『月光のノクターン』 ディック・ジェイコブス楽団
”Don't Want The Moonlight” Dick Jacobs orchestra 【YOUTUBEより】
原曲はベートーヴェンのピアノソナタ第14番『月光』で、これを1959年頃にイタリアのグァルティエロ・マルゴーニが
アレンジして歌詞をつけ”Guarda Che Luna”(月をごらん)というカンツォーネになりました。
これがアメリカに渡って”Don't Want The Moonlight”になったのですが、ディック・ジェイコブスという楽団指揮者
についての資料が全くありません。一説には和製ではないかとまで囁かれています。
日本では1961年に【今週のベストテン】に登場し、1961年9月の第一週から12月の第2週まで15週連続で
ベストテン入り(最高3位)、年間15位の大ヒットとなっています。
当時のレコード・ジャケットに歌詞がありませんでしたが、英詩は次の通りです。
Don't want the moonlight Don't want the starlight
Don't want to hear the song they play That's certain tonight
I'm sad and lonely Long for you only
For you're the only one who knows How to console me
If you could hear me You'd hurry near me
Bringing me all the love I need To really cheer me
What good is moonlight up above me With no one here to love me
Don't want the moonlight Just want your love light
折角ですので、ミルヴァの”Guarda Che Luna”も貼っておきます。
『月光のノクターン』 ミルヴァ
”Guarda Che Luna” Milva 【YOUTUBEより】
いつも素敵な音楽をありがとうございます。
二つの「月光のノクターン」を聴き比べると、
ミルヴァの歌唱力と抒情性のほうがぐっと胸に響きますね。
英語とイタリア語の持つ音の響きの差にもよると思いますが。
イタリアではオペラやカンタータなどが身近な生活に密着しており、いわゆる声楽
(人間の声によって人生の哀歓や悲壮美・崇高美などを聴衆に感じさせる音楽分野)
については、聞く側の耳が異常に肥えていて、たとえ流行歌(カンツォーネ)であっても
歌唱力は当然のこと、声質・声量・声域などに特出した歌手しか生き延びられない
土壌が出来上がっています。これがカンツォーネ歌手の原点なのでしょう。
イタリアの歌手はそういった環境のもとに育まれているため声楽の基礎が
しっかり沁みついているようです。
特にミルヴァの歌唱力は本当に素晴らしいですね。
コメントありがとうございました。