秋空に子らの歓声のせて飛ぶ紙飛行機は核を積まない
行商を終えたる女(ひと)が荷にもたれ眠る電車が行く青田中
夕焼けに稲穂の光る駅裏の肉屋に友と野うさぎ運ぶ
そつと置く白26の一手より俄かに冬の星座の模様
草餅を指三本にいただけば地球の重み大地の匂ひ
折るの字は祈るにも似て紙に折る鎧兜は戦わず立つ
刺繍する君のつぶやく子らのことファドが流れる秋の夜長に
豊かなる胸乳あらはに子に吸はせ畦に座しをり稲の香の中
慰霊碑に名前刻めぬ人のゐる死後十年と言へぬ十年
会ひたいが会へば濃厚接触者ラインに連ねるハートのマーク
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