う姿、江湖の流されていく水が中国歴史を象徴的に表現していた。はすっぱ若い女から悲しみ降り積もった中年女まで演じ分けた悲哀のチャオタオ、記憶に留めておきたい。

帰れない二人 江湖儿女(中国-フランス)2018
監督・脚本:ジャ・ジャンク
撮影:エリック・ゴーティエ
出演:?濤チャオタオ、リャオファン廖凡


同じく1組の男女を青春から中年まで時間軸で描いた芳華(2017) こちらは軍歌劇団の青春群像は素晴らしいのだが、後半の戦地シーン等が残念だった。彼国的には大事なシーンなんだろうなぁ。

KENNYasia営業時間が変わりました。
毎日ディナー午後4時から21時 21時以降はバータイム翌ラストまで


☆年末年始のカレンダー☆
12月30日Mon Dinner最終営業16:00-20:00 ただし売切御免
12月31日Tue Barのみ ☆オールナイト営業☆ 体力の限界まで
2020年1月1日Wed・2日Thu・3日Fri Barのみ営業
1月4日Sat ・5日Sun・6日Mon Dinner16:00-21:00,Bar営業はありません

年末年始は食材入荷が少なくなるため、フルメニューはできません。ご了承ください


インド大映画祭 三作品

2019-09-17 09:30:38 | 電影Movie/音楽Music/芸術Art
名前を間違えました。ヴィクラムおよびヴィジャイ双方のファンの方、申し訳ありません。加筆し訂正しました。(9/19修正)


”独断と偏見にまみれた”上映作品...さすが!
ヒンディー語以外にもいい作品いい役者がぞくぞくいたなんて。映画最大人口(たぶん)にして最強国インド。 これからもついていきます

クロかシロか!? 悪か善か? 左か右か? 
警察官ヴィクラムvs闇稼業ヴェーダ― 容疑者の語りのなかに真実は見えるのか!
ラストカットまで目が離せない、撮影もストーリーも素晴らしかった。男くささムンムンのレストランで20人ぎゅうぎゅうダンスシーンに萌え~金曜午後という平日だがほぼ埋まっていた客席、期待の高さは評判通りであった。


ヴィクラムとヴェーダー Vikram Vedha
監督:プシュカル-ガーヤトリ 2017年
主演:ヴィジャイ・ セードゥパティ、R・マーダヴァン

お次は 若々しいヴィジャイのチーム友情と逃避行の作品。屋上でみんなで踊りまくって天井抜け落ちんのかー、とツッコミたくなる。劇中のスポーツ「カバティ」ルールがわかればもっと面白かった、惜しい。

百発百中 -Ghilli
監督:ダラニ 2004年
主演:ヴィジャイ プラカーシュ・ラージ

そして、スーパスターラジニ様。 去年見逃した「リンガー」が再映され嬉しい。ダンスシーンのハンパない衣装替えやここぞ!のシーンでテーマBGMが流れ、安心して楽しめるのが素晴らしい。娯楽作としてだけでなく、イギリス人搾取の歴史やカースト制度への批判も交え、胸アツーだった今冬「ロボット2.0」も待ち遠しいわ。

Lingaa リンガー
監督:K・S・ラヴィクマール 2014年
主演:ラジニカーント アヌシュカ・シェッティ ソーナークシー・シンハ


インド大映画祭
ところでシネ・ヌーヴォには2012年ヴィジャイヴィクラム氏の「神様がくれた娘」上映時にサインを残していたはず。Yさんと一緒に探したが見つからなかった。一体どこにあるのだろうか。