港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

『9月4日』

2019-09-03 22:26:43 | 明日は誰の日

【誕生日】
☆レナート・カステラーニ Renato Castellani (1913.9.04~1985.12.28)



バラ色のネオ・リアリズムといわれた独自の手法を確立して注目を浴びたイタリアの映画監督です。
北イタリアのリグリア地方の小さな町ヴァリゴッティで生まれました。父親の仕事の関係で少年期をアルゼンチンで過ごし、
1925年にジェノヴァに戻りミラノ大学を卒業しました。1938年にローマに出て脚本家として映画界入りし、ブラゼッテイや
ソルダーテなどの助監督をつとめ、1942年にネオ・リアリズムの先駆をなしたといわれる "Un colpo di pistola" を初監督して
注目されました。1952年には彼にとっての傑作と言われた『2ペンスの希望』を発表し、ネオ・リアリズム隆盛の流れの中、
素人俳優と現場主義を基本とし、本流の激しさを抑制して独自のリアリズムを確立、バラ色のネオ・リアリズムと揶揄的評価を
受けて大衆に支持されました。1954年の『ロミオとジュリエット』もネオ・リアリズム手法により歴史映画に今日性を加味し
興業的にも大成功を収めています。
しかし、その後はただの語り手におちいり、TVシリーズなどに活路を見出しました。

【主要監督作品】
1952年『2ペンスの希望』 Due soldi di speranza

1954年『ロミオとジュリエット』Romeo and Juliet 

1955年『街の中の地獄』Nella città l'inferno 
1963年『波止場』Mare matto

1964年『愛してご免なさい』Tre notti d'amore 


☆グアルティエロ・ヤコペッテイ Gualtiero Jacopetti (1919.9.04~2011.8.17)



残酷ドキュメンタリー映画など奇抜な記録映画を撮り続けたイタリアの映画監督です。
ルッカ地方のバルガに生まれ、第二次大戦中はムッソリーニ に対するレジスタンスとして活動し、戦後はジャーナリスト
としてゴシップ週刊誌『エスプレッソ』で筆を執りました。このことから映画界との付き合いも始まりやがて1960年には
「夜シリーズ」と呼ばれた風俗紹介ドキュメンタリー映画の製作に参加、『ヨーロッパの夜』の撮影取材に協力しました。
1961年には自ら監督したドキュメンタリー『世界残酷物語』を発表、ジャーナリスティックな問題提起で物議を醸しました。
その後も同系列のドキュメンタリーを発表し続けましたが、ますますフィクション(現在で言うやらせ)の要素が強くなった
ことで記録映画作家として見限られていきました。ただ、本人は純粋なジャーナリズムであると主張していたようです。

【主要監督作品】
1961年『世界残酷物語』 Mondo cane

1963年『続・世界残酷物語』 Mondo cane 2
1963年『世界女族物語』 La Donna nel mondo
 
1966年『さらばアフリカ』 Africa addio 
1971年『ヤコペッティの残酷大陸』 Addio zio Tom 


☆クリスチャン・ジャック Christian-Jaque (1904.9.04~1994.7.08)



文芸作品から娯楽映画まで職人的にそつなくこなすフランスの中堅映画監督です。
パリに生まれ中等教育を終えてから美術学校と装飾学校に学びました。1927年から30年までは映画雑誌『シネグラフ』で
映画批評を執筆したり映画ポスターなども描いたりしながら装置技術者として映画界に入りました。サイレント末期には
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の美術担当や助監督をつとめ、短編などを経て1932年に『黄金の缶』で長編監督として
デビューを果たしました。その後はあらゆるジャンルの作品をそつなくこなし、数多くの娯楽作品を世に送り出しました。
特に1952年のファンファンを主人公とした『花咲ける騎士道』が興行的にも大ヒットして持ち前の職人肌が高く評価され、
以後もフランスの中堅娯楽監督として精力的に娯楽作品を発表し続けました。

【主要監督作品】
1932年『黄金の缶』Le Bidon d'or
1940年『青春乱舞』 Le grand élan
1941年『最初の舞踏会』 Premier bal
1942年『幻想交響楽』 La Symphonie fantastique
1945年『カルメン』 Carmen
1945年『幻の馬』 Sortilèges
1948年『パルムの僧院』 La Chartreuse de Parme 

1951年『青ひげ』 Barbe-Bleue
1952年『花咲ける騎士道』 Fanfan la Tulipe

1952年『愛すべき御婦人たち』 Adorable Creature
1953年『ボルジア家の毒薬』 Lucrèce Borgia
1955年『女優ナナ』 Nana

1956年『空と海の間に』 Si tous les gars du monde
1959年『バベット戦争へ行く』 Babette s'en va-t-en guerre

1960年『フランス女性と恋愛』 La française et l'amour 
1961年『戦場を駈ける女』 Madame Sans-Gêne 

1963年『黒い情事』 Les bonnes causes
1964年『黒いチューリップ』 La tulipe noire


☆ミッチー・ゲイナー Mitzi Gaynor (1931.9.04~ )



バレエ・ダンサーからミュージカル・スターに転身したハリウッド女優です。
イリノイ州シカゴに生まれ、幼少のころからダンスやバレエを始め、14歳の時にはハンガリア風歌曲を得意として舞台に立つ
ようになり、オペレッタに出演していた時にフォックス社のタレント・スカウトに見出されて契約を交わしました。
1950年には "My Blue Heaven" の端役で映画デビューを果たしその後のミュージカル作品で認められるようになり、1958年の
『南太平洋』が当たり役となりましたが、その後作品に恵まれず、1960年半ばにはナイト・クラブのショー・ダンサーに転身
して映画界から姿を消してしまいました。

【主要出演作品】
1951年『ゴールデンガール』 Golden Girl 

1952年『結婚協奏曲』 We're Not Married! 
1954年『ショウほど素敵な商売はない』 There's No Business Like Show Business 
1956年『陽気のせいデス』 The Birds and the Bees
1956年『夜は夜もすがら』 Anything Goes 
1957年『魅惑の巴里』 Les Girls

1958年『南太平洋』 South Pacific

1963年『恋のクレジット』 For Love or Money


【ご命日】

★エンリケ・ロドリゲス Enrique Rodriguez  (1901.3.08~1971.9.04)



爽快なリズムを基調としたポピュラーなスタイルにより人気を博したアルゼンチン・タンゴのマエストロ。
主な演奏曲として『ラ・クンパルシータ』『ソン・コーサス・バンドネオン』などがある。