東京電力は28日、福島第1原発の原子炉建屋周辺にある地下水くみ上げ用の井戸で、水位計に設定ミスがあったと発表した。実際より水位が約70センチ高く表示される状態だったという。建屋の地下には高濃度汚染水がたまっており、周辺の地下水の水位が低くなると汚染水が漏れ出す恐れがある。東電は水位の逆転が起きていなかったか調べる。

 高濃度汚染水が漏れないように、建屋周辺の地下水は、汚染水より水位を高くする必要がある。東電は1〜4号機建屋の周囲に掘った井戸で地下水をくみ上げ、水位を調整している。

 東電によると、ミスがあった井戸は6本で、最も古いものは今年4月19日から水位計の設定を誤っていた。

 28日時点で最も水位が低い井戸は基準プラス約109センチ、近くの2号機建屋地下の汚染水は同約100センチで、単純に比較すると地下水が約9センチ上回っていた。