【誕生日】
☆ ロジェ・ヴァディム Roger Vadim (1928.1.26~2000.2.11)
俳優、脚本などを経て1956年にヌーヴェルヴァークの夜明けとなる『素直な悪女』で世に出たフランスの映画監督です。
それまでのフランスではマルセル・カルネたちによる心理主義的リアリズム、詩的リアリズムが頂点を極めていましたが、
これに対抗する若い力が作家主義を旗印にして従前の映画作法を否定、イメージのモンタージュを排除して現実主体とした
自分の作法で映画を書き始めるという映画作家が登場します。その実践となったのが『素直な悪女』でありルイ・マルの
『死刑台のエレベーター』でした。ここに実質的なヌーヴェルヴァーク(広義)の誕生で、これによりカイエ派のトリュフォー、
ゴダールそれに左岸派のアラン・レネなどによるヌーヴェルヴァークの時代か始まりました。
そのロジェ・ヴァディムは『素直な悪女』で妻ブリジッド・バルドーを主役にして、以後の作品にみられるバロック調の
中に耽美的な独自の美学を展開していくことになります。ただ、一般的には受け入れ難い歪んだ独りよがりの美学であった
ために高評価を得られることはありませんでした。
また、彼の一つの功績として語られるのがモダンジャズを本格的に取り入れた映画となるシネ・ジャズの誕生です。
日本での公開順からいえば『死刑台のエレベーター』が最初なのですが、制作順では彼の『大運河』が記念すべき最初の
作品であり、フランス映画にはモダン・ジャズという組み合わせが流行することになりました。以後のヴァディムの作品
『危険な関係』『何がなんでも首ったけ』『スエーデンの城』などでも効果的に使われています。
ただ、女性に関するスキャンダルが後を絶つことがなく、女癖の悪さも彼の歪んだ美学のひとつだったのでしょうか。
【主要映画音楽作品】
1956年『素直な悪女』 Et Dieu... créa la femme
1957年『大運河』 Sait-on jamais…
1957年『月夜の宝石』 Les Bijoutiers du clair de lune
1959年『危険な関係』 Les Liaisons Dangereuses
1960年『血とバラ』 Blood and Roses
1960年『何がなんでも首ったけ』 La Bride sur le cou
1962年『戦士の休息』Le Repos du Guerrier
1962年『悪徳の栄え』 Le vice et la vertu
1963年『スエーデンの城』 Chateau en Suede
1964年『輪舞』 La Ronde
1965年『獲物の分け前』 La curée
1967年『世にも怪奇な物語・第一話』Histoires Extraordinaires
1967年『バーバレラ』 Barbarella
☆ ポール・ニューマン Paul Newman (1925.1.26~2008.9.26)
演劇・舞台・ブロードウェイ・TVドラマから映画界入りしたアメリカの男優です。
1954年に『銀の盃』で映画デビューしたものの、「第二のマーロン・ブランド」という売り出し文句が気に入らずに
一時ハリウッドを離れました。また作品の選択や監督の演出にも口うるさく、ハリウッドでは反逆児という扱いでした。
1950年代末期に、ようやく青臭さが取れて人気スターに成長していきました。1968年には念願の映画監督となたものの
彼の監督作品はあまり良い評価を得られていないようです。
【主要出演作品】
1956年『傷だらけの栄光』Somebody Up There Likes Me
1958年『長く熱い夜』The Long Hot Summer
1958年『左きゝの拳銃』The Left Handed Gun
1958年『熱いトタン屋根の猫』Cat on a Hot Tin Roof
1960年『栄光への脱出』Exodus
1961年『ハスラー』The Hustler
1962年『渇いた太陽』Sweet Bird of Youth
1963年『ハッド』Hud
1966年『引き裂かれたカーテン』Torn Curtain
1969年『明日に向って撃て! 』Butch Cassidy and the Sundance Kid
【ご命日】
★エドワード・G・ロビンソン Edward.G.Robinson (1893.12.12~1973.1.26)
ルーマニア生まれで後にハリウッドの重鎮として存在感を示した性格俳優。
主要出演作品として『犯罪王リコ』『偉人エーリッヒ博士』『運命の饗宴』『十戒』『サミー南へ行く』などがある。
▶追記 (2019.2.27)
フランスの作曲家、ミシェル・ルグランさんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福を祈ります。
★ミシェル・ルグラン Michel Legrand (1932.2.24~1973.1.26)
主としてヌーヴェルヴァーク作品の映画音楽を手がけたフランスの作曲家。
主要映画音楽作品として『女と男のいる舗道』『シェルブールの雨傘』『華麗なる賭け(風のささやき)』などがある。
↓は『シェルブールの雨傘』タイトルバック YOUTUBEより