港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

ATG

2013-02-13 14:35:23 | シネマ

正式には『日本アートシアターギルド』ですがATGの略称で広く知られています。
スター主義のハリウッド映画が主流の時代に非商業的な芸術作品を配給するということで話題になりました。
神戸では『阪急文化』で上映されることになります。
私も大いなる興味を持ち、年会費を払って会員証を受け取ることになりました。
第一回目の配給作品は、ポーランドの新進イエジー・カワレロヴィッチ監督の『尼僧ヨアンナ』で、かなりの好評であったと記憶しています。

私がATGで鑑賞した作品で最も感動したのはイングマール・ベルイマン監督の『野いちご』でこの作品は現在でも私の出会った映画の中でも最高峰となっています。
映画がその存在意義を激しく訴えていた時代でした。

外国映画

2013-02-12 11:58:04 | シネマ

私が映画芸術に本格的に興味をもったのは古本屋で手に入れた一冊の雑誌でした。
それは、『キネマ旬報』の1955年2月号だったと思います。
表紙はリリー・パルマーだったと記憶しています。
そこには映画評論家が選ぶ1954年度のベストテン選考が掲載されていました。
何よりも注目したのは、同誌が選んだ1924年からのベストテンの資料でした。

約三十年間の名作のタイトルが三百点ほどズラリと並んでいましたが、監督も出演者も記載されていません。
今のようにネットで調べることなどできませんでしたので、主に古本屋で資料を探し回ったものです。
そんな折、古本の山の中に飯島正先生の『フランス映画史』を発見します。

そこにはフランス映画界の黄金期を飾った映画作家の作風についてこと細かく解説されており
熟読するにつれて映画に対して真剣に対峙しようと考えるようになりました。
その後、私の映画に対する価値観が大きく変わったのは飯島正先生の影響にほかなりません。
今後、私の映画に関する記事も一風変わっているかもしれませんが、他愛のない独り言として流していただければと思います。

これがタンゴだ (2)

2013-02-11 09:51:37 | アルゼンチンタンゴ


私がタンゴに興味を持ち始めたのは、電話リクエストやP盤アワーなどで流れる優雅なコンチネンタルタンゴでした。
アルフレッド・ハウゼ楽団の「碧空」、マランド楽団の「オレグァッパ」、リカルド・サントス楽団の「真珠とり」などを好んで聞いていました。
そのうち、タンゴにアルゼンチンタンゴという存在を知ることになります。
ご承知のようにコンチネンタルタンゴはオーケストラ編成で、規則的なリズムに乗った優雅な演奏スタイルです。
一方、アルゼンチンタンゴは同じ四分の二拍子ながらも、スタッカートのきいた強烈なリズム、それを奏でるバンドネオンの独特の音色。場末を感じさせる哀愁、訴えかけてくる悲しみ。
そんなアルゼンチンタンゴに惹かれかけたときに、『これがタンゴだ』に出会いました。
この番組は近々のラジオ局で放送されていませんでしたし、当然のことながら当地の新聞のラジオ欄にも掲載されていません。
聞きたい番組がなくてダイヤルをいじっていたら偶然にも雑音に混じったバンドネオンの音色が流れてきたのです。
そのとき、アルゼンチンタンゴが生涯を共にする音楽だと確信したものでした。
このブログのタイトルの一部の『Sentimiento』は、Sentimiento Gaucho(ガウチョの嘆き)を意識したもので、これも私の強いこだわりです。

↓はフランシスコ・カナロ楽団の『センチミェント・ガウチョ』 YOUTUBEより

これがタンゴだ

2013-02-09 12:37:13 | アルゼンチンタンゴ




『これがタンゴだ』はアルゼンチンタンゴの伝説的番組です。
私がアルゼンチンタンゴにのめり込んだのはこの番組で衝撃を受けたためです。
番組が始まったのは1955年だそうですが、私が聞き始めたのは60年を過ぎてからで、カナロ、ダリエンソ、ディサルリなどがまだ華々しく活躍していた時代です。
当初のジョッキーは高山正彦さんで、後に中島栄司さんへと移ります。
オープニングはフランシスコ・カナロの『エル・ジョロン(泣き虫)』、バンドネオン奏者のホルヘ・カルダーラの
『Este es el Tango Porteño …~  Este es el Tango Argentino! Porteño, sentimentano 』
と言うレシタシオン(吟誦、語り)で始まります。
同時に、
『みなさんごきげんよう。中島栄司です。おなじみのテーマ音楽、エルジョロン・泣き虫で始まるこれがタンゴだの時間がやってまいりました。この番組は東芝オデオンレコードの提供でお送りします。』
と重なっていたと記憶しています。
タンゴファンにとっては貴重な番組でしたが、近々の放送局での放送はなく、ノイズだらけの四国放送で聞いていたように覚えています。
そこにはポピュラーファンとは別人の私が存在していました。

アルゼンチンタンゴについてはあらためて掘り下げて記述してみようと思っています。

↓はフランシスコ・カナロ楽団の『エル・ジョロン(泣き虫)』 YOUTUBEより

ミュージックナイター (ラジオ大阪)

2013-02-08 09:45:48 | ポップス

昭和40年を過ぎた頃、ラジオ大阪で『OBCミュージックナイター』という午後七時から八時の帯番組がありました。
当時、オープンーリールのテープレコーダーを手に入れたばかりだったので、好きな曲を手元に残したいばかりにあちこちにリクエスト葉書を出していましたが、この番組でもよく採用されたものでした。
何曜日だったのかどうしても思い出せませんが、ある曜日の担当は関口敏子アナでミキサーが北岡氏でした。
軽快でコミカルな語り口の関口アナは、リスナーから『トン子』と呼ばれていてとても人気者でした。
『OBCミュージックナイター』以外にもたくさんの番組を受け持っておられて、日曜日には阪神百貨店のサテライトスタジオに出演されていましたので大阪まで見学に行ったこともありました。
そのとき、番組を終えた関口アナと話す機会があり、私が番組の常連だった当時のペンネームを名乗ると、とても喜んでいただけました。
センスのよい黒いドレスを着こなし、顔のほくろが印象的な素敵な女性でした。
リクエストに応じていただいたリトル・リチャードの『戦場に日は落ちて』やフォーチュン・テラーズの『バラの乙女』などを聞くたびに、関口アナの笑顔を思い出します。
今、どうされているのでしょう。

He's Not Just a Soldier - Little Richard / 戦場に陽は落ちて