新型コロナウイルス、これまでの感染状況(1月31日現在)
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、中国での死者が200人を超えた。世界保健機関(WHO)は30日、国際的な公衆衛生上の緊急事態を宣言した。
新型コロナウイルスについてこれまでに分かっていることは以下の通り。
*中国の衛生当局によると、30日時点で、死者数は213人。うち発生地である湖北省での死者が204人。感染者数は9692人となった。
*中国本土以外では、米国、日本、オーストラリア、フランス、ドイツ、香港、タイなど22カ国・地域、計129人の感染が確認されている。
*中国本土以外では死亡は報告されていない。
*WHOは30日に緊急会合を開催。テドロス事務局長は会合後、国際的な緊急事態に相当すると発表した。
*米国で人から人への感染例が初めて確認。人から人への感染はすでにドイツ、日本、ベトナム、韓国でも確認されている。
*米国務省は30日、中国への渡航警戒レベルを引き上げ。「中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスのため」として、国民に中国に渡航しないよう勧告。
*中国国内の一部の都市は市民に対して厳しい移動制限を発動している。
*世界中の航空会社が相次いで中国の主要都市への直行便を運休したり、便数を削減している。
*オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インドネシア、イタリア、日本、シンガポール、韓国や米国などが武漢市から自国民を退避させる措置を実施。
*中国サッカー協会は30日、新型肺炎の拡大を防ぐため、2020年シーズンの開始延期を決めたと発表した。
*南京で3月に開催予定だった陸上の世界室内選手権も、2021年まで延期される。
*米アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグルやスウェーデンの家具大手イケアなど企業も中国国内の事務所や店舗の一時閉鎖などを発表。
*これまで知られていなかったこの新型ウイルスは、昨年末に武漢市の海鮮市場で違法に取引されていた野生動物から発生したと推測されている。
*専門家の間では、新型コロナウイルスは2002─2003年に感染が拡大して800人近くが死亡した重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2012年以降に700人以上が死亡した中東呼吸器症候群(MERS)ほど毒性は強くないとの見方もある。