カナダ西岸、記録的熱波でムール貝が大量死
カナダ西部ブリティッシュコロンビア州を先週末に襲った記録的な熱波で、海岸のムール貝やアサリが大量死し、専門家らが危機感を示している。
ブリティッシュコロンビア大学動物学部で気候変動が海岸の生態系に及ぼす影響を研究しているクリストファー・ハーリー教授は4日、同州バンクーバーの自宅近くの磯浜で、無数のムール貝が殻を開いた状態で腐りかけているのを見つけた。
5日に入江をはさんだ対岸の灯台を訪れると、そこでも岩場を覆うように密生するムール貝がほぼ死滅していた。
バンクーバー中心街の気温は26日に37度、27日に37.5度、28日には38.6度を記録。海岸ではさらに気温が上がった。ハーリー教授が赤外線カメラで調べた水面の温度は51.7度にも達していた。
同教授によると、この時期の干潮時刻は日中の最も暑い時間帯に重なるため、浅瀬の生物は潮が満ちてくるまで生き延びることができない。
ハーリー教授は熱波でムール貝など10億もの生物が死んだ可能性があるとみている/Courtesy Christopher Harley
バンクーバー沖から米シアトル沖にかけてのセイリッシュ海全体では、今回の熱波でムール貝など10億もの生物が死んだ可能性があると、同教授は指摘する。
1000年に一度の異常気象ともいわれる熱波が10年ごとに起きるようになれば、ムール貝の生息地は回復するチャンスを失ってしまう。専門家らは、その影響が生態系全体に波及する恐れもあると指摘している。
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