季節風~日々の思いを風に乗せて

喜寿になったのを機に新しいブログを始めました。日々の思いをつぶやきます。

令和2年自選10首

2020-12-30 12:12:02 | 短歌
秋空に子らの歓声のせて飛ぶ紙飛行機は核を積まない 

行商を終えたる女(ひと)が荷にもたれ眠る電車が行く青田中 

夕焼けに稲穂の光る駅裏の肉屋に友と野うさぎ運ぶ

そつと置く白26の一手より俄かに冬の星座の模様

草餅を指三本にいただけば地球の重み大地の匂ひ

折るの字は祈るにも似て紙に折る鎧兜は戦わず立つ

刺繍する君のつぶやく子らのことファドが流れる秋の夜長に

豊かなる胸乳あらはに子に吸はせ畦に座しをり稲の香の中

慰霊碑に名前刻めぬ人のゐる死後十年と言へぬ十年

会ひたいが会へば濃厚接触者ラインに連ねるハートのマーク



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